究極のクォーツ登場。クォーツの新しい未来へ|LONGINES

LONGINES|究極のクォーツ登場。クォーツの新しい未来へ

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LONGINES|ロンジン

最も正確でインテリジェントなクォーツウォッチ
ロンジン「コンクエストV.H.P.」(1)

2017年3月23日から30日まで、スイス第3の都市・バーゼルで開催された世界最大の時計宝飾見本市「バーゼルワールド2017」。1832年にスイスのサンティミエで創業したロンジンは、このフェアのちょうど2週間前の3月9日、スイスのヌーシャテル(ニューシャテル)天文台で、世界各国からジャーナリスト&インフルエンサー約100名を招いて、画期的な新技術を搭載した超高精度クォーツウォッチ「コンクエスト V.H.P.コレクション」の発表会を開催した。日本から参加・取材したひとりとして、ロンジンがバーゼルワールド直前に新作発表会を開催した理由、その模様とこのモデルの概要をお伝えする。

Photographs & Text by SHIBUYA Yasuhito(Office Nomad)

「バーゼルワールド2017」に先駆け
伝説の地、ヌーシャテルで発表!

発表会場となったヌーシャテル天文台はスイスの時計業界、そして高精度時計と非常に深い関わりのある伝説的な場所だ。なぜならここは1858年にスイス時計業界の要請を受け、天体観測よりも主にクロノメーター(高精度時計)の検定を担う場所としヌーシャテル州の公共経済局の手で設立された天文台だからだ。

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発表・展示会場は、ヌーシャテルの街と湖を見下ろす丘の上の旧ヌーシャテル天文台。現在は時計産業、ヌーシャテル大学、スイス連邦政府およびヌーシャテル州が1984年に設立した非営利の株式会社、大学や公的研究機関が行う基礎的研究と新技術の製品化の橋渡しをするSwiss Center for Electronics and Micro technology (CSEM)社の施設となっている。ロンジンの歴史的なクォーツモデルと新製品のプレゼンテーション、展示は旧天文台の望遠鏡ドームとその付属施設の中で行われた。

設立2年後の1860年には懐中時計のクロノメーター検定業務を開始。やがて、各時計ブランドが時計の精度と歩度(精度)調整技術を競うクロノメーターコンクールも、スイスにおける草分けである旧ジュネーブ天文台と同様に、このヌーシャテル天文台で開催されることになる。さらに約90年後の1952年にはスイスとフランスが組織するクロノメーター作業調整国際委員会から、旧ジュネーブ天文台ともども、クロノメーターコンクール用時計と特別調整時計の検定と公認歩度証明書の交付を行うヨーロッパでも数少ない天文台となった。熱心な時計愛好家なら、日本のセイコーがこの天文台のクロノメーターコンクールに1964年から1968年にかけて挑戦し好成績を収めた場所として、また市販したクロノメーターモデルの検定が行われた場所としてご存じだろう。

1832年に創業し、19世紀後半から20世紀初頭にはスイス屈指の総合時計メーカーに成長していたロンジンにとってもこのヌーシャテル天文台は、非常に思い出深い場所、記念すべき場所でもある。クロノメーター検定を行ってくれる第三者機関として、また機械式時計に留まらずクォーツ時計でも、優れた成績を上げてその名を高めたクロノメーターコンクールの舞台として、また今回発表された「コンクエスト V.H.P.」の初代モデルの発表会場として。

知る人ぞ知る歴史と情熱。
ロンジンの優れたクォーツ技術

ロンジンが1954年に初めて開発したクォーツ時計は、この天文台で精度における新記録を続々と樹立。16ミリカメラとこのクォーツ時計を組み合わせたクロノグラフ機器”Chronocinégines”は、1/100秒単位で陸上選手の動作を撮影・追跡、そのネガから審判たちはフィニッシュライン通過時の選手の動作を確実に判定でき、この計時機器の登場でスポーツ計時は飛躍的な進化を遂げることになった。

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左/ロンジンが開発した初のクォーツ時計”Chronocinégines”。16mmフィルムカメラと組み合わせることで、1/100秒単位でフィニッシュラインを通過する陸上選手を連続撮影するシステムが完成した。右/船舶に搭載する高精度時計のためのクォーツムーブメント“キャリバー800”。これまで機械式時計で打ち立てられたヌーシャテル天文台の精度記録をことごとく塗り替えた。

ロンジンのクォーツ技術は、この計時機器を出発点に着実に進化を続ける。1965年には、船舶用のクロノメーター(クロック)のために、クォーツムーブメント“キャリバー800”を開発した。このクロノメーターは機械式時計が天文台コンクールで樹立した記録をことごとく塗り替えた。そして引き続きロンジンは1967年に初のアナログ・クォーツ時計を開発したヌーシャテルのCEH(電気式時計研究所)など他社と共同でクォーツウォッチの技術開発を進める一方で、1970年までにクォーツウォッチを開発製造するという「砂時計プロジェクト」を社内において独自で極秘に推進。セイコーにわずかに先行され、残念ながら「世界初の量産クォーツウォッチ」の栄誉を逃したものの、1969年9月には「キャリバー6512」と呼ばれるムーブメントを搭載した「ウルトラ・クォーツ」の量産プロトタイプモデルを発表している。

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左/時計各社が共同で設立したヌーシャテルのCEH(電気式時計研究所)とは別に、ロンジンが「砂時計プロジェクト」と名付けて社内で極秘開発し、秋に完成した「ウルトラ・クォーツ キャリバー 6512」と量産用プロトタイプモデル。残念ながら年内の量産開始には至らずに終わった。右上/サンティミエのエボーシュSA(現在のETA社)とシリコンバレーの半導体メーカー、テキサス・インスツルメンツと共同開発したロンジン初のデジタルウォッチ。斬新なデザインは高い評価を得た。右下/「コンクエストV.H.P.」コレクションのファーストモデル。精度は年差±10秒だった。

さらに1970年代に入っても、ロンジンは精力的にクォーツ腕時計の開発を推進した。1972年にはエボーシュSA(後のETA社)と半導体メーカーのテキサス・インスツルメンツと共同で「ロンジンLCD」という初のデジタルウォッチを、その後も超薄型クォーツを発表。そして1984年、ロンジンはヌーシャテル天文台を会場に、当時としては最先端の高精度クォーツウォッチ、初代「コンクエスト V.H.P.」を発表した。

つまりバーゼルワールド直前にもかわらず世界中からメディアを招待して行った今回の最新の「コンクエスト V.H.P.コレクション」の発表は、1996年のパーペチュアルカレンダーモデルの発表から21年ぶり、このコレクションがデビューした記念すべき場所での発表会は実に33年ぶりのイベントなのである。ロンジンのこの新コレクションに対する並々ならぬ自信と意気込みがうかがえるだろう。

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パーペチュアルカレンダー機能を搭載した「コンクエスト V.H.P. パーペチュアルカレンダー」。この後、機械式時計ブームの中でこの名前はしばらく封印されることになる。

Page02. クォーツで最高レベル超高精度に加えて、針で時刻を正確に表示する新機構を搭載!