ジャガーのハイパフォーマンスモデル2台に試乗|Jaguar

ジャガーのハイパフォーマンスモデル2台に試乗|Jaguar

CAR IMPRESSIONS

Jaguar XKR-S & XFR|ジャガー XKR-S & XFR

ジャガーのハイパフォーマンスモデル2台に試乗

東京ではまだ寒さののこる3月下旬、すでに春のきざしも見えはじめた温暖な宮崎にてジャガーのフルラインナップ試乗会がおこなわれた。もともとはポルシェやフェラーリとも肩を並べるスポーツカーメーカーであったジャガーだが、近年ではスポーティイメージが薄れ、優美なサルーンの印象がつよい。そこでジャガーは、原点にたちかえるべく、スポーツモデルに注力する方向だという。OPENERSは、そのなかでももっともハイパフォーマンスな2台を選択。1台は優美なプロポーションをもつスポーツクーペ「XK」のスポーツグレード「XKR」に、さらに本気度の高い性能を詰め込んだ「XKR-S」。もう1台はスポーティサルーン「XF」の最上位グレード「XFR」。ジャガーのいう英国的スポーツカーをどう感じたか。渡辺敏史氏によるリポート。

Text by WATANABE Toshifumi
Photographs by ARAKAWA Toshiyuki

ピュアスポーツ・ジャガー

第二次世界大戦が終了した1945年。いかにもイギリスのそれらしい現在の社名であるジャガー・カーズ・リミテッドの歴史はここから始まったことになっているが、彼らが四輪車のビジネスにかかわり始めたのはそこからさらに20年近く前、1927年に遡る。

85年に逝去した創業者のサー・ウイリアム・ライオンズが当時手掛けていたのはサイドカーの架装事業。当時のスワローという屋号は彼の「美しいものをつくる」というプロダクト・ポリシーを反映したものだ。

その技術を反映して作られた流麗なボディを、当時のポピュラーなスポーツモデルだった「オースチン・セブン」に架装し作られた「オースチン・スワロー」。このヒットを足掛かりに、ライオンズはオリジナルプロダクションへの道を加速させた。

大戦を挟んでの戦後、隆盛をきわめたイギリスの自動車産業において特別なプレゼンスをしめしていたジャガーが一貫して手掛けていたのもスポーツモデル。

Jaguar XKR-S|ジャガー XKR-S

その後、ル・マン24時間レース等での活躍を足掛かりに61年、かのエンツォ・フェラーリをして世界でもっとも美しいスポーツカーといわしめた、ジャガー「Eタイプ」がデビューするわけだ。「美しい」「スポーツカー」というジャガーのブランドイメージは、70年代以降のイギリスの自動車産業の沈滞とともに「ラグジュアリー」「サルーン」という言葉に置き換えられていった。巷間いわれるジャガーのそれである。

しかしジャガーの中でスポーツカーのスピリッツが置き去りにされたことは過去に一度もない。それはプロダクトの動的質感をみればわかることである。そして昨今は、スポーツカーメイクスとしてブランドイメージを再構築しようという動きもみてとれる。「XKR-S」は、そういう背景のもとに生まれたひさしぶりのピュアスポーツ・ジャガーだ。