フォード フォーカス・スポーツ 長期レポート 第1回|Ford

フォード フォーカス・スポーツ 長期レポート 第1回|Ford

暮らしのなかでこそわかるクルマの魅力

Ford Focus Sport|フォード フォーカス・スポーツ

第1回 フォード フォーカスを導入

1998年に初代を発売して以来今日まで、全世界で実に1,000万台以上を売り上げた、「フォーカス」の最新モデルをOPENERS編集部の長期レポート第5号車として導入することにした。現行モデルは今年4月から日本でも発売されているシリーズ3代目で、2012年の単一車名販売No.1の記録を持つベストセラーモデルだ。注目の連載第1回は、フォーカスがなぜベストセラーモデルになり得たのかを探ることで、その魅力に迫ってみたいと思う。

Text by SAKURAI KenichiPhotographs by MOCHIZUKI Hirohiko

Ford Focus|フォード・フォーカス

5号車
Ford Focus Sport
フォード フォーカス・スポーツ

導入時期 2013年8月
購入価格 293万円
総走行距離 9852km

乗った瞬間に、体に馴染む感覚

フォードというブランドに、どんなイメージをお持ちだろうか? すぐに思い浮かぶのは、「マスタング」や「サンダーバード」といったスポーツカー? それとも「エクスプローラー」や「エスケープ」といったSUVだろうか。レースに詳しい方なら、かつての「フォードGT」とフェラーリとの熱きバトルを想い出すかもしれない。

欧州で人気のラリー、WRCをご存じの方なら、プジョーやシトロエンといったフランス勢と渡り合った、フォーカスの勇姿が記憶にあたらしいはずだ。1998年に登場したフォーカスは、翌1999年からWRCに参戦し、かのコリン・マクレーのドライブで、初年度から優勝をものにした。斬新なデザインとアグレッシブな走りで、記憶にも記録にも残る活躍を果たしたのである。

それまでのCセグメントモデルといえば、良くも悪くも偉大なる「フォルクスワーゲン・ゴルフ」の影につきまとわれた、ゴルフ・ライクなデザインから抜け切れなかったものが少なくなかった。しかしフォーカスは、フェンダーアーチを強調するデザインや、テールライトをDピラー上部にマウントする超個性的なデザインを採用し、ファンの心を一気につかんだ。タイヤを強調するオーバーフェンダーデザインは、誰も考えつかなかったようなリアビューが、その後さまざまな亜流を産むことになるのは歴史が証明している。

Ford Focus|フォード・フォーカス
Ford Focus|フォード・フォーカス

いささか昔話が長くなってしまったが、とにかくフォーカスは、Cセグメントモデルの常識を変えてきたエポックメイキングなモデルであった、ということだ。その3代目となる現行モデルは全世界7カ国で生産されるグローバルプロダクトとして、120カ国以上で販売が行われる予定だ。

フォードは現在、「One Ford」と呼ぶ、世界共通車両の開発とそれを各マーケットにもっとも近い生産拠点から全世界にデリバリーするシステムを構築中だ。つい開発拠点別にアメリカ・フォードや欧州フォードとしてモデルを区別しがちだが、これからのフォードは、ブルーのオーバルエンブレムの下で「世界のフォード」となる。

その一環として、日本には、タイで生産される車両が導入される。タイのラヨーンにあるこの工場は、約400億円を投じた最新鋭の自動生産設備をそなえ、フォードのグローバル生産システムにおけるパイロット拠点としての役割をも担っているのだという。タイは日本とおなじ左側通行の国。そこで生産されているから……というワケではないのだが、フォーカスは右ハンドルモデルのウインカー位置が国産車とおなじ右側。国産車からの乗り換えでも違和感のない設計になっている。

Ford Focus|フォード・フォーカス
Ford Focus|フォード・フォーカス
Ford Focus|フォード・フォーカス

実車を見て感じずにいられないのは、まるで塊から削りだしたような質感の豊かな、スタイリッシュなエクステリアデザインを採用しているという点だ。この7月に日本でも発表された、コンパクトSUV「クーガ」と同様に、フォードはこのモチーフを“キネティック(動的な)デザイン”と呼ぶ。躍動的で立体感のある造形が特徴で、フロントマスクには台形をモチーフとしたデザインが与えられる。

日本モデルは、5ドアハッチバックの上級モデル“スポーツ”の1グレードのみで、専用のボディキットや17インチホイールがもれなく付いてくる。少々派手な印象もあるが、若々しさと走りをイメージさせる演出として、ここは素直にカッコイイと表現したい。