ほしい、買いたいと思ってくれた人たちに純粋に報いたい|MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|ほしい、買いたいと思ってくれた人たちに純粋に報いたい

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

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カリモク ☓ BE@RBRICK 取材リポート 後編(1)

「BE@RBRICK カリモク」の製造工程が分かり、BE@RBRICKへの愛着がさらに湧いたのではないだろうか? 天然木ならではのぬくもりと熟練した職人による匠の技が生み出すハンドメイドの芸術。取材リポートの最終章は、カリモク家具株式会社 マーケティングセンター 新規事業部の池田令和さんに、これまで大変だったこと、これからメディコム・トイとやってみたいことなどを質問させていただいた。

Photographs by OHTAKI Kaku Text by SHINNO Kunihiko

小さなものなのに価値がある

――見学して、池田さんがおっしゃった“引き算のデザイン”の意味がよく分かりました。樹脂製品とは根本的に作り方が異なるんですね。

池田 樹脂のことはそんなに詳しくないのですが、私の持っている知識でお話すると、樹脂素材は加熱溶融させた材料を金型内に射出注入して、冷却・固化させることで成形品が完成します。製品を連続的に生産できるので量産に向きますし、足りない部分は“足し算のデザイン”で後から補えます。材料の色が変わっても剥離するタイミングや厚みがほぼ変わらないのでコントロールしやすい利点もあります。

――レギュラーのABS樹脂製BE@RBRICKは、そういう作り方です。

池田 木製品は木材の塊をどんどん削って形にしていく“引き算のデザイン”で、どう形を取っていくかは何通りも考えられるんです。例えば、ペットボトルの形を木材で作ろうとすると、長方体で大まかな形を取ってから後加工する人もいれば、回転させて注ぎ口から削っていく人もいます。それらの中でどれが最も効率よく合理的に作れるかを考えるのが社内の設計の仕事です。私が先輩たちから教えてもらった中に「木製品はどこまで引くかの程度で価値が決まる」という言葉があるんですけれども、BE@RBRICKはまさにその通りですね。

――樹種によっても作り方は変わるんですか?

池田 はい。データは同じでも機械刃の回転速度を変えています。銘木シリーズの「パオロサ」という木材は、そのまま削ろうとすると硬すぎて刃がかけてしまうんです。あとは木目も毛並みのように方向があって、逆目だと刃が木の繊維に食い込んで滑らかにならない。材料選びも気を遣わないといけない作業です。

――BE@RBRICKのような複雑な3次元曲線の立体物って、家具とはちょっと違いますよね。

池田 違います。最初にKAWS さんのBE@RBRICKを量産するとき、現場に「今度BE@RBRICKというクマのフィギュアを作りたいんです」と説明しに行きました。そしたらみんな、難しい顔して「うちはカリモク家具だよ? フィギュア? クマ?」みたいな反応で(笑)。何度も通って「また来たの?」と言われながら、納得してもらうのにすごく時間がかかったんです。

――量産するためには現場の職人のみなさんに理解してもらう必要があったということでしょうか?

池田 当時の工場の関係者は、芸術や現代アートといった方面の知識が深くなかったのです。アートに関して無知に近かった彼らに、諦めずにこちらから何度も丁寧に説明を続け、話し合いの後に何とか発売までこぎつけたところ、「カリモク、何やってるの! KAWSじゃん、すごいじゃん!!」という声が社外から聴こえるようになって。そこからだんだんみんなの気持ちが乗ってきたわけですが、とにかく時間がかかりました。

――職人としてのプライドが刺激されたんですね。

池田 ただ職人気質からクオリティに命を燃やしているので、フィギュアになった場合どこまでやっていいか加減がわからず、当初はちょっとやり過ぎちゃうところがありまして。そうじゃない、ここを目指してほしいんだって何度も何度も説明して。はじめてのことなので、かなり手ごわかったんですけど、苦労しながら取り組んでいるうちに現場の職人もBE@RBRICKの愛らしさに癒やされて、次第に夢中になっていきました。現場の職人もちょっとずつ「クマ」から「BE@RBRICK」という言葉遣いに変わっていって。

いまは結構楽しんでやってくれてて、「次、何やるの?」とか聞いてくれるんです。大変な苦労をかけてるんですけど、「この前のあれ難しかったよ」とか「お前また変なの持ってくんだろ?」って苦笑いしながら、「しょうがねぇなぁ」みたいな感じでやってくれて。

――目に見える形で反響があったことがよかったんですね。

池田 それは本当にそうです。家具業界では形が大きくて手が掛かっていれば高く売れるという概念だったのが、これは小さなものなのに価値がある。自分たちは一切妥協しないものを作っているという意識もあり、職人たちのプライドも上がるわけです。

メディコム・トイ カリモク ☓ BE@RBRICK
メディコム・トイ カリモク ☓ BE@RBRICK
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