ポルシェ第2のSUV、マカンに試乗|Porsche

ポルシェ第2のSUV、マカンに試乗|Porsche

特集|ポルシェ、再入門

Porsche Macan|ポルシェ マカン

コンパクトSUVセグメントのスポーツカー

ポルシェ マカンに試乗

昨年秋に開催された東京モーターショーワールドプレミアを飾ったポルシェのあたらしいSUV「マカン」に初試乗。「カイエン」よりコンパクトで、よりスポーティーなルックスを手に入れたニューマシンの出来映えや如何に。ドイツ・ライプツィヒを舞台に、主力モデルの「マカン S」と、トップグレードの「マカン ターボ」の2台を河村康彦氏がドライブした。

Text by KAWAMURA Yasuhiko

“トラ”を意味するネーミング

世界のさまざまなメーカーから両手に余るモデルたちがリリースされ、妍(けん)を競いあうSUVの世界。いまや稀に見る激戦区となったそうしたカテゴリーのなかから、自身の作品を選んで貰えるその理由を、「『911』を生み出したメーカーのモデルであるからこそ」と自己分析するのは、ほかならぬポルシェだ。

ケイマン」がサーキットで911のラップタイムに肉薄しても、昨今の“稼ぎ頭”が「カイエン」であるとしても、このブランドの“911に対する畏敬の念”は、まるで変わる気配すらないのだ。

これまでカイエンやパナメーラの組み立てをおこなって来たライプツィヒの工場に、創業以来最大規模とされる投資を実施。そこでボディの溶接・塗装から最終組み立てに至るまでがおこなわれるのが、インドネシア語で”トラ”を意味するネーミングが与えられた「マカン」だ。

Porsche Macan S

Porsche Macan S

その姿が、兄貴分であるカイエンに類似のイメージを放ち、明らかに“ポルシェに見える”仕上がりなのは必然でもあるはず。特に、プレーンな造形のテールゲート中央にエンブレムを配し、その両脇に細身のテールランプをマウントするといった手法は“911にそっくり”と表現してすら良さそうだ。

ことほどさように、まずはポルシェの一員であることを主張するこのモデルは、いっぽうでVWグループに属することを利用して、すでに2006年から発売されているアウディ「Q5」と基本骨格を共有した合理的設計がおこなわれたというのも、興味をそそるストーリーだ。

かつて不振を極め、一時は他社への身売り話すら高い信憑性を持って語られたポルシェ。それが、エンジンの水冷化を目玉とした“新世代の911”と、フロントセクションの構造を共にしたボクスターという新型車の投入をもって、奇跡的な復活へと転じたことは良く知られている。

さらに「アメリカで911に乗る人の多くは、大型のSUVも所有している」という調査に基づいて開発され、後に多くの富をもたらしたカイエンの例を見れば、このブランドが屈指のマーケティング能力をそなえ、合理精神に溢れるメーカーであるのも明白だろう。

Porsche Macan S