カッコつけてないし、かといってふざけているわけでもない|MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|カッコつけてないし、かといってふざけているわけでもない

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

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Noodle.田中秀幸さん、飯嶋久美子さんに聞く(1)

電気グルーヴのアートワークや『OH!スーパーミルクチャン』などを手掛けるアートディレクターの田中秀幸氏と、きゃりーぱみゅぱみゅや椎名林檎の衣装を手掛けるスタイリストの飯嶋久美子氏が昨年立ち上げた実験的ファッションプロジェクト「Noodle.(ヌードル)」。<Premium error collection>と題した巨大すぎるポロシャツ、三段、四段重ねのキャップなど、いまのファッションに飽きた人、服に刺激を求めている人に向けたひねりのあるアイテムの数々は、いずれも刺激に満ち溢れたものばかりだ。

Photographs by OHTAKI KakuText by SHINNO Kunihiko

こういうものがあったら面白いよね

――そもそも、おふたりはどういう経緯でブランドを始めることになったんでしょうか?

田中 飯嶋さんとは、きゃりーぱみゅぱみゅさんの「最&高」(2016年)のミュージックビデオの撮影現場でお会いしたのが最初でしたね。

飯嶋 田中さんが監督で、私がスタイリストとして参加して。

田中 もともと僕の方で<Premium error collection>のベースとなるビジュアルを、二次元のグラフィックで作っていたんです。こういうものがあったら面白いよね、みたいな感じで。

飯嶋 それを田中さんから見せていただいたんです。最初はエラーポロシャツとエラーキャップの画像でした。

田中 そしたら「これはぜひ実物を作ったほうが面白い」という話になって。僕もこういう服を自分で作ったことがなかったので、飯嶋さんにいろいろ教えてくださいというところから一緒にやることになりました。

飯嶋 ポロシャツという定番アイテムをこんなに面白く解釈できるんだ、普通の方とは頭の構造が違うなと思って参加させていただいたという経緯です。しかも「エラー」に重きを置いたところもすごく素敵だなと思って。基本的にエラーを出してはいけないアパレル産業において、エラーを起こすことがテーマというのはシニカルな発想ですよね。すごく新しいなと思って。

――どういうところからエラーを起こそうという発想に至ったんでしょうか?

A

田中秀幸
たなか・ひでゆき。1962年 静岡県生まれ。アートディレクター。株式会社フレイムグラフィックス代表。1992年にフジテレビ系『ウゴウゴルーガ』に参加、注目を浴びる。電気グルーヴ『Fake It!』のミュージックビデオで、第13回(2009年)文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞を受賞。 グループ魂『べろべろ』のミュージックビデオで、第15回(2011年)文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞を受賞。

B

飯嶋久美子
いいじま・くみこ。東京生まれ。スタイリスト+コスチュームデザイナー。文化服装アパレル技術科卒業後、スタイリストおよびVOGUE NIPPONでのアシスタントを経て、2000年にスタイリストとして独立。 現在は広告(TV、グラフィック、WEB)、エディトリアル、CDジャケット、音楽PV、舞台、コンサート、映画など様々なジャンルにおいて、スタイリストおよび衣裳デザイナーとして国内外で活動中。

田中 例えば、コインとか切手はコレクターの間ではエラーに価値があったりしますよね。だけど、洋服では聞いたことがないなと思って。コンセプトとしてはそういうエラーをプレミアムとして解釈してほしいということです。非常に説明しづらいんですけど(笑)。

なので洋服をデザインするというより、大量生産する工業製品が起こしたエラーというものに価値を見い出す──そういうなかで突飛なシェイプが作れないかなという発想です。

飯嶋 トレンドとは疎遠というか、真逆というか。逆ですらないかも(笑)。

田中 そういうことを漠然と思っていたんですけど、現実問題としてこれを工場で作るのは難しいだろうし、パターンも必要だし、そういうことを考えると僕だけではできないから。

飯嶋 真夜中にエラーキャップをケネディ大統領にかぶせたコラージュがメールで送られてきては“何これ、すごい! しびれる!”みたいな(笑)。最初は完全にビジュアル先行でしたね。

――試作第一号は何だったんでしょう?

飯嶋 ポロシャツを8型くらい作りました。大きいのとか、短いの、襟が拡大されているもの。そこから、ちょっと首がきついようだったら少しずつ修正して。

田中 まずは二次元のビジュアル通りに作って、実際に人に着せてみて飯嶋さんが微調整するという流れでやってました。先日のメディコム・トイさんの展示でもマネキンに着せたりしないで壁に貼り付けて二次元的に展示したんですが、あれは最初のコンセプトデザインをイメージしたものです。

――工場もよく間違えずに作ってくれましたね。

飯嶋 エラーのエラーみたいなものもありました。本当のエラーみたいな(笑)。

――何段にもなった変形キャップを作るのも大変だったのではないでしょうか。

田中 そうですね。これはデザインするより実際に作る方が大変で、コストがすごくかかるので試行錯誤しているところです。どうしても職人さんが手作業でやらないといけない工程が結構あって海外の工場にも出せないので、いまの段階では高級なものになってしまうという(笑)。

Page02. ということは現段階ではMade in Japan ?