大幅改良された新型マカン日本上陸|Porsche
CAR / NEWS
2019年3月26日

大幅改良された新型マカン日本上陸|Porsche

Porsche Macan|ポルシェ マカン

大幅改良された新型マカン日本上陸

ポルシェジャパンは大幅改良が施されたミドルクラスSUVの「マカン」を2019年夏より販売すると発表した。価格は据え置きの699万円から。

Text & Photographs by UCHIDA Shunichi

乗り心地とハンドリングの両立

ポルシェ「マカン」は2013年にグローバルデビューし、5年間で35万台以上を販売。日本では2014年に導入され、現在ではポルシェ ジャパンの年間販売台数の約3割を占める重要なモデルと位置付けられている。

今回の改良において、ポイントは3つ。ひとつはデザイン、そしてドライビングダイナミクス、最後はインフォテイメントとコネクティビティだ。

フロントまわりのデザインは、よりワイドなフロントグリルと新たにデザインされたLEDヘッドライトにより、ポルシェの典型的な4灯式LEDデイタイムランニングライトを引き立たせている。リアまわりは「パナメーラ」や「カイエン」、「911」と同様に、3Dデザインが施された横長のLEDテールライトが採用された点が新しい。

ポルシェ マカン

ポルシェ マカン

インテリアは7.2インチから10.9インチに大型化されたタッチスクリーンが搭載され、それに伴いセンタークラスターまわりのデザインが一新。より水平ラインが強調されている。

ドライビングダイナミクスにおいては、パワーとトルクの数値は変わらないものの、燃焼形状を最適化することで、パワーバンドを5,000〜6,750rpmと改良前の5,000から6,800rpmより若干低く設定。そこに7段PDKが組み合わされた。

足まわりではフロントサスペンションの一部をアルミ化することで、1.5kgの軽量化に成功。アンチロールバーやスプリング、ダンパーなどの設定を見直すことで、シャープなハンドリングと、バネ下の重量軽減により乗り心地も改善されている。

ポルシェ マカン

ポルシェ マカン

そしてオプションとしてマカンでは初めてモードスイッチ付きスポーツクロノパッケージが設定された。

最後に安全装備とインフォテイメントシステムに関しては、特に日本市場で重視されている安全装備の充実が挙げられる。アダプティブ クルーズ コントロールやレーン チェンジ アシストなどが標準装備。オプションでトラフィック ジャム アシストとレーン キープ アシストも選択可能だ。これらは、「日本のユーザーからの要望に応えるべく日本で特別に標準装備(あるいはオプション)としています」とは、ポルシェジャパン執行役員・マーケティング部長の山崎香織さんの弁。そして、「直観的に操作が可能な10.9インチタッチスクリーンディスプレイとともに、最新のポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)がドライバーに役立つさまざまな情報をもたらします」とコメントした。

Porsche Macan|ポルシェ マカン

大幅改良された新型マカン日本上陸(2)

戦略的な価格設定

マカンの価格は699万円と据え置かれた。この点について山崎さんは、「ポルシェ ジャパンはこれからも魅力的な商品を提供し続け、日本の消費を刺激することに微力ながらコミットしていきます。より多くのお客様にポルシェの世界を体感してもらいたいという我々の本気の思いから、日本でこのような戦略的な価格設定を実現させたのです」と述べた。

また、日本導入初期には2種類の特別バージョンが設定される。これまで日本市場で人気のオプションを標準装備として設定した、「ファースト エディション」と「シュポルト エディション」だ。ファースト エディションはより優れた快適性を追求し、14way電動シートが備わり最適なシートポジションで走りを楽しむことができる1台。一方シュポルトエディションは文字通りスポーティな仕様で、エクステリアと同色のサイドブレードや、スポーツデザイン サイドスカートなどが装備される。両エディションともに、スポーツ クロノ パッケージや、ポルシェ アクティブ サスペンション マネージメント システムなども選択可能だ。価格はファーストエディションが889万2,000円から。シュポルトエディションが916万4,000円からとなっている。

