祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.34 小木“POGGY”基史さん

祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.34 小木“POGGY”基史さん

祐真朋樹対談

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今回の編集大魔王対談のゲストは、日本国内だけにとどまらず世界中から注目を集める、UNITED ARROWS & SONS(ユナイテッドアローズ&サンズ)の指揮を執る小木“POGGY(ポギー)”基史さん。その人気はSNSのフォロワー数を見ても一目瞭然。ますます活躍の幅を広げる小木さんと、様々な興味深いエピソードから今後のヴィジョンまで、ストリートとラグジュアリーのハイブリッドが確立した昨今のファッションシーンについてトークを繰り広げます。

Interview by SUKEZANE TomokiPhotographs by SATO Yuki (KilliKilliVilla)Text by ANDO Sara (OPENERS)

ミラン・ヴクミロヴィッチのようにお店とブランディングの両方を手掛けたい

祐真朋樹・編集大魔王(以下、祐真) 会社を立ち上げると聞きましたが、ユナイテッドアローズとはどう関係が変わっていくのですか?

小木“POGGY”基史さん(以下、POGGY) 今後はユナイテッドアローズ&サンズのディレクターを引き続き契約でやらせていただきながら、9月13日に自分の会社をスタートすることになりました。

祐真 その日に決めた理由はあるんですか?

POGGY その日が一番良い日だったので(笑)。

祐真 いい日にちを調べていたんですね。会社名は決まりましたか?

POGGY POGGYのPから始まる名前を、と思って今いくつか候補を出しているところです。

祐真 新しい会社ではどのようなことを始める予定ですか?

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POGGY ブランドや会社のアドバイザーやお店を運営する企画など、いくつかの計画があります。

諸々決まってきたらきちんとお伝えしますが、クラシックで伝統のあるブランドがストリートのテイストを取り入れたい、という時にディレクターとして力になれたらいいな、というヴィジョンを思い描いて、キャリアを積んでいきたいです。

祐真 老舗ブランドがリブランドしたいという傾向は多いですよね。

POGGY お店も好きなので、欲張りかもしれませんが、2009年頃のミラン(・ヴクミロヴィッチ)のようにトラサルディのデザイナーをしながら、マイアミのブティック、ウェブスターも手掛けていたりするようなことができたらいいなと思っています。

祐真 ミラン、カッコいいよね。ちょうど僕が『ファッションニュース メンズ』を始めた2004年に、当時『ロフィシェル・オム』の編集長もやっていて、創刊号をお互い渡し合ったのを思い出しました。1997年にコレットをオープンして、クリエイティブ・ディレクターとバイヤーを担当した後、トム・フォードがいた頃のグッチでデザイン・ディレクターをしていたんだって。”ミスター・トム”って言ってたな。最近はどういう活動をしているんだろう?

POGGY ポーツ1961っていう、もともとはカナダのブランドのディレクションをしているはずですね。

祐真 へぇ、知らなかった、すごいですね。

POGGY あの頃のミランの勢いはすごかったですね。

祐真 コレットを成功させたのがすごかった。

POGGY ミランがウェブスターを立ち上げた時、お店に行ったんですけど、めちゃくちゃカッコよかったです。パリの有名なキャビアのお店、キャビア カスピアがお店の入り口にあって。一見マイアミ・デコというか、見た目はレストランだけど、奥に行くとショップがあって、1階はBILLIONAIRE BOYS CLUBやストリート系のブランドのフロアで、上に行くとサンローランの大きな写真が飾ってあって、デザイナーズブランドがバーッて並んでて。当時、そういうミックス感のあるショップってあまりなかったので、めちゃくちゃ衝撃でしたし、とにかくカッコよかった。

祐真 僕はウェブスターには行っていないけど、『ロフィシェル・オム』の、最初の頃の何冊かのディレクションがまさにそういう感じだった。レイアウトもカッコよかった。ハイセンスだよね。ジル・サンダーでのディレクションも素晴らしかった。

