第20回:渡辺サブロオさんの『wAtOSA』の魅力!
渡辺サブロオ×小林ひろ美
「サブロオワールドにお邪魔します」(4)
渡辺サブロオさんの魔法のメイク術の秘密は“色調整で顔をコントロール”すること。
それを実践できるのが、オリジナルブランド『wAtOSA(ワトゥサ)』のラインナップです。
そうしてもうひとつの秘訣は「いかにチャーミングにつくれるかってことを探してる。
ほんと、いつも探してるんです、どうすればよくなるかを。」と語ります。
構成と文=染谷晴美写真=井手口恵子
『wAtOSA』は、オトナの女性がターゲット
小林ひろ美 サブロオさんのオリジナルブランド『wAtOSA(ワトゥサ)』は、こんなに可愛いパッケージなのに、内容はオトナ向けというのが魅力。私たち世代にはうれしい限りです。なかでもいまの私のお気に入りはスキンケアライン『アズレニア』のプロテクト パーフェクション クリーム。すごくいいですね。
渡辺サブロオ 『アズレニア』はジャーマンカモミールから抽出した天然由来成分“アズレン誘導体”をベースにつくっています。沈静効果もあって、穏やかで、安心できる。お肌を整えるだけでなく、心の支えにもなります。製薬会社といっしょにつくっているんですけど、内容でいうならば大手メーカーの高級ラインと同じA級。そう考えると、とてもリーズナブルだと思いますよ。
小林 きょうはいろいろ持ってきてくださったんですね。せっかくだから、ファンデーションの上手な使い方を教えてください。
サブロオ このスティックファンデーションは薄くついてよく伸びる。多色使いで立体的な肌が簡単につくれます。
僕は色調整で顔をコントロールするんですね。まず低めのトーンのファンデーションを全体に塗って、高い部分に白をもってくる。いわゆるカバーするというやり方はしない。色ムラは、赤い黄色をベースに茶色に仕立てて同調させ、その上から明るい色でマスキングするというダブルトーンで解決させます。
このブラシもつくりました。ケースのデザインもしています。かわいいでしょ? ちょっと遊びがあるほうがいいんですよ。ちょっとおバカ、くらいのほうがね(笑)。
小林 広島でつくっているんですか。
サブロオ そう。かなり気を遣ってつくっています。中国じゃできません。中国でつくるとぐしゃぐしゃになっちゃう。
小林 肌あたりがいいですね。しっかりフィットします。
サブロオ ブラシ使いがうまくなればお化粧上手になれますよ。
渡辺サブロオのメイクの魔法
サブロオ 欧米人のように凹凸のある顔は平面的につくってもいいんです。でも、日本人は締めていかないといけないから、後ろ、横、前にまわって、顔は球体であるってことを前提に、真ん中の芯に向かってブラシを動かして、核にあるエネルギーを外へ出すように回転させる。起承転結を全部ここにもってきているんです。
僕は、写真ではなかなかわからないと思いますけど、肉眼で見ると本当に奥行のあるメイクをつくる自信がある。空気感のある、香りのようなものをつくり出します。
きれいになると自信がもてますよね。自信がつけば姿勢もちがってくるし、筋肉が笑みを浮かべてくるから、目の力も増す。そうなれば、おのずと人を惹きつけます。それがメイクアップの真髄かな。
小林 まさしくメイクは魔法ですね。ところで、サブロオさんくらいになると、肌を触るだけで年齢もわかるものですか?
サブロオ 年齢のことはあまり考えない。詮索するエネルギーはちがうものにまわします。
小林 そうですかー。
サブロオ 具体的には、いかにチャーミングにつくれるかってことを探してる。ほんと、いつも探してるんです、どうすればよくなるかを。
魔法が醒めても、記憶は残ります
サブロオ 僕のなかには、いまいったようなメイクアップの真髄を、メイクアップをする立場の人に向けてアプローチするプログラムを組むことと、一般の人が楽しめるよう考えることのふたつが、ちがったチャンネルであるなと思っているんです。
小林 それはいいですね。
サブロオ ただ、こういうふうに、なにかを考えたりつくったりするのは大好きなんですけど、数字がきらいで……。だから、なかなかビジネスに結びつかない(笑)。
小林 私もおなじです(笑)。
サブロオ 結局、いえることはひとつ、本物が好き、それだけです。
人生は一度きりないんだから、やりたいことがある人は逃すんじゃないよ、っていいたいですね。一所懸命にやって楽しめばいい。
そして、チャンスはものにしなきゃ。思い込みでもいいんです。そもそも、人生は全部思い込み。ほんとですよ。でも、思い込ませてくれるものに巡り合えるだけでも素晴らしいこと。だって、酔えるんだもん。
小林 魔法が醒めたとしてもね。
サブロオ そう、記憶が残ります。そして、記憶はどこにでももっていける。
小林 すてきなメッセージですね。きょうのこの対談もしっかり記憶に残しておきます。ありがとうございました。