最新のV8フェラーリ「F8トリブート」日本上陸|Ferrari
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2019年6月28日

最新のV8フェラーリ「F8トリブート」日本上陸|Ferrari

Farrari F8 Tributo|フェラーリF8トリブート

最新のV8フェラーリ「F8トリブート」日本上陸

フェラーリは6月25日、488GTBの後継モデルとなる新型V8エンジン搭載2シーターベルリネッタ「F8トリブート」を東京都内で公開した。発表会場となった東京都現代美術館には、V8搭載モデルの元祖となる1975年の「308GTB」と、1984年の 「F40」もお目見えし、 F8トリブートのデビューを盛り上げた。

Text & Photographs by HARA Akira

史上最強720psのV8を搭載

「フェラーリ488GTBの後継モデルであり、フェラーリ史上最強のV8エンジンに対するオマージュを捧げる『フェラーリF8トリブート』を本日紹介します」とのアナウンス で始まったジャパンプレミア。

アンベールされたのは、鮮やかなブルーカラーを身にまとった新型F8トリブートで、プレゼンテーションのため登壇したのはフェラーリ極東・中東エリア ヘッド オブ コミュニケーションズのウィ・ピン・リム氏だ。

フェラーリF8トリブート

フェラーリF8トリブート

「フェラーリV8モデルの新たなマイルストーンとなるのが、本日ローンチする『F8トリブート』です。搭載するフェラ ーリ製V8ターボエンジンは、2016年から3年連続でインターナショナル エンジン オブ ザ・イヤーの最優秀に輝 くほか、2018年には過去20年の最優秀エンジンの中でも最も優秀な「ベスト オブ ベスト」も受賞しています。 フェラーリのV8エンジンは、スポーティさとドライビングプレジャーの代表として評されてきました」と、まず は新型の目玉であるエンジンを紹介。

新型が搭載する総排気量3,902cc 90°V型8気筒ツインターボ エンジンは、最高出力720ps/8,000rpm、最大トルク770Nm/3,250rpmを発生。先代の488から50psパワーアップされ、V8フェラーリ史上最もパワフルなものとなっている。

リッター当たり185ps(488GTBは172ps)を 誇るこのエンジンは、刺激的なエキゾーストサウンドを奏でるとともに、実質的にターボラグゼロを実現し、自 然吸気に匹敵する瞬発力を持つという。

フェラーリF8トリブート

フェラーリF8トリブート

技術的には、エアインテークをサイドからリアに移動し、ブラウンスポイラーの左右に設置した上でインテーク プレナム(レッド塗装のアルミ製と、オプションのカーボンファイバー製がある)に直結させ、損失を大幅に低 減しつつ大容量の空気を送り込めるようになったことで、パワーの増大を可能にしたとのこと。

チ タンコンロッドや、軽量/最適化されたクランクシャフト、フライホイールの効果で、急激な加速時には回転計 の針が瞬時に跳ね上がるとともに、レッドゾーンの8,000rpmに達した時点でレヴリミッターがカットオフする“ウォールエフェクト”プログラムを新たに搭載し、ラップタイムの短縮につなげるという。

また、唯一無二のフェラーリサウンドを奏でるため、ターボからテールパイプまでのエキゾースト全体のレイアウトを専用 設計とし、中〜高回転域で488GTB比プラス5dBの音量アップを実現。パワーを増大させていく中でエンジンサウンドをコックピットのドライバーに明確に伝える一方、新たに導入された厳格な排出ガス規制や騒音規制に適合さ せることにも成功している。

Farrari F8 Tributo|フェラーリF8トリブート

最新のV8フェラーリ「F8トリブート」日本上陸(2)

0-100km/h加速は2.9秒、最高速度は340km/hを実現

続いてリム氏は、「空力についてもさまざまな改良が施され ています。なかでもエアロダイナミクスの効率は488GTBより10%改良され、またエンジンの熱効率も改善されて います。冷却用のエアインテークの増大により、エンジンの高出力化に対応しました」と空力についてコメント 。

フェラーリF8トリブート

フェラーリF8トリブート

フロントアクスル上にダウンフォースを生み出す改良型「S-Duct」、ダウンフォースを強化するボルテックスジェネレーター、コーナーでもストレー トでも最高性能を生み出すアクティブエアロダイナミクス リアディフューザー、488チャレンジ由来のフロント ラジエターレイアウトと後部のブロウンスポイラーなどをビデオとともに紹介し、その効果を説明した。

この結果、F8トリブートのパフォーマンスは、全長4,611mm×全幅1,979mm×全高1,206mm、乾燥重量1,330kg(488GTB比−40kg)のボディを100km/hまで2.9秒(同3.0秒)、200km/hまで7.8秒(同8.3秒)で加速させ、最高速度は340km/hを実現。フェラーリのテストコースであるフィオラーノでのラップタイムは1分22秒5と公表されている。

フェラーリF8トリブート

フェラーリF8トリブート

また、「このクルマの最も重要な要素は最大化されたドライビングプレジャーとユーザビリティで、ステアリングホイールはハンドリングを向上さ せるために直径を小径化し、完全に再設計しました。進化のもう一つの要素はバージョン6.0から進化した『サイドスリップコントロール(SSC)6.1』で、ドライバーがクルマの性能を極限まで引き上げることを助ける電子制 御システムです。また、車重についても数多くの見直しが図られ、488GTBに比べて40kgの軽量化が達成されまし た。フェラーリの過去の伝説のモデルから要素を取り入れることも重要で、それはリアのレキサン製ウインドウ です。エンジン格納部を覆うこのスクリーンは、現代的解釈では最も有名なF40のデザイン要素を取り上げています」と、新型の各要素についてコメントした。

Farrari F8 Tributo|フェラーリF8トリブート

最新のV8フェラーリ「F8トリブート」日本上陸(3)

コーナー脱出速度は488GTB比で6%アップ

特にSSC6.1についてはマネッティーノの「RACE」(FDE+)ポジションで作動することから効果は高く、限界域での操作性が向上し、コーナー脱出速度は488GTB比で6%アップし、より扱いやすいパフォーマンスを実現している。

フェラーリF8トリブート

フェラーリF8トリブート

また「CT-off」ポジションでオーバーステア状態の際は、ステアリング操作量が488GTB 比で30%減となり、ドライバーのドライビングスキルに変化がなくても車両をホールドする能力が高まったと感 じ、長い時間のオーバーステア操作に対して自信が深まると謳われる。

インテリアについては、ダ ッシュボード、ドアパネル、トランスミッショントンネルは再設計で、新世代HMI(ヒューマン マシン インターフェース)を採用するとともに、円形エアベントやスイッチ類、新型7インチ パッセンジャー タッチスクリーン ディスプレイなど、すべてがドライバーとクルマの結びつきをさらに強くするためのものだとした。

フェラーリF8トリブート

フェラーリF8トリブート

「トリブート」(英語でトリビュートにあたるイタリア語、感謝や尊敬を意味する)と命名されたその意味を考えると、内燃機関のV8エンジンのみを搭載したモ デルはこれが最後では、と噂される今回の新型フェラーリF8トリブート。価格や発売時期は未定となっている。

           
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