JOHN LOBB|NIGO®が語る、オーダーメイドの愉しみ(前編)
FASHION / MEN
2015年4月8日

JOHN LOBB|NIGO®が語る、オーダーメイドの愉しみ(前編)

JOHN LOBB|ジョンロブ

完全予約制のビスポークオーダー会がいよいよ7月に開催

NIGO®が語る、オーダーメイドの愉しみ(前編)

ジョンロブの起源であり、つねにブランドの根幹を成しているビスポーク。OPENERSでも機会があるごとにその魅力を伝えているが、今回、ジョンロブ ジャパン代表の松田智沖さんが「ビスポークのお話を伺いたい」と指名したのが、クリエイティブ・メーカーのNIGO®さんだ。取材当日、巨大なエルメスのバッグに靴をぎっしり詰めて、ジョンロブ 丸の内店に登場した。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by JAMANDFIX

ジョンロブ用のソックスと、ジョンロブとの出合い

松田 NIGO®さんが今日はいているのもビスポークですか?

NIGO® そうですね。5~6年前に最初にオーダーした靴です。

松田 NIGO®さんにはすでに10足以上オーダーしていただいていますが、最初の靴のはき心地はいかがですか?

NIGO® このファーストオーダーのときは、足形をしっかり測ってもらって、できあがるまで何度か修正をしていただきました。1足目からとてもフィット感が良くて満足しています。ジョンロブをはくとき用にソックスも作ったんですよ。

松田 今日もはかれていますか?

NIGO® 靴のくるぶしの下のカーブからソックスが出るのがイヤで、ジョンロブ用に合わせてカットして、糸の色も合わせて作っています。ジョンロブは一生はくものなので、ジャストサイズで作りました。ひとには見えない部分ですが、気を使っています。

松田 そんなにこだわっていただいてありがとうございます。NIGO®さんのジョンロブとの出合いは?

NIGO® 僕はずっとカジュアルを着てきて、スーツに興味が出てきたときに、会社のスタッフにイギリス人の弁護士がいました。彼はサヴィル・ロウ近くの弁護士事務所にいて、ビスポークに詳しかったんです。あるとき、シンガポールのエルメスで靴を買ったら、「これジョンロブだよ」と彼に言われて興味が出ました。既製だとちょっとルーズだったので、よりフィットしたものを求めてオーダーに行き着きました。

靴は生きもの。自分がもっていたいものを揃えたい

松田 はき心地はいかがですか?

NIGO® 既製とは全然ちがいますね。スニーカーをはいているぐらい楽です。僕はそれまではブーツなども大きめのサイズを買ってインソールで調整して履くようなことをしていたので、この履き心地には驚きました。

松田 日本人の足は、広くて短めなので、フィッティングを重視するとフォルムのバランスが悪くなったり、フォルムを重視すると履き心地がルーズになる傾向がありますが、NIGO®さんのはシェイプもきれいですね。

NIGO® ありがとうございます。僕はジーンズや今日のようにショーツにも合わせるので、デザインはオーソドックスなものが好きですね。ビスポークは、半年、一年の時間をかけて揃えていくものなので、何足か揃えて、すぐチョイスできるようにしたいんです。だから「自分がもっていたいもの」をオーダーしてきた感じですね。

松田 何か履かれるときの注意とかありますか?

NIGO® とくにはありませんが、連続してはかない、ぐらいですね。僕は靴は生きものだと思っているので、連日おなじ靴ははきません。スニーカーですら休ませます。あとは、ジョンロブのビスポークは最初の段階で足にフィットしているので、自分の歩くクセなどで足になじませるぐらいですね。

松田 ビスポークは、既製のさらにワンランク上の最高級の皮革を使っているので、なじむフィーリングは最初から良いと思います。

NIGO® たしかに心地良い締め付け感があって、良い感じですね。

ジョンロブ|NIGO 02

ジョンロブ|NIGO 04

ルールを知っている上で、ルールを壊すという醍醐味

松田 NIGO®さんは、スーツのオーダーなども積極的ですよね。

NIGO® オーダーの最初は靴でしたが、スーツは、サヴィル・ロウの「ハンツマン」と「アンダーソン&シェパード」で今でもオーダーしています。

松田 どちらもサヴィル・ロウを代表するカッターですね。

NIGO® 今日のジャケットとジレはハンツマンのもので、じつは共生地でキャスケットも作っています。

松田 随分遊び心をくわえていますね。

NIGO® ルールを知っている上で、ルールを壊すというのが大事だと思っていて、僕の場合は、基本から入って、ある意味邪道なことをやってみるのが好きで。だからビスポークはおもしろくて、危ない領域なんです(笑)。スーツでも、タイトなハンツマンと、比較的ルーズなアンダーソン&シェパードの持ち味を活かしながら、キャスケットを作ったりして遊んでいます。

松田 ビスポーク=BE SPOKEは、まさに相手と話しながらですが、NIGO®さんが相手に伝えることは?

NIGO® 基本はお任せしています。でも、担当のカッターに「僕のリクエストはどう思う?」と必ず聞きますね。それで「こうしたほうがいい」というアドバイスは聞いて、相手が納得する段階まではもっていきますね。

松田 ビスポークでは、それは大事なことですね。やはり英国モノがお好きですか?

NIGO® そうですね、堅い感じは嫌いではありません。イギリス人の手に魅力を感じていて、意外と器用(笑)ですよね。

松田 そうですね、ロールスやアストンマーティンなど美しいクルマを作るのも上手です。ジョンロブも、007映画のダニエル・クレイグの1作目『007 カジノ・ロワイヤル』に靴を提供したこともあり、今回、アストンマーティンとのコラボレーションシューズが実現しました。

ジョンロブ|NIGO 05

ジョンロブ|NIGO 09

貴重なBAPE®コレクションが108点収録されている本

松田 4月には本も出されましたね。

NIGO® ハニカムのブログで不定期に綴ってきた「BAPE®ARCHIVES」をまとめて、『BAPE®ARCHIVES by NIGO®』にしました。これは、ブログ公開分の50点に、58点のアイテムを追加して、自分で撮影したものです。

松田 写真も撮られたんですか。とても貴重なBAPE®コレクションが載っていますね。

ジョンロブ|NIGO 11

NIGO® そうですね。現在のスタッフが知らないものもたくさん載っています。いま、昔のものを客観的に見ると、どれも完璧じゃないんですが、その当時、自分が試行錯誤しているのがよく伝わってきます(笑)。ぜひ読んでみてください。

松田 ありがとうございます。では、後編では、NIGOさんが実際に作られたジョンロブのビスポークを拝見します。

NIGO®が語る、オーダーメイドの愉しみ(後編)

「ジョンロブ ビスポークオーダー会」
パリのジョンロブ ビスポークアトリエより、マスターラストメーカーのフランソワ・マドニーニ氏が来日して開催(完全予約制)
日程|2012年7月5日(木)~7日(土) ジョンロブ 丸の内店
東京都千代田区丸の内3-2-3富士ビル1階
Tel. 03-6267-6011
営業時間|11:00~19:00(オーダー会期間中)

日程|2012年7月8日(日)~9日(月) ジョンロブ ヒルトンプラザ店
大阪府大阪市北区梅田1-8-16 ヒルトンプラザイーストB1F
Tel. 06-6346-3933
営業時間|11:00~19:00(オーダー会期間中)

メールでの予約・問い合わせ
bespoke@boutique.johnlobb.co.jp

ジョン ロブ ジャパン
Tel. 03-6267-6010
http://www.johnlobb.com/jp

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