INTERVIEW|舞台『シレンシオ』原田知世さんインタビュー

INTERVIEW|舞台『シレンシオ』原田知世さんインタビュー

LOUNGE INTERVIEW

INTERVIEW|女優・原田知世さんインタビュー

『シレンシオ』で30年ぶりの舞台に挑戦

「きっとだれかの心を動かせる作品になる」(1)

2008年、いまや伝説ともなっている舞台が開かれた。『空白に落ちた男』がそれだ。主演は東京バレエ団出身で世界にその名を知られるダンサー、首藤康之。作・演出を手がけたのは、セルフユニット、カンパニーデラシネラなどの活動でパフォーマンスの新境地を開拓し続ける小野寺修二。それは、肉体を駆使することで生み出された、まったく新しい舞台だった。あれから5年。改めてふたりがタッグを組んで創られる新作が『シレンシオ』だ。スペイン語で沈黙・静寂といった意味のタイトルは、両者ともに今回が初共演となる女優・原田知世のイメージに触発されたものだという。意外にも舞台出演は30年ぶりで、「稽古中は筋肉痛で大変でした」と柔らかく笑う彼女に、『シレンシオ』について聞いた。

Text by TASHIRO ItaruHair & Make by KOGURE MoePhotographs by JAMANDFIX

6人の男女が身体を使って表現する舞台

セリフはないと言っていいだろう。演じるのも原田、首藤をはじめとする6人の男女のみ。“フィジカル(身体)シアター”を謳っている。この造語は前作『空白に落ちた男』同様、ほかでは決して観ることのできない世界を披露するとの決意表明のように映る。

「身体が以前とはちがってきていて、緊張感ある身体になったというか、神経が研ぎ澄まされてきた気がしています。宣伝ポスターでは私たちの回りに寛ぐ動物がコラージュされているのですが、野生動物ってリラックスした状態でもパッとスイッチが入ると、すぐ臨戦態勢に身体が移るじゃないですか? それは人間にない部分。そうしたことをイメージして小野寺さんもこのポスターを作られたとおもうんです。わたし自身も、この舞台を通じて動物のような、そういう身体を少しでも習得できたらいいなとおもっています」

原田知世|シレンシオ 02

6人は原田以外、すべてダンサーだが、バレエやコンテンポラリーなど、辿ってきた道がちがう。そんな6人がときには彫像のような透徹した美を醸し出して独特の臨場感を作り、またあるときには、各々の感情を身体で表現して場の空気を変え、笑いも誘う。

「単純に肉体、動きそのもので美しさや面白さを伝える場面と、いわゆるお芝居になる部分と、それが、もう本当に瞬間で変わっていきます。ダンサーの方たちは普通、お芝居はされませんが、今回はお芝居をする。わたしも普段は踊らないけど、踊る。苦労したところはそれぞれでちがうのですが、一緒に苦労して悩みながら、みんなで向かった先が同じだったという感覚です。気持ちがひとつになったというか、本当に良いチームワーク。それぞれの良い部分も小野寺さんがきちんと引き出してくれていて。『空白に落ちた男』もそうでしたが、いままで観たことがないタイプのお芝居に仕上がっています」

原田知世|シレンシオ 04

『シレンシオ』での原田の役どころを尋ねる。

「ある女性……(笑)。男と女の物語なのですが、単純に、わたしと首藤さんの物語というわけでもなく……強いて言えば、だれでもそうだとおもうのですが、ひとりの人間にもいろいろな面があって、その多面性が物語を紡いでいくという感じでしょうか」