上原ひろみがトリオの可能性をどこまでも追求した『SPARK』を語る|INTERVIEW

INTERVIEW|上原ひろみがトリオの可能性をどこまでも追求した『SPARK』を語る

LOUNGE INTERVIEW

上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトfeat. アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス

待望のニューアルバムが発売

上原ひろみ、『SPARK』について自ら語る(1)

上原ひろみのニューアルバム『SPARK』が発売された。アンソニー・ジャクソン、サイモン・フィリップスとの作品づくりは前作『ALIVE』につづくもので、このトリオの結成から約5年、通算4作目になる。この三人でなければできない音楽があるという上原が、新作『SPARK』について語った。

Photographs by KOMIYA KokiText by NAGASAKI Yoshitsugu

アルバム全体でストーリーを表現した『SPARK』

上原ひろみについて、今さら多くの説明は必要ないだろうが、おそらく世界のジャズシーンで最も有名な日本人の一人であることに疑いの余地はない。彼女のニューアルバム『SPARK』は、アンソニー・ジャクソン、サイモン・フィリップスとともにつくり上げてきたザ・トリオ・プロジェクトの最新作でもある。

「今回はアルバム全体が一つのストーリーを描くような構成を考えて、曲づくりを進めました」

上原ひろみ『Spark』を語る|UEHARA Hitomi

その言葉通り、ひとが何かに衝撃を受けるところから物語は始まり、そこから夢のような世界へと心が動き、物語の終わりでは現実に戻ってくる。そんなストーリーをアルバム全体で表現している。まさに大きな流れのような作品。

「今は一曲ずつでもネットで買える時代になっていますが、その時代にアルバムを出す意味というのは何かをミュージシャン自身も考えなければならいないんだと思います。だからこそ、このアルバムは一枚でひとつのストーリーを紡ぐというアイデアを試したかったんです」

トリオとしての4作目だけに、コンビネーションもこれまで以上に練られている。

上原ひろみ『Spark』を語る|UEHARA Hitomi
上原ひろみ『Spark』を語る|UEHARA Hitomi

「この三人でなければできない音楽があるという実感があります。これまで5年間一緒にやってきて、ライブを積み重ねてきた成果や成長をかたちにできたのがこのアルバムだと確信しています」

上原とともにアルバムをつくり上げたのは、コントラバスギターのアンソニー・ジャクソン、ドラムスのサイモン・フィリップス。いずれもファースト・コール・アーティストとして世界中のミュージシャンが恋い焦がれる存在だ。

上原ひろみ『Spark』を語る|UEHARA Hitomi

「音楽のジャンルにこだわるのではなく、あらゆる音楽を経験してきた二人だからこそ、どんどん化学反応が生まれて、ひとつになっていく感覚がありました」

そのために必要なのがライブだという。

「ライブを重ねるなかで、完成度を高めていく。そしてレコーディングという流れです」

Page02. ライブこそがトリオの醍醐味となる