米山庸二 × ジョン・エリオット特別対談「相思相愛から生まれたコラボレーション」|M・A・R・S

米山庸二 × ジョン・エリオット特別対談「相思相愛から生まれたコラボレーション」|M・A・R・S

「M・A・R・S」米山庸二 特別対談

M・A・R・S|マーズ

米山庸二 × ジョン・エリオット特別対談

相思相愛から生まれたコラボレーション

スウェット素材を中心とした、シンプル&機能的な服作りで人気のJohn Elliott(ジョン・エリオット)。デザイナーのジョン・エリオット氏は、旅にも必ずM・A・R・S(マーズ)のジュエリーを持って行くほどのファン。一方、デザイナー米山庸二氏もまたジョン・エリオットの愛用者だったという不思議な縁が生んだ、魅惑のコラボレーション作品が完成! その制作秘話を含め、お互いが惹かれあった理由をお訊きしました。

Photographs by MAEDA AkiraText by TOMIYAMA Eizaburo

ジュエリーが加わったことで、コレクションに深みが生まれた

――まずは、ジョン・エリオットさんとM・A・R・Sの出会いについて教えてください。

ジョン・エリオット(以後、ジョン) 約3年前、新宿・伊勢丹でいろいろと見ているとき、目に止まったのがM・A・R・Sだったんです。すぐに恋に落ちて、オニキスのチャームなどを3点ほど購入しました。彼の作品は緻密だし、何より美学がある。L.A.でも、カニエ・ウェストやエイサップ・ロッキーなど、いろいろな人に「それはどこで買ったの?」って聞かれたり、周りからすごく褒められたんです。

米山 それはすごく嬉しい。

ジョン その後、ラン・ウェイをやるときに、どうしてもジュエリーを取り入れたいと思って。それまでは服だけを見せていましたが、フラットになりすぎてしまう。

自分たちでジュエリーを作ることも考えましたが、できることならその道のエキスパートにお願いしたかった。

M・A・R・S

つまり、米山さんの美学を取り入れたかった。コラボレーションができたことで、コレクション全体に深みを出すことができたと思います。

米山 ジョンさんからメールが届いた日のことは、今でも鮮明に覚えていますよ。大阪出張の朝、スタッフから「ジョン・エリオットというL.A.のブランドから連絡が来ましたけど、ご存知ですか?」って。「知ってるもなにもよく着ているし、好きだから!」って(笑)。

M・A・R・S

自分もジョンさんと同じ約3年前に、富山県にある取引先でパーカに出会っていて。なんとなく気になって着てみたら、実はすごく考えられたデザインだった。着ていて気持ちがいいし、そこからヘビーローテーションしていました。

ジョン 不思議な偶然ですよね。でも、お互い共通の知り合いもいないし、日本とは距離も遠いから、コラボレーションは難しいかなと思っていたんです。

なので、OKの連絡が来たときは本当に嬉しかった。どんな大きなメゾンでも 、ひとつのコレクションを通してストーリーをしっかりと伝えることは難しい。でも、M・A・R・Sはそれができている。そんなブランドとコラボレーションができることを光栄に思っています。

スウェット、デニム、Tシャツしか選択肢がなかった

米山 こちらこそ。ところで、ジョンさんは8歳でナイキにデザインを送って、その返事が来たことが、デザイナーになるきっかけだったとか。

ジョン そうですね。僕は学習障害があって、学校に馴染むのが難しかったんですよ。そんなこともあって、両親はアートの才能を伸ばすサポートをしてくれたんです。また、父親はファッションデザイナーになるための正しい道しるべを示してくれました。例えば、まずは小売りから入って勉強し、卸しを経験してからインターンを始めるのがいいとかね。なので、大学を出てデザイナーを始める前に12年間ほどファッション業界にいたんです。ジョン・エリオットは、友人たちと僅かな資金で始めたブランドですが、その経験がとても役立ちました。

米山 スウェットシャツやパンツはブランドの代表作であり、僕もお気に入りなのですが、あれが最初の作品なのでしょうか。

ジョン そうです。資金が少ないなか、ロサンゼルスでブランドを立ち上げるとなると、Tシャツ、スウェット、デニムくらいしか選択肢がないんです。Escobar(エスコバル)というスウェットパンツと、VILLAIN(ヴィラン)というサイドジップの付いたパーカは最初にデザインしたものです。いまだに一番売れている商品ですね。

M・A・R・S
M・A・R・S

米山 Tシャツやパーカは、誰もが子どもの頃から慣れ親しんでいるものですし、ある意味で巷に溢れていますよね。でも、ジョン・エリオットの商品は着てみると何かが違う。ゆるさがあるのに、とにかく美しいんです。これは相当本気で作られているぞと思いました。

ジョン 一番こだわったのは機能性です。まずは、自転車に乗ったときにモノを収納しやすいことを考えました。それと、よくあるカンガルーポケットは子どもっぽいので、フォルムがキレイに見えるものにしたかった。そういった観点から、サイドジップを付けるアイデアが生まれたんです。

米山 指輪やネックレスもまた定番というか、お約束があるなかで作らないといけない。そのうえで、概念をどう崩して自分のアイデンティティを表現するかが重要になってくる。ジョン・エリオットのパーカを着たときに、ジュエリー作りと通じるものを感じました。

Page02. コラボ作品にはアール・デコの要素が入っている