祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.11 JUJUさん

祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.11 JUJUさん

祐真朋樹対談

Page. 1

今回のゲストは、大ヒット邦楽カバーアルバム「Request」シリーズの第3弾、80年代の歌謡曲をカバーした「スナックJUJU ~夜のRequest~」をリリースしたばかりのJUJUさん。幼い頃から慣れ親しみ、思い入れのある場所だというスナックの魅力を語ってもらった。

Interview by SUKEZANE TomokiPhotographs by HATA Junji (Cyaan)Text by HATAKEYAMA Satoko

スナックJUJU開店! 80年代歌謡曲をカバーした極上アルバム完成

祐真朋樹・編集大魔王(以下、祐真) 先日はライブにお誘いいただいてありがとうございました。一曲目がいきなり明菜ちゃんで、アリーナの観客全員が総立ちになったのは壮観でした。JUJUさんと観客の息も合っていて、本当に素晴らしかったです。

JUJUさん(以下、JUJU) ありがとうございます。観に来ていただいた「-ジュジュ苑スペシャル- スナックJUJU」は、スナックをテーマにした初めてのライブだったんです。前回の「ジュジュ苑」アリーナツアーがスナック感の強いライブだったので、今回は完全にスナックにしようと思って。本当にいい公演でした。

祐真 そのテーマでもあるアルバム「スナックJUJU ~夜のRequest~」が10月26日にリリースされましたけれど、もろ昭和歌謡にフォーカスをあてていますよね。僕的にはすごくツボなんですけれど、選曲に関してはどういう基準で選んでいるんですか?

JUJU もともとみなさんのリクエストで曲を構成する「Request」というシリーズがあるんです。第三弾となる今回はスナックアルバムをどうしても作りたかったので、曲はすべて昭和歌謡にしようと。それなら全国のスナックのママからリクエストを取るのが一番いいんじゃないかと思って、まずは全日本スナック連盟に連絡をさせていただいて。

祐真 えーっ、そんな連盟があるんですね!?

JUJU はい(笑)。調べていくうちに、玉袋筋太郎さんが会長のこの連盟にたどり着いて、そこから全国のスナックのママに「もしJUJUがお店に来たら何を歌わせたいですか?」っていうリクエストをとったんです。そして、その中から選ばせていただいたのが今回のアルバムの収録曲というわけです。

祐真 そういえば、会場にもスナックのママたちが大勢来ていて、一人ずつ立って挨拶をしていましたもんね(笑)。

JUJU 26人のママたちが(笑)。ママさんたちのリクエスト票がまずあって、その中から私の思い出深い曲を選んだので、今回のアルバムに収録されている曲は、全部好きな曲ばかりです。

祐真 全部リアルタイムで聞いていました?

JUJU はい。子どもの頃に聴いていたし、歌っていた曲です。今回はたまたま1980年代の曲をメインにしたんですけれど、それ以前の70年代の曲も好きなものがいっぱいありますよ。

02
02

祐真 JUJUさんにとって、スナックというのはどういう場所ですか。

JUJU 子どもの頃の原風景ですかね。大人たちに連れられてスナックに行って、私はゴハンを食べたり、大人たちは子どもが目の端に入るところでお酒を飲んで楽しくなって歌うっていう。そんな大人たちの世界で憧れたものの一つに昭和歌謡の紫色の世界があって「大人って楽しそうだな」ってずっと思っていましたから。

祐真 スナックでゴハンを食べるって、生姜焼きとか?

JUJU 焼きうどんですね。私、スナックデビューは幼稚園なので(笑)。大人と一緒にいるのが好きな子どもだったこともあって、スナックはなんて楽しい場所だろうと思っていました。子どもも「歌え」と言われたら歌いますけれど、率先して歌うと怒られるんですよね。そういう大人の場所ならではのルールも面白かったです。

祐真 JUJUさんはその当時、何を歌っていたんですか。

JUJU テレサ・テンの「つぐない」です。償ったこともないくせに「つぐない」が上手いって言われていました(笑)。言葉の意味もまったくわかってなかったんですけど、ちゃんと感情を込めて歌っていましたよ。でも結局のところスナックって『夜にここに来れば大人がいますよ』っていう場所でもあったんじゃないですかね。もし何かあれば、駆け込み寺じゃないけれど、スナックに来れば誰か知っている大人がいるから安心っていう。だから拠り所みたいな感じもしていました。

祐真 そんなスナックの風景で、子ども心に「大人って○○だな」って思ったことはありましたか。

JUJU 「大人って不埒だな」って思っていました。子どもの世界にはないやりとりをしているなって。

祐真 酔ってママを口説くおじさんがいるとか?

JUJU そうです(笑)。どう考えても普通のカップルじゃなさそうなワケありな人たちも来るわけじゃないですか。「あー、大人たちって不埒だな」と。

祐真 すでに女子目線が入っていますね(笑)。

JUJU そうですね。私の周りの大人たちが、子どもに聞かせちゃいけない会話を平気でする人たちだったんで。「あそこの奥さん、旦那さんが亡くなってもう6年ぐらい経つけど、今じゃあ若いツバメを囲っているね」とか。そんなことを聞いていると、知っているおばさんの家にいる若い男の人って「若いツバメ」って名前なのかと思うわけですよ。そして次の日にその家の前を通ったりすると、その若いツバメが車を磨いている。そこですかさず「あ!若いツバメだ!」って言ったりして(笑)。

祐真 うわー(笑)。それって酔っている大人たちが「子どもだから意味がわかんないだろう」って喋っているんでしょ。

JUJU 子どもの前だからっていう倫理観を持った大人があんまりいなかったっていうのもありますね。子どももいつか大人になるんだから、早いうちから聞かせておいたほうがいい、みたいな教育方針があったような気もしていますけどね。いろんなことを外で覚えてくるぐらいなら私たちが教えたほうがいいみたいな(笑)。

祐真 スナックっていいところですよね。僕も何度かJUJUさんと一緒にスナックに行かせてもらいましたけど、JUJUさんが歌い出すと、酔っている人でもバチーッと目が生き返るんですよね。「む、誰かいるな!?」って。

JUJU でも気づかれはしないっていうね。よく「歌手になったほうがいいよ」って言われますから(笑)。

Page02. JUJUさんにとってスナックとは

ABOUT
SUKEZANE Tomoki

1965年京都市生まれ。(株)マガジンハウスのPOPEYE編集部でファッションエディターとしてのキャリアをスタート。現在は『UOMO』『GQ JAPAN』『Casa BRUTUS』『MEN’S NON-NO』『ENGINE』等のファッションページのディレクションのほか、著名アーティストや文化人の広告のスタイリング等を手掛けている。パリとミラノのコレクション観覧歴はかれこれ25年以上。   Born in 1965 in Kyoto, Japan. He started his career as a fashion editor at POPEYE magazine of Magazine House. Currently, he is working on various magazines such as UOMO(SHUEISHA), GQ(Conde Nast Japan),Casa BRUTUS (Magazine House), MEN’S NON NO (SHUEISHA), ENGINE(SHINCHOSHA)and he is setting styling people such as artists and […]