今度のスカイラインは“インフィニティ”|Nissan
CAR / MOTOR SHOW
2015年4月3日

今度のスカイラインは“インフィニティ”|Nissan

Nissan Skyline|日産 スカイライン

今度のスカイラインは“インフィニティ”

ハイブリッド専用モデルとして、新型「スカイライン」が登場した。しかも、そのフロントグリルには、北米で展開する日産のプレミアムブランド「インフィニティ」のエンブレムが輝く。旧モデルのガソリンエンジン車も併売する「スカイライン」に託されたミッションとは?

Text by SAKURAI Kenichi

ハイブリッド専用モデルに進化

日産は、「スカイライン」の4ドアセダンをフルモデルチェンジし、11月11日(月)より販売を開始する。あたらしい「スカイライン」は、そのスタイリングを見てお気づきのように、北米で展開する「インフィニティ」のエンブレムをフロントグリルに備えている。


いうまでもなく「スカイライン」は、2002年11代目の型式V35から「インフィニティ」ブランドの車両として北米での販売を開始し、現在グローバルモデルとして進化を遂げている。セダン、クーペ、クロスオーバーをラインナップする北米の「インフィニティ G35」は、すなわち日本の「スカイライン」である。

Nissan Skyline|日産 スカイライン

Nissan Skyline|日産 スカイライン

新型「スカイライン」は、日本市場ではじめて「インフィニティ」のエンブレムを用いたラインナップになるが、すぐさま日本国内でも「インフィニティ」ブランドを立ち上げ、「レクサス」のように専売ディーラー網を展開するわけではない。


将来的なプランにはそうした可能性があることも否定できないが、成否はともかくまずは「スカイライン」のあたらしいエンブレムとして周知を進め、北米で高級ブランドとして認知されている「インフィニティ」をイメージさせるという戦略であると読み取れそうだ。と、同時に、新型「スカイライン」が、国産車だけでなく、輸入プレミアムモデルをもライバルにしていることが分かる。走りと質感、そして高級感の向上が、このモデルチェンジのポイントである。

Nissan Skyline|日産 スカイライン

今度のスカイラインは“インフィニティ” (2)

新世代の「日産コネクトナビゲーションシステム」

プロポーションは、正常進化といってよい、スポーティで存在感あふれるものだ。全長4,790×全幅1,820×全高1,440mmと、ボディサイズは、旧モデルよりもわずかに拡大。ホイールベースは2,850mmと変わっていない。ただし、室内寸法は拡大され、居住性能向上を果たしている。


インテリアは、現行モデルから乗り換えても違和感のない、シンプルだが操作性に優れた質感の高いデザインだ。日産初となる8インチナビ画面にくわえ、7インチのタッチ液晶操作パネルを組み合わせた、ツインディスプレークラスターデザインを持つ新世代の「日産コネクトナビゲーションシステム」は、直感的な操作方法と操作感を実現している。

Nissan Skyline|日産 スカイライン

Nissan Skyline|日産 スカイライン

これにはダイヤル式のマルチファンクションスイッチがシフトレバーの後方に、運転姿勢を崩すことなく操作できるように配慮された。画面にタッチして主な操作がおこなえるほか、ダイヤル式のマルチファンクションスイッチや、タッチパネル周囲に置かれたメカニカルスイッチでもおこなえるので、スマホ感覚の操作に慣れていない人でも不便を感じることはないだろう。


こうした操作系統が、ステアリングの中心からほぼ650mmの範囲に配置されているのも、ドライバーオリエンテッドを訴える「スカイライン」ならでは、といえそうだ。

Nissan Skyline|日産 スカイライン

今度のスカイラインは“インフィニティ” (3)

ガソリンエンジン搭載の現行モデル「V36」は併売

パワートレーンは、3.5リッターV6ガソリンエンジンとモーター+リチウムイオンによるハイブリッドシステムを採用。これにマニュアルモード付き7段ハイブリッドトランスミッション(AT)を組み合わせ、後輪駆動と4WDをラインナップする。グレードのちがいはすべて装備と駆動方式のちがいによるもので、新型「スカイライン」のパワートレーンは、この1機種のみだ。

Nissan Skyline|日産 スカイライン

Nissan Skyline|日産 スカイライン

したがって販売ラインナップは、フル装備の「350GT HYBRID Type SP」を頂点とし、中級グレードの「350GT HYBRID Type P」、そしてエントリーグレードの「350GT HYBRID」の3グレードに、FRと4WDの駆動方式のちがいがそれぞれにくわわり、計6機種のシンプルな構成となる。

ただ、ユニークなのは、ハイブリッド車以外へのニーズに対応するため、ガソリンエンジン搭載の現行モデル「V36」が3グレードだけ残り、おなじ「スカイライン」として併売される点だ。


