BREITLING|空のレースを支えるブライトリング
BREITLING|ブライトリング
RED BULL AIR RACE WORLD CHAMPIONSHIP 2014
レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ 2014
最強・最速の12人のパイロットが空を駆る!(1)
2010年シーズンの終了後、休止していた「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」がついに帰ってきた。今シーズンは2月28日~3月1日、アラブ首長国連邦・アブダビで行われた第1戦を皮切りに、10月25日~26日、オーストリアでの第7戦まで、計6か国で開催される予定。現在、5月17~18日にマレーシアのプトラジャヤで開催された第3戦が終了している。この第3戦の模様を中心に、「レッドブル・エアレース」を紹介したい。
Texy by KOIZUMI Yoko
たった12人にしか参戦できない世界最高峰のレース
「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」に使用される機体はチームによって差はあるが、全長6.5m、全幅7.4m、重量500kg強。ゲートとシケインで構成されるコースを規定の姿勢で飛行し、タイムを競う。パイロンの高さは25m、コース設計はレースごとに変わる。
ルールは非常に簡単だが、各ゲートの飛行範囲は上部40%の範囲内(15~25m)、ゲートへの進入速度は時速370km(200ノット)以下、最大荷重は10G以下にしなければならないという規定が加わる。出場できるのはたった12人のパイロットであることが、難しさの証明になるだろう。
日本人唯一の参戦を果たす室屋義秀選手
パイロットのなかで注目すべきが、2009年より参戦する唯一のアジア人パイロット室屋義秀選手だ。クロアチアで行われた第2戦では表彰台を獲得し、徐々に調子を上げる。今回のレースの難しい点をマレーシアの気候という。
「高温と高湿度だと空気が薄くなります。すると飛ぶ力が低下し、飛行機のポテンシャルが引き出せないことになります。しかもスコールはあるし、温度や湿度は刻々と変わるんです。そのためもっとも気を遣ったのが、湿気と高温に合わせたセッティングでした。そしてコックピットは45~50℃にもなりますから、パイロットにとっても脱水症状を起こしてしまうほど。クロアチアは風が変化しやすい状況で苦労しましたが、今回は暑さと湿気との戦いですね。あとコースがシンプルなので、スピード勝負になります。時速370kmで飛行していても、5秒間旋回するだけで約時速250kmまで減速してしまいます。ですからターンを効率よく行いながら、速度を落とさないこともパイロットとしては気を遣うところですね」
今大会から全機に対し、同じ規格のエンジンとプロペラが提供されることになったため、これまで以上にパイロットの技量が求められることになった。このレギュレーション変更についいて「パイロットとしては、がぜん、面白くなりました。世界最高のパイロットたちが互い技量をぶつけ合う、最高峰のステージがレッドブル・エアレースです」と室屋選手は語る。
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RED BULL AIR RACE WORLD CHAMPIONSHIP 2014
レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ 2014
最強・最速の12人のパイロットが空を駆る!(2)
ブライトリング・レーシングチーム、第3戦の頂点に
そんな最高峰パイロットの一人にナイジェル・ラム(イギリス)選手がいる。ブライトリング・レーシングチームに所属し、カンパニーカラーである黄色の機体のMXS-Rで空を駆る。現在、57歳。39年のキャリアをもち、経験、知識、テクニックの高さでパイロットたちから尊敬を集めている。
レッドブル・エアレースには、レース初期から参戦し、今年7年目。黎明期からレースを支え、今回のレース復活をもっとも願い、新たなスタートをもっとも喜んでいる人物のひとりだ。2位を6回獲得し、また2010年には総合3位にも輝いが、センターを取ることはなかったのだ。
その彼が第3戦で44回目のレースにして初の優勝台を勝ち取ったのである。ハンガー(自動車レースにおけるピットのこと)に戻った彼は、スタッフたち喜びを分かち合い、目に涙を浮かべていた。
「こんな気持ちになるとは……。7年間やってきて、いいことも悪いこともあったけれど、すべてが報われた気分」と話した。リスクを承知でパイロンギリギリを飛行する策が功を奏したわけだが、彼が決勝レースで叩き出したタイムは1分15秒023。2位のハンネス・アルヒ選手よりわずか0.668秒差であった。
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RED BULL AIR RACE WORLD CHAMPIONSHIP 2014
レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ 2014
最強・最速の12人のパイロットが空を駆る!(3)
オフィシャルタイムキーパーを務め、レースを支えるブライトリング
この凄まじいまでに微妙なタイムをたたき出すレースの計測を担当しているのがブライトリングだ。レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップは2003年から2010年シーズン終了後に休止されるまで、世界で何百万人もの人が観戦するビッグレースへと成長してきた。
この間、オフィシャルタイムキーパーを務め、レースを支えてきたのがブライトリングである。空を舞台に、プロフェッショナルたちの真剣勝負の場にもっともふさわしいメーカーといえよう。スタート/フィニッシュゲートにあるブライトリングのロゴからは、パイロットたちへの敬意、そしてパイロットの計器としての矜持が見て取れる。
さて第4戦は、7月26~27日、ポーランド・グディニャで開催される予定だ。現在、30ポイントでトップを走るアルヒ選手を追うのが、25ポイントのポール・ボノム選手(イギリス)、17ポイントのピート・マクロード(カナダ)、そして第3戦で見事優勝を果たしたラム選手(イギリス)。もちろん室屋選手も第2戦に続き、表彰台を狙っている。持ちうるテクニックをすべて駆使して空を駆る12人のパイロットたち。彼らの戦いの行方を見届けたい。
BREITLING CHRONOMAT AIRBORNE|
ブライトリング・クロノマット・エアボーン
ブライトリング創業100周年に当たる1984年にリリースされた「クロノマット」。コクピットでも見やすい視認性、急激な荷重変化や温度変化、また振動に耐えうる耐久性を備え、そしてパイロットにとってベストな操作性を考慮して創案された独特なフォルムが特徴だ。パイロット・クロノグラフの代名詞ともいえるこのクロノマットが今年30周年を迎え、クロノマットのエッセンスを凝縮し、最先端技術で再構築したのが「クロノマット・エアボーン」である。
ケース|ステンレススチール
直径|41mm
ムーブメント|自社開発・製造による自動巻きムーブメント「ブライトリング キャリバー01」
パワーリザーブ|70時間以上
ストラップ|パイロット・ブレスレット(ミリタリー・ストラップも選択可能)
機能|1/4秒クロノグラフ秒針、30分計、12時間計、日付表示機能、300m防水。
価格|99万円(パイロット・ブレスレット仕様)、88万5,000円(ミリタリー・ストラップ仕様)すべて税別