Patek Philippe|小型時計がはめ込まれた小鳥がさえずるオルゴール

Patek Philippe|小型時計がはめ込まれた小鳥がさえずるオルゴール

特集|パテック フィリップ展~歴史の中のタイムピース~

Patek Philippe|パテック フィリップ

Singing Bird

シンギング・バード

ヨーロッパの王侯貴族のみならず、中国の皇帝にも愛された鳥のオルゴール、シンギング・バード。鳥がさえずり、羽ばたきを見せるこのからくり時計をパテック フィリップも手掛けていた。

Text by KOIZUMI Yoko

小型時計がはめ込まれた小鳥がさえずるオルゴール

1770年頃、ジュネーブを中心に著しい発展を見せたのが、オートマトン(自動仕掛人形)とシンギング・バードの技術。オブジェがまるで生きているかのような動きを見せるこの機構は、技術の小型化に伴い、懐中時計や嗅ぎ煙草入れなどに搭載されるようになり、ヨーロッパ大陸のみならず、中東や中国市場を席巻するほどの人気となった。なかでも世界の王侯貴族たちを魅了したのが、シンギング・バードだ。

蓋を開けると鳥がちょんと姿を現すボックスタイプや、鳥かごタイプでは複数の鳥がそれぞれ違った鳴き声を発したり、また引き金を引くと銃口から鳥が登場するといったユニークなピストルタイプのモデルもあり、これらバリエーションの豊富さに往時の人気を知ることができる。

Singing Bird|シンギング・バード 02
Singing Bird|シンギング・バード 03

このシンギング・バードはパテック フィリップが1874年ごろに手掛けた貴重なもの。ボタンを押すと蓋が開き、鳥が現れる。そして本物さながらに羽ばたきながら、さえずり始めるのである。その動きは精巧な機械によって制御され、鳴き声は小さなフイゴによってつくりだされる。鳥の美しい鳴き声に合わせるかのように、ボックスの彫金装飾も見事である。また蓋にはジュネーブにあるレマン湖とモンブランの山々が細密七宝画によって描かれている。

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ボックス/99.9mm、縦63.8mm、厚さ37.5mm