Patek Philippe|名誉会長に訊く - パテック フィリップ175年の歴史

Patek Philippe|名誉会長に訊く - パテック フィリップ175年の歴史

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Patek Philippe|パテック フィリップ

名誉会長フィリップ・スターン氏、
『パテック フィリップ・ミュージアム』所蔵のミュージアムピースを語る

パテック フィリップ175年の歴史を遡る

パテック フィリップ創業175周年、スイス日本間の国交樹立150周年を記念して、1月17日~19日、明治神宮外苑聖徳記念絵画館で開催された『パテック フィリップ展 ~歴史の中のタイムピース~』。1万3200人もの来場者を集め、盛況のうちに幕を閉じたが、同展で展示された時計はすべてスイス・ジュネーブにあるパテック フィリップ・ミュージアム所蔵のもの。そして、これらを収集してきたのがパテック フィリップS.A.の名誉会長フィリップ・スターン氏である。

Text by KOIZUMI Yoko

40年以上をかけ、少しずつ集めた歴史的な遺産たち

スイス・ジュネーブにある『パテック フィリップ・ミュージアム』には16世紀から19世紀のオールド・コレクションが約1000点、創業からの自社製品が1000点あまり、工具が400種類以上、そして文献約8000冊収蔵されている。人類が“時”を携行できるようになってから以降の時計史を俯瞰できる、世界最大クラスの時計専門の博物館である。フィリップ・スターン氏は世界中に散逸していたさまざまなタイムピースや関連する工具、書籍を40年以上に渡り収集し続け、2001年にミュージアムとしてオープさせている。

創業175周年を迎えた今年1月、明治神宮外苑にて『パテック フィリップ展~歴史の中のタイムピース~』が開催された

パテック フィリップS.A.の名誉会長を務めるフィリップ・スターン氏

──コレクションを始めたきっかけは?

パテック フィリップが創業した1839年は、ご存知のとおり懐中時計が主流でした。創業からすぐに世界に顧客を持ち、またその顧客の多くが世界の王族や著名な文豪といった歴史に名を残す人物です。しかも時計は一点モノばかりで、さらに技術の粋を集めた逸品揃い。

こうした時計を集めて、きちんとしたパテック フィリップのコレクションがつくりたいと思ったのがきっかけです。当初は、永久カレンダーやスプリット秒針クロノグラフなど、さまざまな機構を備えた懐中時計が揃ったら壮観ではないかと思っていました。

──コレクションするうえでの留意ポイントは?

時計を集めるのは簡単ですが、やみくもに集めても意味がありません。ですからスタートする前に私自身が「どういうコレクションにしたいのか」を明確にする必要があり、ビジョンをしっかりと練り上げることから始めました。まず保管状態が良好なものを厳選しました。どれも100年以上前に製作されたものですから、とくにムーブメントは慎重に鑑定しましたね。

何しろ弊社には優れた時計師がおりますから。購入を検討する際は彼らを伴い、ムーブメントのチェックは念入りに行ないましたよ。また、創業当時のムーブメントはシンプルなものでしたが、徐々に進化し、より複雑に、より洗練された機構をつくれるようになっていきました。その過程もわかるよう特徴的な機構を搭載しているかにも配慮しています。そしてもうひとつ、誰がオーナーだったのかもポイントですね。

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