3代目に進化! メルセデス・ベンツ CLS登場|Mercedes-Benz
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2018年12月6日

3代目に進化! メルセデス・ベンツ CLS登場|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz CLS|メルセデス・ベンツ CLS

3代目に進化! メルセデスベンツ CLS登場|Mercedes-Benz

メルセデス・ベンツ日本は、3代目となるCLSを発表した。2リッター直4ディーゼルエンジンを搭載した「CLS 220 d スポーツ」と、3リッター直6ターボにISGを搭載した「CLS 450 4MATIC スポーツ」の2グレード展開で、価格は799万円から。

Text & Photographs by UCHIDA Shunichi

オグロメジロザメからインスパイア

まずは新型「CLSの」コアバリューであるデザインから話をしたい。全体のプロポーションはこれまでのCLSと大きく変わることはない。しかし、キャラクターラインやプレスライン、そしてフロントが“逆スラント”したことが大きな特徴である。

これは“Sensual Purity(官能的純粋)”というメルセデス・ベンツにおけるデザインの基本思想に基づきながら、その哲学をもう一歩先へ進めた新しいデザインランゲージを初めて具現したものだ。

ダイムラー社エクステリアデザイン統括のロバート・レズニック氏は、過去のCLSについて次のように振り返る。

Mercedes-Benz

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「2004年に登場した初代は低いキャビンで、後輪駆動らしい典型的なメルセデスのプロポーションで、オーバーハングも短く、ダッシュ トゥ アクセル(Aピラー下端からフロントホイール中心までの距離)は長くとっています。そのボディには各所に鋭利な角度をもたらし、全体としてエッジの効いたデザインになりました。そして、2011年にデビューした2代目は、プロポーション全体も、そしてホイールベースも初代と一緒です。が、大きな違いはエッジがなくなった代わりに、いくつものキャラクターラインやプレスラインが入ったことでしょう。しかし今から考えるとラインが多すぎました」

そこで新型CLSはルーツである初代に立ち返った。プロポーション自体は大きく変わらずに、エッジの代わりにボディ側面に“サイドボーン(骨)”を通した。これにより、芯の通ったしっかりとした骨格を作り上げているのだ。

このデザインについてレズニック氏に聞くと、オグロメジロザメをイメージしたという。「ホオジロザメよりも小さいのですが、俊敏な動きを持ち、形そのものがスピードを象徴しているのです。サイドボーンを入れることによってクルマがよりスリーク(なめらか)になりました」。

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ラインではなくプロポーション

これまでもメルセデス・ベンツは同社のデザイン哲学、“Sensual Purity(官能的純粋)”を貫いてきたが、CLSからは“2.0”に進化した。「よりクリーンでよりスムーズになりました。そしてラインではなく“プロポーション自体”を見てもらうようなデザインとし、非常にシャープなグラフィックを取り入れました。これもメルセデスで初めて採用した形で、とても近代的で今後のモデルにも採用する哲学なのです」とレズニック氏。

また、新型CLSで初めて採用した空力を考慮したホイールや、フロントホイール前方にあるエアカーテンは、重要なデザインフィーチャーでもあり、この先のモデルでも採用してくという。

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CLS 220 d スポーツには、「E クラス」にも搭載している最高出力194ps、最大トルク400Nmを発生する、2.0リッター直列4気筒BlueTECエンジンを積む。

そして、CLS 450 4MATIC スポーツは、M256型と呼ばれる直列6気筒エンジンとISG(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)、48V(ボルト)電気システムなどの新技術を搭載することにより、効率性、快適性、高性能化を同時に実現したパワートレインとなる。

M256エンジンは単体で最高出力367ps、最大トルク500Nmを発生。従来はエンジン回転を動力源としていたエアコンディショナー、ウォーターポンプなども電動化したため、エンジン前部のベルト駆動装置が不要となり、よりコンパクトなエンジンになった。

Mercedes-Benz CLS|メルセデス・ベンツ CLS

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あえてエンジンを停止しない

ISGはエンジンとトランスミッションのあいだに配置された、最高出力16kW 、最大トルク250Nmを発生する電気モーターで、オルタネーターとスターターの機能も兼ねている。この電気モーターと48V電気システムにより、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキによる発電を行い、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電。エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うことで、高い効率性と、力強い加速を実現するという。

さらに、スターターが従来より高出力な電気モーターとなることで、エンジン始動時の振動を抑え、エンジンスタートおよびアイドリングストップの際の再スタートの快適性を向上させた。

また、2秒以下のエンジン停止は、アイドリングストップをしない時よりも燃料消費量を増加させることから、ドライバーの走行データやレーダーセンサーからの情報をもとに、エンジンが2秒以上停止しないと予測した場合にはあえてエンジンを停止しない機能も採用している。

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安全運転支援システムに関しては、「S クラス」と同等の最新のものを採用。先行車との車間距離のみならず、周囲の交通状況を常に監視してステアリングアシストを行うディスタンス アシスト ディストロニックや、高速道路上での車線変更をするアクティ ブレーンチェンジ アシスト、また車外からスマートフォンによる遠隔操作で自動駐車を実現するリモート パーキング アシストなどを搭載している。

メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長の上野金太郎氏は、「CLSはクーペのようなエレガントでエモーショナルなスタイリングに、4ドアセダンの快適性、実用性を融合させた4ドアクーペという新しいカテゴリーを生み出したモデルとして2004年にデビューしました。その後このセグメントは大変盛り上がりをみせ今日では4ドアクーペは一般的なセグメントとして確立されたといっても過言ではありません。CLSのこの独特なスタイリングにより多くのお客様に大変愛され、全世界でこれまで約38万台が販売されているのです」と、その重要性を語り、3代目についても大きな期待をにじませていた。

           
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