サントスの精神を体感する、サンフランシスコへの旅Vol.1|CARTIER

CARTIER|サントスの精神を体感する、サンフランシスコへの旅。

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Cartier|カルティエ

編集大魔王 祐真朋樹
サントスの精神を体感する、サンフランシスコへの旅。

世界初の男性実用腕時計として歴史のその名を刻む「サントス ドゥ カルティエ」のNEWコレクションが、アメリカ・サンフランシスコで華々しくローンチ。そのイベントとパーティの模様を、編集大魔王・祐真朋樹が3回にわたってレポートします。

Report & Text by SUKEZANE Tomoki Photographs by YABUKI Takemi〈W〉Edit by HATAKEYAMA Satoko

【1日目 】

サンフランシスコへ行くのは実に4年ぶり。到着後、空港からホテルへ向かう車内で、「みなさん、サンフランシスコは何度目ですか?」と訊かれた。車に同乗していたメンバーは、GQ JAPANの鈴木編集長、UOMOの山崎編集長、そしてポートランドから駆け付けたモデルのリヒト、その他ジャーナリスト数名。

「初めて」、「3度目かな」、「4回目」・・・と答えが続き、僕は「10回くらい」と答えた。後で冷静に指を折りながら数えると、多分7回目だった。盛りすぎを反省したがが、訂正するチャンスはなかった。

ホテルにチェックインをし、急いでアンパッキンしてイベント会場へ。車窓から見えたビルの屋上を見ていたら、’95年頃にメンズブランドのカタログ撮影で来た時のことを思い出した。

アートスクールの屋上にある学食でカメラマンと張り込み。そこへ来る学生たちの中から個性的な男女をスカウトし、その場で持って来た服に着替えさせて撮影した。ゲリラだったので、学校側に見つかると間違いなく追い出されたと思う。

でも、僕もカメラマンも、いかにもそこの学生であるかのように振る舞い、その場に溶け込む努力をした。おかげで半日間、校内のあちこちで撮影したにもかかわらず、何のお咎めもなかった。生徒たちのファッションがイケていたのにはびっくりした。

ディッキーズのコットンパンツを男のようにはきこなす女子学生、ガリガリで長身&長髪の男子が履いていた黒のコンバース・オールスター、スキンヘッズの頭頂部にスタイリッシュなタトゥーを入れたカップル・・・などなど、個性的かつスマートな人たちであふれていた。

彼らの出で立ちは、それまでニューヨークやロサンゼルスで見てきたアメリカンスタイルよりもリアルで親近感が持てた。「あの学校はどの辺りだったかな〜?」と、窓へ顔を近づけたが、結局見つからなかった。

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今回サンフランシスコへ来た目的は「サントス ドゥ カルティエ」の最新コレクションのローンチイベントに出席すること。アメリカ、フランス、イギリス、中国、その他世界中の国々からプレスが招待されていた。キャンペーンムービーに出演しているジェイク・ギレンホールやソフィア・コッポラ(昨年のパンテールショートムービーを監督)、アナベル・ウォーリスなどの有名人も顔を揃えた。

イベント会場では、様々な分野で活躍するアントレプレナーやクリエイターが集う〈Social LAB〉が開催されていた。これはラフな討論会のようなもので、4〜5人のグループトークがメイン。観客側は話を聞きながら途中で激しい突っ込み質問をしてもいいとのこと。ステージがあるわけでもなく、パネラーたちと観客は同じ高さで話し、聴く。なんだか、ビートニクスのポエットリーリーディングみたいだと思った。

そうか、ここはサンフランシスコだもんな、と気づいたらシティライト・ブックストアへ行きたくなった。会場の窓から見えるのはサンフランシスコジャイアンツの本拠地、AT&Tパーク。味のある球場が、さらに心を和ませた。

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アートユニット「Nonotak」の2人。ミュージシャンのTakami Nakamoto(左)とイラストレーターのNoemi Schipfer

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会場の何ヶ所かで〈Social LAB〉というものが、開催されていた。これは何人かのパネラーが参加者を巻き込んで多種多様なテーマについて活発な議論を交わすという興味深い試み。僕たちはどの議論にも自由に入れる。

最初は「激論!朝まで生テレビ」のような熱い言論バトルが繰り広げられているのかとビビったが、そんなことはなく、皆さん、終始すこぶる冷静かつ紳士的に質問や意見を述べていたのが印象的だった。あ〜、僕もこんな場でペラペラと自分の意見を述べられたらな〜、と、子どもの頃からの不勉強を恥じた。

今回のイベントで僕が最も興味を引かれたのは、パリで結成されたアートユニット「Nonotak」によるエントランスのライトセッティング。最新の照明技術を駆使した演出が圧巻だった。この会場はまるですべてが舞台のようで、招かれた僕たちは、あたかも自分がそこで何かを演じているような気分になれる。

まさに見事な劇場型空間が作られていたのだが、このエントランスはその導入部としての役割を見事に果たしていた。僕も、これから何が起こるのか、わくわくする期待感に包まれた。

その後、気分転換に会場を出てひと息。サンフランシスコジャイアンツのAT&Tパークから響く観衆の声を聞き、思わずシャドーバッテイングをしてしまった。僕も昔は野球少年。身体は素直である。

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会場での撮影が終わるとホテルへ。部屋に戻ってさくっとシャワーを浴びたらディナーへ向かう。この夜は、世界中から集まったプレス全員が招かれる会。場所は「Le Colonial」という、名前の通りコロニアルスタイルなベトナムレストランだった。ホテルを出るとき、以前このレストランへ行ったことがあることを思い出した。

前回行った時は、席に着くなり映画「地獄の黙示録 特別完全版」のフランス人入植者と主人公の交流シーンが脳裏を横切ったものだ。薄暗い照明が照らし出す壁とテーブル、床の調和具合が世にも不思議な貴族気分を演出してくれる。料理に何も特別なメニューはないが、十分に美味しい。白のリネンスーツでも着てくるべきだったと後悔したが、時すでに遅し。

趣のある入り口をくぐると、生バンド(カントリーロック系)が入っていて、食事の前にカクテルタイムがあった。集まった人たちの格好は、ドレスコードに則ってスマートカジュアル。ホッとした。僕はジャケットを着ていなかったけど、「このブルゾンはイヴニング向き!」と自分に言い聞かせながら、ギャルソンのトレーからシャンパングラスを取った。
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ABOUT
SUKEZANE Tomoki

1965年京都市生まれ。(株)マガジンハウスのPOPEYE編集部でファッションエディターとしてのキャリアをスタート。現在は『UOMO』『GQ JAPAN』『Casa BRUTUS』『MEN’S NON-NO』『ENGINE』等のファッションページのディレクションのほか、著名アーティストや文化人の広告のスタイリング等を手掛けている。パリとミラノのコレクション観覧歴はかれこれ25年以上。   Born in 1965 in Kyoto, Japan. He started his career as a fashion editor at POPEYE magazine of Magazine House. Currently, he is working on various magazines such as UOMO(SHUEISHA), GQ(Conde Nast Japan),Casa BRUTUS (Magazine House), MEN’S NON NO (SHUEISHA), ENGINE(SHINCHOSHA)and he is setting styling people such as artists and […]