「HSW」の本田博之さんに聞く(4)

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photo by Jamandfix

服と音 Photo01

店内にあったミュージシャンの落書き

聴いている人を感動させるのが音楽

望月 唯:Honda Sound Worksを辞めてどうされるんですか?

本田博之:Honda Sound Worksブランドはなくなりますが、やりたいことは変わっていない。目標は明確なんですよ。“もっと日本の音を良くしたい”というために行動したい。

望月:具体的にあるんですか?

本田:これまではアマチュアのギタリストの底上げをしてきたわけですが、今度はプロユースで底上げをしたい。理想の音をつくりあげたいアーティストの力になったり、レコーディングで音をつくるスタッフとして働きたい。まぁ、英米のアーティストの友人の協力も得ながら、日本にロックサウンドの文化をつくるために生きていきたいわけです。

望月:でも寂しいですね。この店は海外アーティストがライブで来日したら必ず寄っていく観光名所だったのに。

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オクターバー「1410」

本田:結構人気ありますよね、海外で。ストーンズのエンジニアのドン・スミスとか、キースのレコーディングを担当しているジョン・クーガとかすごく評価してくれて、スティーリー・ダンのエンジニアは製品を買ってくれたり。NYのブルーエクスプロージョンのギタリストも使ってくれています。あと、ジョン・スペンサーとか。

望月:ジョン・スペンサーは本田さんの音に合っていますよね。

本田:あのパワーはすごいよね。

望月:本田さんのつくる“爆音系”は、いまどきのガレージロックやオルタナにはすごく合いますね、ダイナソーJrとか。ロックがカッコイイと思われている部分を思い切りやっている。

本田:単純に格好良さを追求していますからね。音の良い悪いではなくて、好きか嫌いかなので。自分にとってカッコイイ音ならいいんですよ。

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「FAB DELAY」

望月:これまで弟子とか取らなかったんですか?

本田:弟子はいないですね。ブランドや製品を残すことに全然興味がない。勉強しに来る人はいたけど、音の好みは感覚的なものなので、教えられないしね。ぼくは「すべての答えはノイズにある」と思っているんですよ。ノイズを聴けばだいたいバランスがわかる。ノイズは大事ですよ。

コットンクラブで、リオーネル・ルエケのギターを聴く

望月:日本人は逆にノイズを気にしすぎますよね。バランスの良いノイズもあると。

本田:エフェクターをつくるときもノイズを出してバランスをつくるんです。

望月:将来はどうされるんですか?

本田:夢はスタジオとレーベルですね。アメリカのスタジオのノウハウを生かしながら、リハーサルとレコーディングを一緒にできる、曲づくりから進められる、いい音が録れるスタジオをつくりたい。

望月:やはりそうですよね。

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オーバードライブ「1401」

本田:サウンド文化をつくりたい。アーティストのテクニックが重視されると、音楽・楽器業界も栄えるんです。だからアーティストの感性を100%フォローできる体制をつくりたいですね。

望月:いい音をつくれば日本語でも世界進出できますよね。

本田:聴いている人を感動させるのが音楽なのに、今は弾いている人を感動させるところにとどまっているのが楽器業界の罪です。それを変えたい。

望月:これからも応援します。

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店内にあった落書き

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MOCHIZUKI Tadashi

1969年静岡生まれ。スタイリスト井嶋和男氏に師事。94年スタイリストとして独立。2002年に自身プロデュースのSHOP『RICO』をオープン。翌年、KOROMO BY RICOオープン。05年、フェニックス Robe …