萩原輝美 連載 vol.163|2017春夏パリ・オートクチュールコレクション Vol.2

萩原輝美 連載 vol.163|2017春夏パリ・オートクチュールコレクション Vol.2

PHOTO:TIERNEY GEARON for DIOR

萩原輝美のファッション・デイズ

プリーツが揺れる優美なドレス――ヴァレンティノ
進化するバージャケット――ディオール
リクチュールドレス――ヴィクター&ロルフ
繊細ゴシックドレス――シャンミ・ニールソン

2017春夏パリ・オートクチュールコレクション Vol.2

パリ・オートクチュールコレクションは中国、韓国などのアジアンデザイナーの参加が増え、広がりを見せています。かつて多く見られた民族的ディテールはなく、ヨーロッパで学びラグジュアリーメゾンでキャリアを積んだデザイナーが目立ちます。大量生産に背を向け、じっくり服と向き合って作る。クチュールコレクションがますます楽しみです。

Text by Terumi Hagiwara

プリーツが揺れる優美なドレス――ヴァレンティノ

パリ・オートクチュールコレクション第2弾です。ヴァレンティノは肩から広がるアコーディオンプリーツのエレガンスドレスを並べました。プリーツは幅を変え、色を変え、素材を変えてさまざまな表情を見せます。ある時はジャケットに、ある時はコートにとアイテムを変えます。ペタンコサンダルで闊歩するたびに、その布地はボディを追いかけます。優美なのにリアル、どの角度から見ても美しいドレスです。素肌にさらっと着てみたい。淡いピンクにクリーム、ピスタチオカラーのドレスを引き立てるように会場の壁には鮮やかなアートが飾られました。

進化するバージャケット――ディオール

マリア・グラツィア・キウイがデザインするディオールクチュールのデビューコレクションは幻想的な森の中をイメージしました。バージャケットはゆるやかに広がるプリーツスカートを合わせます。チュチュをのぞかせるテーラードコートドレスはマニッシュな中に女性らしさをのぞかせます。

リクチュールドレス――ヴィクター&ロルフ

ヴィクター&ロルフは過去のコレクションを解体して再構築した先シーズンのコレクションをさらに進化させました。チュールのフリルはグラデ−ションを描きながら、さまざまなプリント地とパッチワークさています。金継ぎのようにトリミングされた金モールやファスナーがアクセントになっています。ショー直後から3体がウエブで購入できる仕組みです。

繊細ゴシックドレス――シャンミ・ニールソン

クチュール最終日、デビューコレクシヨンの招待状がメールで届きました。そのモノクロ画像に写る1枚のドレスに魅せられて会場へ。小さな部屋に入ると白いベッドの上に少女が座っています。静かに始まったコレクションは全13体、チュールを剥ぎ、つないだ儚げで強いシルエットのドレスです。レザーの象嵌ジャケットの下からはチュチュが覗きます。デザイナーはシュンミ(HYUN MI NIELSON)。ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業後、アレキサンダー・マックィーンのアトリエでキャリアを積み、今回のデビューです。どうしてプレタではなく、クチュールデビューしたかと聞くと「私、何事もスローペースなんです」ゆっくり、じっくり服と向き合うクチュール服。これからが楽しみなデザイナーです。

萩原輝美
萩原輝美
萩原輝美

シャンミ・ニールソン 2017年春夏オートクチュールコレクション

萩原輝美

萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/

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