国内導入されたばかりの新型X3に試乗|BMW
CAR / IMPRESSION
2017年12月8日

国内導入されたばかりの新型X3に試乗|BMW

BMW X3|ビー・エム・ダブリュー X3

国内導入されたばかりの新型X3に試乗

今年10月に国内発表されたばかりの、新型BMW「X3」。よりアクティブな外観と、最新の安全・運転支援装置がポイントとされるが、新型の特徴はそれだけなのか。小川フミオ氏が、導入されるディーゼルモデルに試乗して確かめた。

Photographs by ARAKAWA MasayukiText by OGAWA Fumio

先行してディーゼルモデルを導入

扱いやすいサイズ感と広い室内空間というパッケージを持ちつつ、走りも楽しめるSUVとして日本でも人気が高いBMW「X3」。2017年10月にフルモデルチェンジを受けた3代目が発売され、11月に試乗の機会が提供された。

新型のラインナップは、2リッター4気筒のガソリンとディーゼル。組み合わされるドライブトレインは、8段オートマチックと、xDriveとBMWが呼ぶフルタイム4WDシステムだ。

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ガソリンエンジン車はX3 xDrive 20iと呼ばれ、135kW(184ps)の最高出力と290Nmの最大トルクを持っている。こちらは2018年早々に発売となる。ひと足早くデリバリーが開始されるのはディーゼルのX3 xDrive 20dだ。

X3 xDrive 20d の1,995cc 4気筒ディーゼルエンジンは140kW(190psps)と400Nm。メーカー発表の燃費はリッターあたり17.0km(JC08モード)となっている。日本でのディーゼルBMW人気をかんがみると、売れ線のモデルだ。

今回試乗したのは、そういうわけで、ディーゼルのX3 xDrive 20dである。仕様は「標準」「xLine」それに「Mスポーツ」とあるうちの、サスペンションとATのシフトタイミングが専用設定になるなどスポーティなMスポーツだった。

BMW X3|ビー・エム・ダブリュー X3

国内導入されたばかりの新型X3に試乗 (2)

運転が好きなひとのためのクルマ

ボディサイズは2011年登場の先代とほぼ同じ。ホイールベースは50mm延ばされている。具体的にパッケージがどう変わったか数字がわからないのだが、後席はレッグルームもたっぷりしているので4人の大人に快適なサイズだ。

3代目の最大の眼目は「部分自動運転を可能とした、革新的な運転支援システム等のBMWグループ最先端テクノロジーを余すこと無く搭載」とBMWがプレスリリースに書くように装備の充実にあるといえる。

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面白いことに、ドライビングについてのBMWは多くを語っていないのだが、ひとことで運転した印象をまとめると期待を裏切らないというものだ。ディーゼルユニットは回転マナーが驚くほどよく、しかも上のほうの回転域でもりもりと力を出す感覚なのだ。

1,750rpmから最大トルクを出す設定なのだが、実際にトルクバンドに入っている、つまりアクセルペダルの微妙な踏み込み量に敏感にクルマが敏感に反応してしっかり加速すると感じるのは3,000rpmの少し手前のあたりだ。

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ここを使っているとペダルに載せた足の微妙な力の入れかげん、逆に抜きかげんで、加減速が行える。そのレスポンスのよさが気持ちよい。もちろん踏み込んでいけばぐんぐんと速度を上げていく。このときの加速感はスポーティなセダンと共通するものだ。

運転が好きなひとのためのクルマという感を強くする。SUVのなかでもオフローダーではなく、かぎりなくセダンに寄っているコンセプトといえる。その意味ではクロスオーバービークルという立ち位置が今回も継承されているのだ。

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ハンドリングも安定している。ただし、新しく装着したヨコハマのランフラットタイヤとの相性がベストになるのにはもう少し時間がかかるかもしれない。中立付近での反応がいま一つなのと、切り込んでいったときの特性もリニアでないように感じてしまう。

まあ、エンジン騒音がごく低く抑えられているのと、各部の遮音対策によって、室内の居心地はけっして悪くない。さきに触れたように空間的余裕もたっぷりあって、4人で使うのには十分すぎると思えるほどだ。

BMW X3|ビー・エム・ダブリュー X3

国内導入されたばかりの新型X3に試乗 (3)

最先端の安全・運転支援システム

このクルマを日常的に使う人にとっては、先述した安全装備と運転支援システムの充実は大きな魅力となるかもしれない。一つは「ドライビングアシストプラス」といい、ステアリングホイール操作と加減速および制動へのクルマの介入システムだ。

内容としては「ステアリング&レーンコントロールアシスト」といい、ステレオカメラを使っての先行車両追従システム。これにステアリングホイール操作をサポートして車線中央部分での走行を支持するシステムが加わっている。

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安全技術として「アクティブサイド コリジョンプロテクション」もここに含まれている。高速道路などで隣りの車線から入ってくる車両との衝突を回避するシステムである。このときステアリングホイール操作への介入も行われるそうだ。

ストップ&ゴー機能つきアクティブクルーズコントロールや、前後のクロストラフィックウォーニング、レーンデパーチャーウォーニング、衝突回避・被害軽減ブレーキといった従来からの装備も複合的に組み合わされている。

価格はX3 xDrive 20dが662万円から(今回のX3 xDrive 20d M Sportは710万円)、遅れて導入されるガソリンエンジンのX3 xDrive 20iが639万円からとなっている。

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BMW X3 xDrive20d|ビー・エム・ダブリューX3 xドライブ20d
ボディサイズ|全長 4,720 × 全幅 1,890 × 全高 1,675 mm
ホイールベース|2,865 mm
車両重量|1,860 kg
エンジン|1,995cc 直列4気筒DOHCターボ ディーゼル
最高出力|140 kW(190 ps)/4,000 rpm
最大トルク|400 Nm/1,750-2,500 rpm
トランスミッション|8段AT
駆動方式|4WD
サスペンション前|ダブルジョイント ストラット
サスペンション後|5リンク
JC08モード燃費|17.0 km/ℓ
価格|(標準)662万円、(xLine)707万円、(M Sport)710万円

           
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