「JAPAN靴博2015」に出展するシューズデザイナー横尾直インタビュー|ISETAN MEN’S

ISETAN MEN’S|デザイナー横尾直が語る「JAPAN靴博2015」の靴

Isetan Men’s

ISETAN MEN’S|イセタンメンズ

紳士靴の“博覧会”に、ハンドメイドの“ブラック・ブラザーズ”を出展

デザイナー横尾直が語る「JAPAN靴博2015」の靴

10月28日(水)から11月10日(火)まで伊勢丹新宿店メンズ館地下1階=紳士靴で開催される紳士靴の“祭典”「JAPAN靴博2015」。日本のモノづくり、靴づくりで注目される29ブランド、約40足がここに集結するが、オートクチュールのハンドメイドで紳士靴をつくるデザイナー横尾直(よこおなお)さんの靴も初登場する。JAPAN靴博2015開幕を前に横尾さんの工房を訪れた。

Photographs by SUZUKI Shimpei Text by KAJII Makoto (OPENERS)

異質だけれど、カッコイイ

「イセタンメンズではドレスやクラシックな靴が好まれますが、以前からデザイン性の高いクチュール的なものに興味がありました。今回の靴博開催にあたって、横尾さんが手がけるのは、まさにテーマを象徴するような靴。唯一無二のデザインで、異質だけれどカッコイイ。パッションやパワーを感じる靴に魅力を感じました」。「JAPAN靴博2015」を企画するイセタンメンズのバイヤーは、横尾直さんの靴をそう説明する。

横尾さんの靴がもっている異質さやかっこよさは、どこから生まれてきたのか。

イセタンメンズ|横尾直
イセタンメンズ|横尾直

ハンドメイドの靴づくりまでの道

「建築家になりたくて建築の専門学校に行っていた時期に、英国にいた友人を訪ねて何度か渡英しているうちに靴を学びたくなったんです。それで、ロンドンの美術大学のファンデーションコースに入り、靴の学校を探して、その学校を移りました」と横尾さん。

彼女が入ったコードウェイナーズカレッジはジミー・チュウやパトリック・コックスなどを輩出した名門校だ。「コードウェイナーズはデザイン重視の学校なのですが、私はデザインが学びたかったので基礎を教わりました。そこに1年通ってから、イタリアに渡ってミラノのアルスという靴の有名校を訪れたのですが、学費が高くて断念。日本に戻り、レザーファッションのコンサルタント会社に就職しました」。

だが、その会社では靴づくりができず、「自分が好きな靴をつくりたい」と自らの工房の準備に着手。「靴メーカーに入ったことがないので、アルバイトしながら独学で機械を揃えはじめ、でも靴づくりにじっくり取り組む時間もなく、納得できない状態がつづきました」

そのときに出合ったのが、ギルドの山口千尋さんだった。「ギルドフットウェアカレッジの一期生として手製靴を学びました。そこで山口さんに、先生をやらないかと声をかけていただいて、さらにセミオーダーブランド『Hall & Marks』のお手伝いをしているうちに、ハンドメイドに自信がついてきて、2003年ごろから本格的にひとりで靴づくりをはじめました」と横尾さん。

イセタンメンズ|横尾直
イセタンメンズ|横尾直

誰も見たことのない、機械ではつくれない靴を

横尾さんがすばらしいのは、ロンドンの学校時代から独り立ちまで、ずっとデザイン画を手がけてきたこと。「デザインはずっと描いていました。スタート時期は造形的なオートクチュールの女性靴をつくっていましたが、試行錯誤しているうちに、“ハンドメイドなら紳士靴のほうが需要があるよ”とアドバイスをもらって、メンズのオーダーメイドに取り組みはじめました。でもメンズの靴は難しかったですね。デザインとして全部そぎ落としていかなければならなかった。ずっと悩みました」。

横尾さんは、足のサイズや形状に合わせる一般的なビスポークが嫌いで、洋服に合った“オートクチュールの靴”をつくりたいとスタート。その眼目を聞くと、「技術とデザインを合わせて、手製でなにができるか」と答える。

「プレタポルテ(既製品)にも納得がいかなくて、ずっと海外をメインに展示会をしていました。この2、3年、やっと日本の百貨店も見てくれるようになりました」と笑う。