CLASSICO|クラシコ
Design
2015年4月22日

CLASSICO|クラシコ

CLASSICO|クラシコ

生活に根ざしたライフスタイルを提案

谷中にひっそりと店を構えるCLASSICO(クラシコ)は、飾りのない機能的なクロージングと、日常品としてのテーブルウェア、用の美を満たしたアンティークなど、オーナーのセンスがひびくショップ。

文=加藤孝司

「用の美」を体現する清々しい佇まい

台東区谷中は、細い路地や坂道のある昔ながらの風情の残る寺町。かつて森鴎外や夏目漱石をはじめとした文豪たちが居を構え、朝倉彫塑館や現代アートを展示するギャラリーなども多く、文化の香り高いエリアでもある。

2006年8月、このエリアにオープンしたCLASSICO(クラシコ)は、「antiques、clothes、crafts、life」をテーマにして、「classic」と「暮らし」を店名の由来にもつショップだ。

クラシコの目指すライフスタイルはつねに前向きに人間的であること。それは生きていくうえで、さまざまな矜持に満ちた事柄に真摯に対処することにほかならない。

クラシコのオーナーである高橋さんの暮らしぶりにはそんな佇まいが感じられてじつに清々しい。そのコンセプトはいたって明快だ。それはまず日々の生活にとって何が必要であるのか? というシンプルな考え方に依拠するものの考え方に由来する。だからこそクラシコに置かれた民藝の考え方に共鳴し、自身の目と手によって選ばれた道具たちには無駄な要素がひとつとしてない。

人間のライフスタイルを象徴するものでもある“衣”は、ベーシックで永遠のスタンダードのみが選ばれて店頭に並ぶ。店に置かれたそれぞれの品にはオーナーのたしかな自信と自負、そして細やかな心遣いが隅々にまで行きわたっていて優しさを感じるのだ。だからこの店を訪れる人はこの街のあたたかさをこの店のあり方に重ね合わせて、何度となく足を運んでしまう魅力に満ちている。

また民藝の創始者である柳宗悦の“用の美”という言葉はこの店の体を表す言葉だ。日常使用されることのなかに生まれる美しさ、奇をてらわない健康的な美しさは、実直な日々の暮らしのなかにこそ宿る正直なものだ。だからこそ日々の暮らしをベースにしたこの店のあり方は貴重だし、生真面目に生きることを真っ直ぐに提案する数少ないショップである。

CLASSICO
東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル102号
Tel. 03-3823-7622
営業時間|12:00~19:00
定休日|火曜定休
www.classico-life.com

           
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