幻の作品を復元展示。「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」|ART

ART|幻の作品を復元展示。「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」

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ART|東京・京都にて開催

日本初となるファン・ゴッホ美術館との国際共同プロジェクト

「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」が東京都美術館にて2018年1月8日(月・祝)までの期間で開催される。注目すべきは幻の作品『恋人たちのいるラングロワの橋』の復元作品の展示。資料や専門家の意見を参考に復元が進められた。今後京都での開催も予定されている。要チェックな展示会だ。

Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)

幻の作品『恋人たちのいるラングロワの橋』を復元し展示

日本初となるオランダのファン・ゴッホ美術館との国際共同プロジェクト「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」が6年に渡る準備期間を経て開催される。

2017年10月15日(日)まで北海道近代美術館にて札幌展が開催され、この度東京展が開催。

本展の見どころは、ファン・ゴッホ幻の作品『恋人たちのいるラングロワの橋』の復元作品が展示されること。一部分のみ残った作品の断片やスケッチ、手紙などを手掛かりに復元する試みを世界で初めて行なった。

ゴッホは1888年3月、南仏はアルル地方の跳ね橋「ラングロワの橋」を一連の油彩、デッサンに描いている。その連作の中のひとつが『恋人たちのいるラングロワの橋』だ。

空は黄色、水面はエメラルドグリーン、人物はオレンジや赤、バラ色など極めてあざやかな色を使い、浮世絵のような平面的な構成で描かれたと考えられている。描かれた風景からゴッホがこの絵を、真北を向いて描いたことが判明しており、絶対に見えることのない太陽が架空のモチーフとして描き込まれたことが特徴だ。

この油彩作品は、一部が『水夫と恋人』という作品として現存しているのみ。その原因は明らかになっていない。実際の『恋人たちのいるラングロワの橋』は、制作途中で天気が悪くなりアトリエで仕上げたため、ゴッホ自身、あまり満足できない作品になったといわれる。

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復元に際して「ファン・ゴッホが描きたかった絵、成功作はこうなっていたのではないか、という彼の理想を復元する」というコンセプトのもと、ゴッホ研究者や画家が意見を出し合い、プロジェクトを進めた。

世界的なファン・ゴッホ研究者であり、本展の総合監修者を務める圀府寺司氏をリーダーとし、国外の研究者の助言も受けながら、映画「ゴッホ~最期の手紙~」の制作に日本人として唯一参加した画家、古賀陽子氏が復元を担当。資料や同年代に描かれた作品をもとに、緻密な復元作業が行なわれた。

プロジェクトに関して圀府寺氏は「現存しない作品の復元、という難易度の高い、クリエイティヴな作業です。ご来場の皆様には、この挑戦の現時点での成果をご覧いただくことになります。皆さんのご感想やご助言を生かして今後もこのプロジェクトを進めていきたく思います」と語った。

また古賀氏は「復元にあたり、ファン・ゴッホの色彩やタッチの絶妙なバランス感覚と力強い表現力を肌で感じ、彼の作品の素晴らしさに改めて感嘆しました。探求をやめないファン・ゴッホの、絵ごとに変わりゆく画風の中に一貫した「ファン・ゴッホらしさ」を発見・表現することは、手探りで困難な作業です。この復元に正解はありませんが、失われた、もう誰にも観ることのできない作品に想いを馳せながら進める作業は、とても貴重な経験です」とコメントした。

東京展のあとは、京都展の開催が予定されている。「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」では、日本初公開の作品やゴッホが影響を受けた浮世絵の展示など、彼の魅力を多角的に紹介する。ぜひこの機会に足を運んでほしい。

ゴッホ展 巡りゆく日本の夢
【東京展】
会期|2017年10月24日(火)~2018年1月8日(月・祝)
開室時間|9:30~17:30 ※会期中の11月1日(水)、2日(木)、4日(土)は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
休室日|月曜(1月8日を除く)、12月31日、1月1日(月・祝)
観覧料|一般:1600円(1300円)、大学生・専門学校生:1300円(1100円)、高校生:800円(600円)、65歳以上:1000円(800円)
※()内は20人以上の団体料金 ※中学生以下無料 ※11月15日(水)、12月20日(水)はシルバーデーにより65歳以上の方は無料(要証明)
会場|東京都美術館
東京都台東区上野公園8-36
Tel|03-5777-8600

【京都展】
会期|2018年1月20日(土)~3月4日(日)
開館時間|9:30~17:00 ※金・土曜日は20:00まで開館(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(2月12日を除く)、2月13日(火)
観覧料|一般1500円(1300円)、大学生1100円(900円)、高校生600円(400円)
※( )内は20人以上の団体料金 ※中学生以下は無料
会場|京都国立近代美術館
Tel|075-761-4111

問い合わせ先

ゴッホ展 巡りゆく日本の夢

http://gogh-japan.jp/