ART|世界の名だたる音楽家たちのポートレイト展「The Soul of Music」ライカ銀座店サロンにて開催

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ART|写真展「The Soul of Music」ライカ銀座店サロンにて開催

ポートレイトフォトグラファー マット・ヘネック氏インタビュー(1)

世界の名だたる音楽家たちのポートレイトを撮り下ろしてきたドイツのフォトグラファー Mat Hennek(マット・ヘネック)氏による写真展「The Soul of Music」が、12月11日(日)までのあいだ、ライカ銀座店2F サロンにて開催される。来日したへネック氏に、作品にまつわるエピソードを聞いた。

文=OPENERS
写真=鈴木健太

コミュニケーションの延長に写真がある

──なぜポップミュージシャンではなく、クラシックの音楽家なのでしょう?

もともとキャリアはポップやロックのミュージシャンからスタートしているんだ。6、7年くらいかな? スティングや、トレイシー・チャップマンとかね。そういった華やかな世界のなかで撮っていることに興味がなくなったんだ(笑)。もっと地に足の着いた、というか。よりアートとしての写真を撮りたいと思いはじめた。それでクラシックの音楽家を撮るようになって、世界中のクラシック音楽のメジャーレーベルと一緒に仕事をするようになっていったんだ。一番はじめはケント・ナガノさんだったんだけど、それがとてもよかったということもあるかな。

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──ポップミュージシャンとクラシックの音楽家とのちがいとは?

クラシックの音楽家たちは、撮られることに慣れていない。だからナチュラルでピュアな表情を見せてくれる。かたやポップミュージシャンたちは撮られることに慣れているから、自分の一番いい顔、求められている表情をつくってしまうんだ。そういった意味で、クラシックの音楽家たちはつくられた顔をもっていないから、会話をしながら、仲良くなりながら進めて、最終的に写真へと仕上げていくことが重要になる。写真が第一の目的ではなく、コミュニケーションの延長に写真がある、という感じかな。

だから撮影はちょっとだけで、ほとんどが会話してる。僕はあまりシャッターを押さないタイプだしね。2時間話して、10分で撮影したこともあるよ。2時間でお互いを知り合っているから、そんなことも可能なんだ。信頼関係がない場合は、“NO”と言われてしまえばそこで終わり。信頼関係があるからこそ、最終的に自然な表情を見せてくれるんだ。

ポートレイトフォトグラファーにはもっとも必要な資質

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──信頼関係を築くコツとは?

ひとりの人間として、おなじ人間として話すことが重要。クラシック音楽に詳しいひとたちからすれば、彼らは“神様”のような存在。なかには“Sir”の称号をもつひともいる。普通ならもちろん名前を呼ぶときは“Sir”を付けなくてはいけないだろうし、敬語で話すべきひとたちだ。でも僕は“Sir”とは言わないし、おなじ目線で会話をするようにしてる。クラシック音楽に詳しくないからこそできることなのかもしれない(笑)。

たとえば彼らが100人のひとと順番に握手をしていくとして、99人は彼らを“神様”として扱うだろう。でも僕だけが、おなじ目線でフランクに話しかければ、僕に興味をもつよね。もちろん偉大な音楽家であることはわかっているけど、そこで“神様”として扱えば、それだけ距離ができてしまうんだ。

これはポートレイトフォトグラファーにはもっとも必要な資質だと思うんだ。上からでも下からでもなく、相手とおなじ目線で話すこと。以前、リチャード・アヴェドンというポートレイトフォトグラファーの仕事を見たことがあるんだけど、彼は自分の背後にカメラをセットし、ケーブルレリーズを手にもって、インタビューをしながら相手にはわからないようにシャッターを押していたんだ。それは非常に興味深かったし、勉強になった。カメラに集中するのではなく、“話していること”が重要で、カメラの存在が互いのあいだにないぶん、よりナチュラルな表情を撮ることができるんだ。

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