2012年デトロイトモーターショー スペシャルインタビュー

2012年デトロイトモーターショー スペシャルインタビュー

CAR FEATURES

2012年デトロイトモーターショー スペシャルインタビュー

GM 会長兼CEO ダニエル・エイカーソン氏 &
副社長 クリス・ペリー氏

世界シェアナンバー1復活の秘密

世界最大の自動車メーカー、GM(ゼネラルモーターズ)。その舵取りを担う同社CEOダニエル・エイカーソン氏と、GM内における最大ブランド、シボレーを率いるクリス・ペリー副社長に、デトロイトモーターショー会場でインタビューする機会を得た。2年半前に会社更生法を適用された同社が世界シェアナンバー1の座を奪取できたのは何故なのか。モータージャーナリスト、島下泰久氏が聞いた。

Text by SHIMASHITA Yasuhisa

日本市場にはあまり期待していません──
ダニエル・エイカーソンCEO

2011年、自動車販売台数世界1位の座に輝いたのはGMであった。昨年1位のトヨタが震災の影響で供給を滞らせたという背景があったにせよ、猛追するフォルクスワーゲンを振り切っての首位奪還は、GMが今からたった2年半前に倒産した会社だと考えると、信じられないような出来事と言うほかない。

もちろん、これは偶然などではなく、負債を切り離したからだという単純な理由ではない。では復活の要因は何だったのか。そして今後の展開は? GMのダニエル・エイカーソンCEOに話を聞くことができた。エイカーソンCEOはもともとネクステルなどの通信業界で会長兼CEOなどを務めてきた、自動車業界では異色の人物である。

──自動車以外の業界から入ってきて難しかったことは何でしょうか。

私に限らず、外からその会社に入ってきた人間は、あたらしいアイデアや物の見方を持ち込むことになります。そうすると、あたらしく入ってきたひとたちと、ずっとそこで働いてきたひとたちが混ざり合う“ハイブリッド化”が起こることとなります。これは自動車産業だけで経験を積んできたマネージメントよりも、絶対に強いと言えるんじゃないでしょうか。

当然、その産業の基本的なことは知っていなければいけません。ですが、それがコンシューマエレクトロニクスだろうと通信機器だろうと自動車だろうと、どの産業でも重要なことは変わりません。まずは優先順位を決める。つづいて、ひとやお金などリソースには限りがありますから、それを適切に配分して、三つ目にはそれを実行に移すということです。これは、どんな業種でも変わりません。

──GMは現在、北米だけでなくいわゆる新興国やヨーロッパなどの市場で非常に力強い勢いを保っています。一方で、日本の市場については、どのように見ていらっしゃいますか?


デトロイトモータショーでデビューしたキャディラックATS

おもしろいマーケットであることはまちがいありません。外国車はとても少ないですね。アメリカにはこんなに日本車が走っているのに。我われのブランドも日本ではマイナーです。マーケットに入り込むのは簡単ではないですね。

このような言い方をして不快に思ってほしくはないのですが、GMだけではなくほかのブランドも、日本市場にはもはやあまり期待をしていません。外国から入ってくるアイデアなどには日本はとてもオープンですが、自動車メーカーにとっては、非常に競争しづらいマーケットなんです。