アウディが初の量産EV「e-tron」を発表|Audi
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2018年10月16日

アウディが初の量産EV「e-tron」を発表|Audi

Audi e-tron|アウディ eトロン

アウディが初の量産EV「e-tron」を発表

アウディは9月18日、ブランド初の量産電気自動車(EV)となる「アウディ e-tron」を初公開した。フルサイズSUVによるスポーツ性と実用性、2基の電気モーターと電動四輪駆動システムによるハイパフォーマンスと俊敏なハンドリング、400km以上の航続距離、幅広い充電方法などを実現し、オーナーは一切妥協することなく電気自動車による走行が楽しめるという。

Text by HARA Akira

最大出力408ps、最大トルク664Nmの電動4WD

アウディ初の量産EV「e-tron」が搭載する2基の電気モーターは、ブーストモード時のシステム出力が最大408ps(300kW)、トルクは664Nmに達しており、0-100km/h加速5.7秒、最高速度は200km/h(電子制御リミッターにより制限)を公称。駆動トルクが一瞬で最大値に到達するため、静かで力強い加速を実現したという。

駆動方式は、新世代クワトロとなる電動4輪駆動システムで、前後のアクスル間で駆動トルクを瞬時に理想的かつ連続的に可変制御する。駆動コンポーネントやバッテリーシステムを車両中央の低い位置に搭載することで、セダンと同等の重心高と前後50:50の理想的重量配分となり、最大で76mm変化する車高調整機能と相まって、あらゆる地形で力強い性能を発揮するとうたっている。

Audi e-tron

Audi e-tron

高効率の回生システム

1回の充電で400km以上を走行するという優れた航続距離を実現したのは、主に革新的な回生システムによるものだ。回生エネルギーによる航続距離への貢献度は最大で30パーセントに達する。回生は、ドライバーがアクセルから足を離したコースティング時と、ブレーキペダルを踏んだ制動時の2種類で行われ、ジェネレーターとして機能する電気モーターが運動エネルギーを電気エネルギーへと変換する。

具体的には、制動ケースの90パーセントにあたる最大0.3Gまでの減速では電気モーターのみで回生を行い、0.3Gを超える急減速時のみ通常のホイールブレーキが作動する。例えば100km/hから制動する場合、e-tronは最大300Nm、220kWの電力を回生することが可能で、この数値は作動エネルギー入力の70パーセントに相当するという。

ブレーキは電気油圧式統合ブレーキ制御システムにより、電気モーターブレーキ、通常のブレーキ、また各アクスルで個別に両方を組み合わせて回生するのかが即座に判断されるとともに、電気と油圧ブレーキ間の移行がスムーズに行われることで、ドライバーが気づくことなく制動力も一定に保たれる。

最大95kWhのエネルギー容量を備える高電圧バッテリーは、最大150kWの直流(DC)充電器により約30分で急速充電できるほか、最大11kW、オプションで22kWの交流(AC)に対応。また自宅で充電するためのモバイル充電システムは、230Vの家庭用コンセントや400Vの3相コンセントで使用が可能で、家庭のエネルギー管理システムと組み合わせることで、電気料金が安い時間帯や、自宅に設置した太陽光発電で充電が可能となっている。

Audi e-tron|アウディ eトロン

アウディが初の量産EV「e-tron」を発表(2)

電動を視覚化した内外装と、最高レベルのアシスタントシステム

e-tronのボディは全長4,901×全幅1,935×全高1,616mmのフルサイズSUVで、2,928mmの長いホイールベースにより乗員5人の快適なスペースと660Lのラゲージ容量を誇っている。

エクステリアは、電気自動車であることを示すプラチナグレーの八角形のシングルフレームグリルや、エキゾーストパイプのかわりのストラットを設置。充電フラップのe-tronロゴやオプションのブレーキキャリパーには、高電圧を象徴するオレンジ色が採用されている。

オプション設定のバーチャル エクステリア ミラーは、左右に伸びる支柱の先に小型カメラを組み込み、画像を車内の高コントラストOLED(有機EL)ディスプレイに表示するもので、空気抵抗係数減少に貢献。その数値はSUVセグメント最高の0.27を達成し、1回の充電あたり約40kmの航続距離延長に寄与するという。

インテリアは、最新のアウディ バーチャル コックピットを標準装備。従来のほぼ全てのスイッチ類をディプレイに置き換え、ボイスコントロールなどでも操作ができる。またセンタートンネル コンソールの両サイドをオープン構造とすることで、ドライバーは宙に浮いて見えるコンソールに手を乗せ、一体化されたシフトスイッチを親指と人指し指で操作することができる。

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e-tronは、最大5基のレーダーセンサー、6台のカメラ、12個の超音波センサー、1基のレーザーセンサー、ナビゲーションデータ、「Car-to-X」情報を活用した効率アシストにより、バーチャル コックピットに表示される予測的なヒントと自動回生機能が経済的な走行を支援。さらにアダプティブ クルーズ アシストと組み合わせることで、クルマを予測的に減速及び加速させることも可能としている。

ナビゲーションは、e-tronルートプランナーにより以前に走行したルートや充電ステーションに基づいてインテリジェントに目的地を提案するほか、バッテリーの充電状態や交通情報を考慮し、充電時間も含めた到着時間の推定を行うという。

生産はブリュッセルのCO2ニュートラルな工場で行われ、欧州のオーナーへの納車は2018年後半を予定。ドイツでのベース価格は7万9,900ユーロ(約1,046万円)となっている。

問い合わせ先

アウディ コミュニケーションセンター

0120-598106

           
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