特集|パテック フィリップの不変と普遍を探る|PATEK PHILIPPE

特集|PATEK PHILIPPE|パテック フィリップの不変と普遍を探る

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PATEK PHILIPPE|パテック フィリップ

世界最高の時計をつくるために

特集 パテック フィリップの不変と普遍を探る(1)

「PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ)」は、世界中の時計愛好家から羨望のまなざしを向けられ続けている。その理由のひとつが1839年の創業から今日に至るまで、製造したすべての時計の修理・修復を受けるというその姿勢にある。そしてもうひとつは意匠の継承である。パテック フィリップの変わることのない企業理念と、継承されるデザインを改めて見てみよう。

Text by KOIZUMI Yoko

創業からのすべての製品を修理・修復

スイス・ジュネーブ市内にパテック フィリップが運営する時計博物館「パテック フィリップ・ミュージアム」がある。同社製品のみならず時計史を俯瞰できる所蔵品を多数揃えており、そのレベルの高さでマニア垂涎の存在となっている。

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その所蔵品のひとつに『顧客台帳』がある。ここには創業以来つくられた時計の、顧客名、販売年、材料費、担当者、価格といった詳細なデータが記されている。なかにはヴィクトリア女王をはじめとするヨーロッパ各国の王族の名前を見ることができる。

この台帳で驚くべきは記載されている人の名前ではない。この台帳と同様のデータがいまなお蓄積され続けているということだ。こうしたデータがあればこそ、パテック フィリップのオーナーは時計がある限り、アフターサービスを受ける“権利”を持ち続けることができる。そして同社はその義務を負い、この責務を全うし続けているのである。

マニュファクチュール(自社一貫生産)を標榜するウォッチメーカーは数あれど、永久に修理・修復し続けることを約束しているメーカーはない。同社から生み出される時計が最高峰であることと同時に、アフターサービスもまた最高峰なのである。

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不変のデザインを継承する

パテック フィリップが腕時計をつくり始めたのは1910年代のこと。当初はトノーやレクタングル、クッション型などのケースデザインが存在した。そんななかで1932年、ひとつの傑作が登場する。ドイツ建築・装飾芸術運動バウハウスの理念に基づいた意匠による「カラトラバ」が創作されたのである。

時計の基本形といえるラウンドケース、シャープかつ力強いフォルムのドフィーヌ型針と立体的な植字インデックスを組み合わせた文字盤は、高い視認性と同時にエレンガントな雰囲気を醸し出す。その後のラウンド型ドレスウォッチの模範となっただけでなく、パテック フィリップにとっても“永遠のクラシック”を手に入れたことでもあった。“誕生したときにすでに完成を見ていた”カラトラバは、80年以上を経てなおロングセラーとして君臨し続けている。

ただしカラトラバだけが、デザインの不変性を具現しているのではない。たとえば「クロノグラフ」や「ワールドタイム」でも同様だ。いまなお続くクロノグラフは1946年、ワールドタイムは1940年に発表されたものであり、マイナーチェンジはあるものの、現行モデルと比較しても基本的なデザインが変わっていないことはおわかりになるだろう。

1-●cala_ori_Ref96_P0410_a_200

1932年発表
カラトラバ Ref.96
イエローゴールド

2-●chiro_ori_(130)-P0845_a_200

1946年発表
クロノグラフ Ref.130
ステンレススチール

3-●world_ori_ref_1415-1HU_de-1940_a

1940年発表
ワールドタイム Ref.1415-1HU
イエローゴールド

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