祐真朋樹対談 | Vol. 7 スタイリスト・野口強さん

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祐真朋樹対談

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まだ梅雨のまっただ中。猛暑の夏もこれから、という季節ではありますが、すでに春夏ものには興味がなく、早くも関心は秋冬ものへ。まだまだ遠くに控える肌寒い季節に向けて、1月に開催されたパリのメンズコレクションをスタイリストの野口強さんと振り返りました。

Interview by SUKEZANE TomokiStill Photographs by NISIZAWA Takashi(flat)

ふたりがこの秋、注目しているものは……

祐真朋樹(以下、祐真) さて、もうすぐ店頭に秋物がちらほら並ぶ季節となりましたので、いっしょに1月のパリのメンズコレクションを振り返っていただきたいと思います。宜しくお願いします!

野口 強さん(以下、野口) はい、わかりました。

祐真 もうだいぶ時間が経ったんで、かなり忘れてますよね。でも今年の秋冬の “気分” を聞いておきたいと思います。

野口 え? 気分って?

祐真 ランウェイの記憶は薄れつつあると思うけど、思い出して「やっぱりあれ着たい」と思うものってある?

野口 今回はテーラードが多くなかった?

祐真 そうやな。「トム・ブラウン」とか??

野口 うん。「ディオール」しかり、「ジバンシィ」しかり……。あとは……

祐真 「エルメス」とか「サンローラン」とか?

野口 そうね。サンローランは多かったよね。あと「ジュンヤ ワタナベ マン」もね。

祐真 ああ、たしかにジュンヤワタナベマンもスーティングが多かったね。テーラードジャケット、今度の秋冬は自分でも着ようと思ってますか?

野口 着ようかな、という気分にはなった。

祐真 どのブランドのを見て?

野口 サンローランはちょっとタイトかな。どんなもんかトライはしてみたいけど。でもまあ、ガリガリくん仕様だわな。

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祐真 サンローランのネイビージャケットはどう? 口紅のバッジ付けて、マリンボーダーのタートルを合わせるんだよね。

野口 パンツは股上が深いのよね。インナーはすべてパンツ・インだったね。

祐真 うん。それにヒールのブーツね。これ、ヒールは何センチあるんだろう。

野口 8センチくらいあるんじゃないの?

祐真 いや、もっとありそう。12センチくらいあるんじゃないの??(実際には8.5センチでした)

野口 すごいよね。

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祐真 むかし、ディオールのハイヒール、買ったよね。僕は全然ちゃんと歩けなかった。あんな高いヒール、膝曲げてじゃないと歩けない。

野口 でもこういうの買うひとはいっぱいいると思うね。

祐真 ロングコートに合わせて、だったらいいかもね。あと、ホントにボーダーは多かったね。

野口 うん。テールコートくらいの長さのピーコート? あれにもボーダーを合わせてたよね。プレもボーダーは多かった。

祐真 サンローランか。でも前回とあんまり変わってない印象もあるな。あ、でも今回は真っ黒か。

野口 うん。あと、ジャケットが圧倒的に多かったんじゃないの?

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祐真 そうだね。前回のアメリカンフィーリングはどこにいったんだろうね。

野口 そういう気分じゃなくなったんじゃないの?

祐真 今回はパリっぽかったよね。あと、ボウカラー、どう思う?

野口 サンローランのボウカラーと言えば、ウィメンズを思い出しますけどね。

祐真 グッチもメンズでボウカラーを打ち出してるじゃん?

野口 ああ、そうだね。

祐真 ああいう、ちょっとフェミニンなのはどうですか?

野口 (笑)いや、撮影にはいいかな、と思います。ウチはもうオジサンなんでさすがにちょっとね~。

祐真 でもサンローランはボウカラー、1回だけくぐらせてダラっとさせてたけど、グッチはちゃんと結んでたよね。

野口 サンローランはウィメンズのときも結んではいなかった。

祐真 かっちり結ぶグッチはどうなんだろうね。

野口 かなり難易度が高い。

祐真 難しいけど、写真にするのはおもしろいよね。このサンローランのピンクのコートはどう?

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野口 これ……撮影にはおもしろいかと思うんだけどね。

祐真 ヘアスタイルは?

野口 かわいい。

祐真 このヘアスタイル、かわいいよね。ポインテッドトウのヒールブーツで。

野口 前回のヘアスタイルは上げてたけど、今回はみんな下ろしてたね。サンローランは、前と比べて大きく変わってはいないんだけど、ちょっとずつマイナーチェンジしてるよね。例えばパンツは股上が深くなって、さらに細くなってる。こういうレースも、ずっとやってるじゃん?

祐真 そうだね~、前からやってるね。メキシカンみたいな靴はなくなったってこと?

野口 ああ、あれ、東京でもみんな結構履いてたよね。よく見かけました。

祐真 あれだけはどうしても踏み込めへんかったわ。

野口 でもヒールの高さ3センチのエディモデルっていうのも出してたでしょ? あれなら履けそう。

祐真 そうだね。そう言えば、ベレー帽ってのも目立ってたね。グッチでも出てきてたし。あと、バッジはどうですか? 

祐真朋樹対談 | Vol. 7 スタイリスト・野口強さん
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野口 これ、全種類入ってくるのかな。

祐真 ちなみに、このサンローランのジャケットはバッジなしでも買えるそうです。で、エディのショーと言えば、フロントローの前の床に座ってしまう “エディ・キッズ” が話題となっていますが。あれって全員ミュージシャンなの??

野口 いや、ミュージシャンもいれば、パリの普通の子もいるみたい。かわいいよね。

祐真 あいつら、格好いいよね。エディが選んでるの? ゼロライン、って言ってるよね。

野口 うん。思わずあっちを見ちゃうよね。

祐真 あれ、ウィメンズのときもいるの?

野口 いるいる。

祐真 あれはおもしろいよな。

野口 あれはエディんとこだけだね。ほかでは見ない。

祐真 これからみんな真似するかな? ……いや、あれは真似できないな。

野口 ショーのあと、せま~いクラブみたいなところでパーティするらしいんだけど、そこに来るのもああいう子たちみたいなのばっかりなんでしょ?

祐真 へ~、行ったの?

野口 行ってない。

祐真 21歳以下限定、とか言い切ってるらしいもんね。俺らは「来るな」って感じだよね(笑)。

Page. 2 ジョナサン・アンダーソンの “あたらしいユニセックス”

ABOUT
SUKEZANE Tomoki

1965年京都市生まれ。(株)マガジンハウスのPOPEYE編集部でファッションエディターとしてのキャリアをスタート。現在は『UOMO』『GQ JAPAN』『Casa BRUTUS』『MEN’S NON-NO』『ENGINE』等のファッションページのディレクションのほか、著名アーティストや文化人の広告のスタイリング等を手掛けている。パリとミラノのコレクション観覧歴はかれこれ25年以上。   Born in 1965 in Kyoto, Japan. He started his career as a fashion editor at POPEYE magazine of Magazine House. Currently, he is working on various magazines such as UOMO(SHUEISHA), GQ(Conde Nast Japan),Casa BRUTUS (Magazine House), MEN’S NON NO (SHUEISHA), ENGINE(SHINCHOSHA)and he is setting styling people such as artists and […]