ポルシェ マカン

ポルシェ マカン

ミレニアル層もターゲットに

新型マカンのキーメッセージは、“Choose Thrilling. The new Macan. 人生の妥協なき挑戦者たちへ”とされ、想定ターゲットユーザーは、「人生に前向きで行動派のアクティブパーソン、そしてファミリーの方々です。常にチャレンジを忘れず人生をアクティブに生きている、日常により刺激を求めているライフスタイルを持っている方にぜひこの新型マカンのスポーツドライビングを体感してもらいたい」と山崎さん。また新たに獲得したいターゲットとして、「デジタルネイティブなミレニアル層です。いますぐに直接購買につながる方はそれほど多くないかもしれませんが、こうしたミレニアル層の方々にこそ我々ポルシェが内包している素晴らしさに触れてもらいたい。将来を見据えた上で非常に重要なターゲットになると考えていいます」とコメントした。

また、今回の発表会にはポルシェドライビングアスリートの2名が登壇。一人はオーストリア・ブンデスリーガのFCレッドブル・ザルツブルグに籍を置く南野拓実選手と、リオ五輪でカヌースラローム競技においてアジア人初となる銅メダルを獲得した羽根田卓也選手だ。

ポルシェ マカン

ポルシェ マカン

南野選手はマカンの印象を、「SUVでありながらスポーツカーならではのフォルムが格好良いと思います。個人的にはスポーティネスをさらにプラスしたシュポルト エディションが気になります。練習に行く時とかに乗ってみたいですね」とコメント。羽根田選手は、「以前のマカンに比べて全体的に精悍、スポーティになったという印象です。テールランプがパナメーラやカイエンのようになって一番目を引きます。自分がクルマの格好いいと思う瞬間は暗闇でテールランプが光るとき。そのテールランプだけでポルシェだと分かるかということがすごく魅力的です」と述べた。

Porsche Macan|ポルシェ マカン

大幅改良された新型マカン日本上陸(3)

タイカンは2020年、翌年にはポルシェエクスペリエンスセンターも

2018年、ポルシェは創業70周年だったことから、ポルシェジャパンでもポルシェ70周年を記念して製作した世界最大の折り込み新聞広告を、5月の発表会の場でギネス認定されたのを皮切りにさまざまなイベントを開催。また6月に箱根ターンパイクにおいて行われたポルシェ トリビュート ツアーでは、昨年のルマン24時間耐久レースを制したポルシェ「919ハイブリッド」をベースに開発した「EV919ハイブリッド」が、世界の主要都市をめぐる919トリビュートツアーの一環として来日し箱根ターンパイクを走った。「この取り組みでは919ハイブリッドで培った電動化技術を、市販車に導入するポルシェの電動化モビリティへの挑戦を表現し、動力源が内燃機関からモーターに移ってもポルシェはポルシェであり続けるというメッセージを込め、日本から世界へ発信したのです」とポルシェジャパン代表取締役社長の七五三木敏幸氏は述べた。

2019年に向けたポルシェジャパンの取り組みについて七五三木社長は、新たに5つの正規販売店をオープンさせ、2009年以降販売台数の好調さを維持するという。

ポルシェ マカン

ポルシェ マカン

また、ポルシェ電動化プロジェクトの総称として使われてきた“ミッションE”、正式に名称が決定した「タイカン」を日本では2020年に発売する予定とし、「すでに非常に多くのお客様に関心を寄せてもらっていることから、発売に先駆けてタイカンの関連の情報を発信するニュースレターの購読受付を2019年より開始します」という。

そして最後に、「総合スポーツドライビング施設、ポルシェ エクスペリエンス センターを千葉県木更津市に設置する計画が正式に決定しました。ポルシェが独自に設計するユニークかつダイナミックなドライビングコースを設置し、スポーツドライビングとポルシェの世界観を十二分に堪能してもらえる国内唯一無二の施設となる予定です」と発表。開業は2021年を予定しており、完成すると世界で8番目のポルシェ エクスペリエンス センターとなる予定である。

問い合わせ先

ポルシェ カスタマーケアセンター

0120-846-911

           
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