POGGY 今見ても、そうですね。

祐真 そういえばミランってトラサルディをやる前はエルメスしか着てなかったね。

POGGY そうなんですか。

祐真 トラサルディを始めて変化していくけど、それまでエルメスばっかり着ていた。さらっと、エルメスに見えない感じに。見える感じも難しいんだけどね(笑)。

POGGY そうですね。僕は、今までお店のことしかやってこなかったので、今後はブランディングも学んでいきたいです。お店とブランディングの両方をやっている人って誰かなって考えた時、ミランだなって。

祐真 確かにそうかもしれない。コレットを始める前はモデルだったって知ってる?80年代は日本にもモデルとして何度か来たこともあったらしいよ。

POGGY そうなんですね!そう考えると(野口)強さんもそうですね。

祐真 そうですね。流れとしてはちょっと近いかもしれない。

POGGY 強さんは表にも出ますけど、裏方に徹するじゃないですか。そこがカッコいいですよね。僕は、表に出なければ意味がないって周りからも言われるんです。裏方としてではクライアントが求める方向性じゃないと。

祐真 小木君が出てくれることによってブランドが立つ、というバランスはわかりやすいですね。クライアントからするとそれが一番欲しいというのはあるかもね。企業はちょっとしたタレント性とか、話題性、PRなどを求めることが多いと思います。

POGGY 祐真さんはお店はやらないと決めているんですか?

祐真 決めているわけではないんだけどね。頼まれれば、と思っているけど結局やったことはない。

大変だろうなって横目では見ているし、知ってるし。と言いつつ、8月25日に帝国ホテルプラザに香取慎吾さんとJANTJE_ONTEMBAAR(ヤンチェ_オンテンバール)をオープンしました。

POGGY お店にいると面白い出会いがありますね。

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祐真 そうだよね。突然、人がやって来て。

POGGY そうですね。以前僕がやらせていただいていたリカー、ウーマン&ティアーズにも、祐真さん、ふらっと来てくださったりしましたね。

祐真 事務所から近かったからね。

POGGY カニエ(・ウェスト)とヴァージル(・アブロー)も日本に来たら必ず寄ってくれました。

祐真 面白そう。買い物してた?

POGGY カニエに関しては買い物もしてくれたのですが、お店の中央にテーブルがあったじゃないですか、入ってくるなりそこでチキンサラダを食べ始めたんです(笑)。

祐真 (笑)

POGGY 当時のカニエ、結構めちゃくちゃだったみたいで。

祐真 一人で来てサラダ食べてたの?

POGGY その時は何人かで来ていたはずですね。2007年ぐらいだと思います。

祐真 2010年だったかな、ニューヨークへ行くと僕はよくマーサーホテルに泊まっていたんだけど、毎朝カニエがそこで朝ごはんを食べていた。泊まっているのかなと思いきや、近くに事務所があって、朝のミーティングはそこでやっているということを周りから教えられたんだよね。タトゥーが入ったスキンヘッドの女の人と、必ず毎朝いた。またいるよ、みたいな。

POGGY 当時付き合っていた人ですね。その後、カニエは打ち合わせ場所をバワリーホテルに移したと聞きました。

Page02. カニエ・ウェストと“カニエシックス”の絶大な影響力とは

ABOUT
SUKEZANE Tomoki

1965年京都市生まれ。(株)マガジンハウスのPOPEYE編集部でファッションエディターとしてのキャリアをスタート。現在は『UOMO』『GQ JAPAN』『Casa BRUTUS』『MEN’S NON-NO』『ENGINE』等のファッションページのディレクションのほか、著名アーティストや文化人の広告のスタイリング等を手掛けている。パリとミラノのコレクション観覧歴はかれこれ25年以上。   Born in 1965 in Kyoto, Japan. He started his career as a fashion editor at POPEYE magazine of Magazine House. Currently, he is working on various magazines such as UOMO(SHUEISHA), GQ(Conde Nast Japan),Casa BRUTUS (Magazine House), MEN’S NON NO (SHUEISHA), ENGINE(SHINCHOSHA)and he is setting styling people such as artists and […]