Volkswagen SCIROCCO|フォルクスワーゲン シロッコ 試乗(前編)
CAR / IMPRESSION
2015年4月16日

Volkswagen SCIROCCO|フォルクスワーゲン シロッコ 試乗(前編)

Volkswagen SCIROCCO|フォルクスワーゲン シロッコ 試乗(前編)

365日使用できるプレミアム・スポーティクーペ

エンジンは1.4リッターと2リッターの2本立て

シロッコは初代がゴルフに先駆けること1年の1974年にデビュー。2代目が81年で、だいぶ間があいて今回の3代目となる。365日使用できるプレミアムスポーティクーペが新型シロッコのコンセプトで、エンジンは1.4リッター+ツインチャージャー「TSI」(392万円)と、2リッター+ターボチャージャー「2.0TSI」(447万円)の2本立てとなる。

一部の基本構成部品をゴルフと共有していながらも、2ドア+4座のシロッコはまったく異なったクルマに仕上がっている。ひとつは2リッター4気筒ガソリン直噴エンジンで、ゴルフにも本国では用意されている2リッターユニットとはほぼ別物の新設計。

たとえばカムシャフトはゴルフではベルト駆動なのに対してシロッコはチェイン駆動。また振動低減のためのバランサーシャフトはシリンダーブロック内に配置してエンジン高を低めている。インテークマニフォルドのタンブルフラップの形状変更、新設計のオイルポンプおよび燃料ポンプの採用も、特筆すべき点だろう。これらの技術で200psを発生しながら燃費低減にも貢献。トランスミッションは、オートマチックの快適さとマニュアルの上をいく経済性とダイレクト感を併せもった6段DSGが組み合わせられる。

別の魅力を備えた「TSI」と「2.0TSI」

いっぽう1.4リッター4気筒ガソリン直噴エンジンは、スーパーチャージャーが低回転域を、ターボチャージャーが高回転域を受け持ち、小排気量ながら2リッターなみのパワーを発生し、同時に低燃費にも寄与するフォルクスワーゲン自慢のユニット。160psのこちらはゴルフとおなじもので、トルクが太すぎる2リッターユニットには組み合わせられない7段DSGトランスミッションが、こちらには用意される。

「まるでデザインスタジオから飛び出してきたような」とメーカー自身が謳う、斬新なスタイリングは、ラインというより面(サーフェス)の表情で美しさを強調する現代的なもの。後方にいくにしたがって絞りこんだルーフが、軽快なイメージを与えている。全長4255mmとコンパクトなのに対して全幅は1810mmで、低く構えたスタイリングが走りをイメージさせる。

はたして新型シロッコを運転してみると、1.4リッター「TSI」と、2リッター「2.0TSI」、どちらにも個性があって、べつの魅力を備えていることがわかる。

2.0TSIの最大の特徴は「DCC」と呼ばれるシステムを備えていること。ダンパーの減衰力やパワーステアリングの特性を制御するもので、ドライバーは任意で「ノーマル」「スポーツ」「コンフォート」が選択できる。たとえばスポーツを選んだ場合、足まわりは硬くなり、ハンドルは重くなる。試乗会では山道を走りながら、3つのモードを交互に試してみた。結果、2.0TSIの基本セッティングがそもそもスポーティなので、意外なようだがコンフォートがしっくりくるように思えた。ハンドリングが犠牲になることなく適度なしなやかさが手に入り、それがおとなのためのスポーティクーペというシロッコのキャラクターに合う。

フォルクスワーゲン カスタマーセンター
0120-993-199

           
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