女王陛下のベントレー 公開|Bentley
Bentley State Limousine|ベントレー ステート リムジン
女王陛下のベントレー 公開
エリザベス女王の即位を記念したフェスティバル「Cornation Festival」に、英国王室の御料車「ステートリムジン」が展示される。
Text by SUZUKI Fumihiko(OPENERS)
たった2台のベントレー
7月11日から14日まで、エリザベス2世女王戴冠を記念して、バッキンガム宮殿で開催される、即位式のイベントCoronation Festival。
今年は、その祭典において、極めて貴重なベントレーを目にすることができるようだ。
それは2002年、女王即位50周年を記念して、英国自動車製造者協会からエリザベス2世女王に贈られた御料車「ステート リムジン」であり、これが、バッキンガム宮殿の庭園に展示されるというのだ。
フェスティバルの期間中は、世界中の人々に知られる女王陛下のリムジンのまわりを歩き、近づくことができる。
この特別なベントレーは2000年に、「プロジェクトダイヤモンド」とよばれる計画で開発がスタート。英国を代表する公務に使用するにたる、エレガントなクルマとして、デザインされている。ベースとなったのは、当時のベントレーの高級4ドアセダン「アルナージ」のシリーズ2。
とはいえステートリムジンは、多くの人から女王がよく見えるように配慮して、「パノラミック グラスハウス」とよばれる特徴的な窓をもち、同様の理由から、クルマの高さも、ベースとなった通常の「アルナージ」よりもずっと高い。
また高級な布を使用するリアシートは、女王とおなじ身長のモデルをつかってつくりだされているほか、後方にヒンジがあり、ほぼ90度まで開くドアをふくめ、乗り降りにも負担がないように配慮されているなど、ベース車両とは一線を画する、女王陛下の特別仕様だ。
もちろん、その防御能力も抜かりはなく、装甲化、防弾ガラスの装備、対地雷構造、対ガス気密構造の採用と、万一の事態からでも女王を守り切るようになっている。
4トンに迫るといわれる車体を駆動するのは、そもそもは「アルナージ R」用の最高出力300kW(400ps)、最大トルク835Nmを誇る6.75リッターV型8気筒ツインターボエンジンだ。
ベントレーは、このイベント中、「オープンエアワークショップ」と称して、革の縫製やウッドトリムの選別など、自慢の職人技も一般に披露するという。