古きシトロエンDSでめぐるパリ|Citroen

古きシトロエンDSでめぐるパリ|Citroen

CAR FEATURES

DS Drive|DS ドライブ

古きシトロエンDSでめぐるパリ|Citroen

なにものにも似ない、目を惹く奇抜なスタイリングと先進的な機構をもって、いまだファンの絶えないシトロエン「DS」。いま、そのオリジナルのDSに乗って、パリの街を観光できるサービスがあるという。最新の「DS5」を試乗したばかりの小川フミオ氏が、その祖先たるオリジナルDSとパリの観光を満喫するドライブに出発した。

Text by OGAWA Fumio

DSでパリの名所観光へ

パリの観光名物はいろいろあるが、シトロエン「DS」で、というのはいかがだろう。1955年から75年まで生産されたパリ生まれの世界の名車。自動車のなかでも指折りの価値ある“遺産”だが、いまも現役で走っている。それでパリ観光ができるのである。

シトロエンDSは、読者の方は先刻ご承知だろうが、当時のフランス大統領をはじめ政府高官や企業要人がこぞって乗ったフランスを代表する高級サルーンだ。スタイルは、しかしながら、大変ユニークで、宇宙船にもたとえられたほどだ。フラミニオ・ベルトーニというデザイナーの作品で、おなじ人が「2CV」もデザインしているのだから、対比としてまことにおもしろい。

Citroen DS|シトロエン DS
Citroen DS|シトロエン DS

DSの画期的なところは、見た目だけでない。サスペンションシステムには、油圧を使っていた。技術的にも凝っていたのだ。油か圧縮空気を使った筒型ダンパーにコイルスプリングという通常の組み合わせではない。球体のなかに入った窒素ガスと圧力をかけられた油圧との反発を利用した、ユニークなサスペンションシステムを採用していた。

ブレーキも油圧システムを使い、踏みしろの遊びはほとんどゼロ。シトロエンではこれらはドライバーの省力化のためで、疲労軽減、すなわちどこまでも安全に走れるため、と説明していた。
運転手つきのシトロエンDSでパリ観光が楽しめるこのサービスは「DSワールド パリ」という。1時間30分で240ユーロ(1ユーロ135円として約3万2,400円)から3時間で445ユーロ(約6万円)と、コースはいくつも用意されている。高いといえば高いかもしれないが、運転手を別にして最大4名乗車できるため、4等分すればじゅうぶんに内容に見合う価格といえるのでは。

Citroen DS|シトロエン DS
Citroen DS|シトロエン DS

使われているDSは、オリジナルの丸2灯のDS19もあれば、67年にフェイスリフトを受けて4灯式になったDS21あるいはもっともパワーが上がったDS23まで数種類。内装はオリジナルに近いソフトなファブリックシートできれいに修復したものから、現代的な仕上げになったものまで。あいにく指定はできない。

僕が乗ったのは、パリはシャンゼリゼ通りの1本裏にあるDS(こちらは現在のブランド)ストア前から。「どこに行きますか」とフランス人運転手に訊ねられて、「一般的なパリの今昔を共に観たいです」と答えたのだった。