BMW iという事件|BMW

BMW iという事件|BMW

CAR FEATURES

BMW i|ビー・エム・ダブリュー・アイ

創業100年目のターニングポイント

BMW iという事件

持続可能な次世代モビリティの実現を目指し、BMWがあらたに立ち上げた新サブブランド「BMW i」。創業100年に渡る歴史のなかでも、もっとも大きなチャレンジにBMWはどう挑もうとしているのか。日本市場にもiシリーズ第1号車となるコンパクトEV「i3」が上陸を果たし、本格的展開がスタートしたいま、あらためてその本質に迫りたい。

Text by OTANI Tatsuya

Mに匹敵するラブブランド

何度も何度も見せられたような気がするのに、それでもやっぱり関心が薄れない。なぜゆえ、BMW iはこれほど多くの注目を集めるのだろうか? 正直、EVそのものは決して珍しくない。カーボンコンポジットを使ったクルマだって、ないわけではない(もっとも500万円前後で買えるカーボンコンポジットボディは「i3」がはじめてだろう)。

それでもBMW iがある種の社会現象のようになっているのは、製品自体の先進性もさることながら、このプロジェクトにまつわる、さまざまな事象がニュースにあふれているからだろう。

BMW i3

BMW i8

まず、どちらかといえばハイパフォーマンスカーのイメージが強かったBMWが、最先端技術を駆使してエコカーを作り上げた点が目新しい。しかも、単発の商品を発売するだけでなく、BMW Mに匹敵するBMW iというサブブランドまで立ち上げ、EVやPHVを継続的に販売することを公言している。

これはBMWという自動車メーカーにとって大きなターニングポイントと呼ぶべき事件であり、またCO2排出量の抑制について自動車メーカーが負うべき責任の重さを再認識させるきっかけとなったともいえる。

もっとも、BMWとエコのイメージをうまく結びつけられないのは日本のファンというか私だけかもしれず、ウォールストリートジャーナルの発行元が選ぶダウ・ジョーンズ・サステイナビリティ・インデックスにおいて、BMWは自動車メーカーとして唯一8年連続で部門別のトップに輝いたほか、15年連続でサステイナブルな会社であると認められたという。

この指標は単に製品のサステイナビリティを評価するだけでなく、企業のガバナンス、コンプライアンス、さらには労働環境なども勘案されるため、自動車産業界で一般的に使われるサステイナビリティという言葉よりもやや幅広い意味をもつものの、BMWが社会的責任を果たそうとする意識の高い企業であることだけは、まちがいないだろう。

接続可能なモビリティに向けて、2011年の2月、BMW iというBMWのあたらしいブランドが誕生した