Chapter2_どれも世界遺産級。オニツカタイガーシューズ物語
Fashion
2015年7月28日

Chapter2_どれも世界遺産級。オニツカタイガーシューズ物語

Chapter2_Masterpiece of Onitsuka Tiger

どれも世界遺産級。オニツカタイガーシューズ物語

たとえば、1959年に発表された「マジックランナー」は、大胆にもシューズに穴を開けることによってランニング中の足の衝撃熱を解消することでマメを防止、以後約20年さまざまなランナーに愛用された。
また1970年代半ばに誕生した「TIGER CORSAIR(タイガーコルセア)」は、アメリカのみで販売され、その後開発されたジョギングシューズのもととなった。
貴重な資料写真で綴る、オニツカタイガーのマスターピースを紹介しよう。

まとめ=梶井 誠(本誌)資料提供=アシックス

フォトギャラリーに掲載した「歴史的モデル」が活躍した当時に思いを馳せてみる

上のフォトギャラリーの3枚目の「マジックランナー」。1959年に登場し、なんとオニツカが合併した直後の1978年まで約20年間にわたってさまざまなランナーに愛用されつづけ、とくにマラソンの君原健二選手は、1968年のメキシコオリンピックでこのマジックランナーを履き銀メダルを獲得した。

1枚目の「マラソン足袋」は、座敷用足袋をベースに3回の試作品を経て1953年にデビュー。ヒモ付き、ラバー付きソール、踏まず部分のベルトの3つを備えて、アメリカのランニング専門誌に取り上げられるほど話題になった。

Chapter2_どれも世界遺産級。オニツカタイガーシューズ物語 Photo03

Chapter2_どれも世界遺産級。オニツカタイガーシューズ物語 Photo04

さらに、8枚目の「TIGER CORSAIR(タイガーコルセア)」にまつわる話は興味深い。
1968年当時、オニツカはアメリカ市場に向けて「マラップ」や「リンバーアップ」などを販売していた。
アメリカの販売代理店を担っていたのが、ブルーリボンスポーツ社(ナイキ社の前身)で、クッション性の不足を指摘され開発したのが「CORTEZ」(のちの「TIGER CORSAIR」)であった。
ソールは従来より8ミリプラスされた24ミリとなり、それまでになかった厚さとなったが、そこに70年代のジョギングブームが到来する。
アメリカで起こったブームは日本へも飛び火し、「タイガーコルセア」は日本人のライフスタイルの変化に大きな影響を与えるのと同時に、スポーツアイテムからファッションアイテムとして日常に履くまでに浸透した。

オニツカタイガーを代表する定番モデルの<NIPPON MADE>バージョン
「MEXICO 66 DELUXE」登場!

「MEXICO 66」の原型は、1962年に存在したトレーニングシューズ「リンバーアップ」である。
その「リンバーアップ」の細身のフォルムや踵(かかと)部分のフラップなどは、オニツカタイガーシューズを象徴するディテールをもつ。

そして、オニツカタイガー復活を目指して2000年にプロジェクトがスタートしたときにまず着手されたのが「リンバーアップ」のリプロダクト。
「リンバーアップ」が支持された60年代当時のクラシックシューズならではのディテールをうまく表現しながら、21世紀のストリートファッションにフィットするスニーカーが誕生した。

春らしいビタミンカラーの4色展開。「MEXICO 66 DELUXE」各2万2050円

そして、2009年3月。昨年8月に“本物の日本”をテーマにシリーズ化された<NIPPON MADE>シリーズに、オニツカタイガーを代表する定番モデルのNIPPON MADEバージョン「MEXICO 66 DELUXE」がついにラインナップ。

Chapter2_どれも世界遺産級。オニツカタイガーシューズ物語 Photo05

Chapter2_どれも世界遺産級。オニツカタイガーシューズ物語 Photo06

「MEXICO 66 DELUXE」の最大の特徴は、上のフォトギャラリーで紹介しているように、日本の職人の手により、1足1足製品洗いされ、機械では表現できない味のある風合いやシワ感、足になじむユーズド感を表現。
また、洗い加工独特の表情を生かすために“タンニンなめし加工”の本革を使用。素材感やクラフト感など<NIPPON MADE>だからこそ表現できるディテールへのこだわりがたっぷりつまった逸品に仕上がっている。

アシックスお客様相談室
Tel. 03-3624-1814

オニツカタイガーの1949-2009

           
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