エンジンは、最高出力225kW(306ps)、最大トルク350Nm(35.7kgm)の実力で、モーター単体では最高出力50kW(68ps) 、最大トルク290Nm(29.6kgm)を発生する。システム合計最高出力は 、実に268kW(364ps)にも達する。日産では、スポーティな走りと低燃費の高次元なバランスを追求するスカイラインのあらたなパワーソースとして、ハイブリッドは最適な選択であったという。

Nissan Skyline|日産 スカイライン

具体的には、モーターの特性をかなりスポーティに設定し、スタートダッシュの5秒間で、これまでの限界値を上回る高いトータルトルクを発生。0-100km/hの発進加速性能では、数値こそ未発表ながら、車内計測値では量産車ハイブリッドモデルとして世界最速だという。さらにこちらも数値未発表ながら、モーターのみで走るEV走行距離も拡大していると発表されている。


また、世界初となるダイレクトアダプティブステアリングの採用も新型「スカイライン」のトピックスであろう。これは、ステアリングシャフトの代わりに、ステアリングの動きを電気信号に変換し、操舵する世界初のシステムで、直進安定性の確保や、キックバックなどを抑える働きがあるとされている。しっかりとした運転フィーリングと、スポーツカーのようなクイックなハンドリングの両立が体感できるはずだ。

Nissan Skyline|日産 スカイライン

今度のスカイラインは“インフィニティ” (4)

「スカイライン」に託された真のミッション

安全面の向上も、忘れてはいない。約60km/hで衝突を回避するエマージェンシーブレーキや、新型ミリ波レーダーで2台前のクルマの動きを感知し、急激な減速を予測、警報で注意を促すPFCW(前方衝突予測警報)、さらに車線変更の際に死角に隠れたクルマを検知するBSW(後側方車両検知警報)、日産初となるBSI(後側方衝突防止支援システム)のほか、LDW(車線逸脱警報)やLDP(車線逸脱防止支援システム)を装備。バックの際に接近する車両を検知するBCI(後退時衝突防止支援システム)も国産車として初めて搭載している。


こうした新型「スカイライン」に採用されたキーデバイスや変更点をみていくと、もはやライバルは、欧州やアメリカのプレミアムブランドが持つ、ラグジュアリースポーツモデルであることに気づく。「インフィニティ」として考えれば、これは当然のことなのだが、まるで日常的に北米でおこなわれているライバルとの戦いが、場所を変え日本でも展開されることになったかのようだ。

Nissan Skyline|日産 スカイライン

Nissan Skyline|日産 スカイライン

あえてインフィニティを名乗ってはいないが、新型「スカイライン」は、日本市場でも世界のプレミアムカー(とそれを購入対象として考えるユーザー)にチャレンジしようとする野心作だ。


「インフィニティ」のエンブレムを採用したり、「V36」のガソリンエンジモデルを併売するあたりに、思慮深さ(や迷い)を感じるが、もちろんそれらを含めた戦略的な意味こそが、真の「スカイライン」に託されたミッションであり、日産が狙う“次の一手”である。そう、新型「スカイライン」が、日本での「インフィニティ」販売網構築のための試金石であることは、間違いないのない事実なのだ。


Spec|スペック

Nissan Skyline|日産 スカイライン
ボディサイズ|全長4,790(Type SPは4,800)×全幅1,820×全高1,440(4WDは1,450) mm
重量|1,760-1,880 kg
エンジン|3,498cc V型6気筒 DOHC
圧縮比|10.6 : 1
ボア×ストローク|95.5×81.4 mm
最高出力| 225 kW(306 ps)/ 6,800 rpm
最大トルク|350 Nm(35.7 kgm)/ 5,000 rpm
モーター最高出力|50 kW(68 ps)
モーター最大トルク|290 Nm(29.6 kgm)
システム総合最高出力|268 kW(364 ps)
トランスミッション|7段オートマチック(マニュアルモード付ハイブリッドトランスミッション)
駆動方式|FR / 4WD(アテーサE-TS)
タイヤ 前/後|225/55RF17(Type SPは245/40RF19)
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク / ベンチレーテッドディスク
サスペンション形式 前|独立懸架ダブルウィッシュボーン式
サスペンション形式 後|独立懸架マルチリンク式
燃費(JC08モード)|(FRモデル)18.4-17.8km/ℓ  (4WDモデル)17.0-16.8km/ℓ
CO2排出量|(FRモデル)126-130 g/km  (4WDモデル)137-138 g/km
価格|
  (350GT HYBRID)449万6,100円
  (350GT HYBRID Type P)486万3,600円
  (350GT HYBRID Type SP)526万4,700円
  (350GT FOUR HYBRID)476万9,100円
  (350GT FOUR HYBRID Type P)513万6,600円
  (350GT FOUR HYBRID Type SP)553万7,700円

継続して販売されるガソリン車モデルの価格は下記のとおり
  (250GT)299万400円
  (25GT Type S)349万200円
  (250GT FOUR)328万9,650円

           
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