BMW 5 Series|6世代目を迎えたBMWの屋台骨
CAR / NEWS
2015年4月13日

BMW 5 Series|6世代目を迎えたBMWの屋台骨

BMW 5 Series|BMW 5シリーズ

6世代目を迎えたBMWの屋台骨

BMWは、フルモデルチェンジを果たしシリーズ6代目となる、新型5シリーズセダンを発表した。

文=ジラフ

ひとまわり大きくなったボディ

新型5シリーズのボディサイズは、全長4899×全幅1860×全高1464mmで、現行モデルと比べ全長で44mm、全幅は15mm大きくなっている。全高は6mm下げられた。いっぽうホイールベースは78mmのばされ2968mmという、このカテゴリーのモデルではトップクラスの長さを誇る。

搭載されるエンジンは、ガソリンエンジン4機種とディーゼルが3機種。トランスミッションは、全車に8速ATが設定され、モデルによってステアリングにパドルシフトを備えたスポーツATも搭載されるという。

トップユニットは550iに載せられる直噴4.4リッターV8ツインターボ(407ps、61.2kgm)で、0-100km/h加速は5秒、最高速度は250km/h(リミッター作動)を記録。535iには高精度ダイレクトインジェクションとバルブトロニックを組み合わせた直噴3.0リッター直6ツインターボ(306ps、40.8kgm)を搭載し、0-100km/h加速は6秒、最高速は250km/h(リミッター作動)とアナウンスされる。

528iと523iには、直噴3.0リッターの直6希薄燃焼エンジン(528iが258ps、31.6kgm、523iが204ps、27.5kgm)が搭載され、欧州複合モード燃費では、それぞれ12.8km/ℓ、13.1km/ℓを記録する。

ヨーロッパでのデリバリーは2010年春

ディーゼルエンジンでは、最新世代コモンレールシステムやアイドリングストップ機構を組み込むなど、大幅な改良がくわえられた直噴2.0リッター直4ターボ(184ps、38.7kgm)を搭載した520dを発表。もちろん8速ATと組み合わせることも可能(4気筒と8ATの組み合わせは世界初)で、欧州複合モード燃費20km/ℓ、CO2排出量においても132g/kmというクラストップレベルの性能を達成している。

残るディーゼル2機種は、530dと525dに搭載される直噴3.0リッター直6ターボ(530dが245ps、55.1kgm、525dが204ps、45.9kgm)。こちらの欧州複合モード燃費とCO2排出量は530dが15.87km/ℓ、162g/km、525dは16.13km/ℓ、161g/kmを記録。また530dの8速AT車にはNOx除去触媒コンバーターが追加されたBMWブルーパフォーマンスが設定され、ユーロ6基準の排出ガス性能に適合している。

個性的なフロントグリルやエンジンフードはもちろん健在で、ひと目見ればBMWとわかるスポーティなスタイルを継承。またボディ剛性は車体の平均強度で約55%アップ、前後の重量配分にこだわった車体レイアウトやシャシーシステムなどで、基本性能の向上も図られている。

装備面でのトピックは「BMWコネクテッドドライブ」だろう。このシステムはナビゲーションやインターネット接続などのテレマティクス機能にくわえ、緊急通報システム、レーン逸脱警告、ナイトビジョン、アクティブクルーズコントロールなどドライバーの運転支援装置が充実、安全面の強化が図られている。

新型5シリーズセダンは、7シリーズや5シリーズGTとおなじ、ドイツ南部のディンゴルフィングで生産され、ヨーロッパでは2010年春のデリバリーが開始される予定だという。

BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においても常に高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。

Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。

その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。

ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。

           
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