“カヴァリーノ・ランパンテ”、日本では“跳ね馬”と称されるエンブレムに胸躍らせるファンは少なくない。サーキットではその激しい走りに観衆は熱狂し、ストリートでは端麗なシルエットと甲高いサウンドで人々を魅了するクルマ、それがFERRARI(フェラーリ)だ。F1、市販車のいずれにおいても、スピードを極めるこのブランドは、創業者であるエンツォ・フェラーリの情熱がいまなお強く息づいている。 1898年にイタリアのモデナで生まれたエンツォは、10歳のときボローニャで見たレースに感激し、いつしか自分もレーシングドライバーになろうと思うようになる。一途な思いは着々と実現へ向かい、1920年、エンツォはついにアルファ・ロメオのテストドライバーとなった。そして、同じ年のタルガ・フローリオではアルファのドライバーとして参戦、見事2位の記録を残している。 しかし、やがてエンツォの興味はレーシング・チームを運営することへと移り、1929年にスクーデリア・フェラーリを立ち上げて、アルファのレース活動を引き受けることに。その手腕を発揮するにもかかわらず、1939年にはアルファとの関係は解消され、第二次大戦後の1947年、自前のV12エンジンを積む「フェラーリ125」を引っさげてレース活動を再開。ここからスポーツカーブランドとしてのフェラーリが歩みはじめた。 その後、フェラーリはフィアット傘下に入り、現在はフィアットグループの会長を兼任する社長のルカ・モンテゼーモロのもとで、ブランドの魅力を高め続けている。ラインアップは、V12エンジンを積む「599」と「612スカリエッティ」、V8のミドシップスポーツ「F430」「F430スパイダー」、そして、スポーティさを極めた「430スクーデリア」の5モデルである。
FERRARI
Ferrari 488 GTB|フェラーリ 488 GTB458イタリアの後継モデルはジュネーブでデビュー次期V8ベルリネッタ、フェラーリ 488 GTBを初披露フェラーリは2月3日、「458イタリア」の後継モデルとなる新型V8ベルリネッタ、「488 GTB」をはじめて公開した。Text by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)パフォーマンスは458 スペチアーレ以上本日2月3日、「458 イタリア」につづく次期V8ベルリネッタとして「488 GTB」を世界初披露したフェラーリ。搭載されるエンジンは、大方の予想通り従来のNAエンジンではなく、先に登場した「カリフォルニア T」とおなじく、ついにターボ化とされた。先代458イタリアの総排気量4.499ccから、3,902ccへとダウンサイジングされた新ユニットだが、もちろんそこに一切のネガはない。生み出されるパワーは、最高出力492kW(670ps)/8,000rpm、最大トルク760Nm/3,000rpmとされ、...
Ferrari Finali Mondiali|フェラーリ・フィナーリ・モンディアーリサーキット専用モデルFXX Kも初披露フェラーリ最大のレーシングイベントがアブダビで開催フェラーリは、昨2014年12月3日から6日までの4日間にわたり、アラブ首長国連邦のアブダビで、「フェラーリ・フィナーリ・モンディアーリ」を開催した。このイベントは、1年を通じたフェラーリの活動を締めくくるもので、各エリアにおけるフェラーリ チェレンジの最終戦や、XXプログラム、F1クリエンティなどの走行のほか、あらたなるサーキット専用モデル「FXX K」のお披露目がおこなわれた。Text by SAKURAI Kenichi欧州以外で初の開催「フィナーリ・モンディアーリ」は、昨年日本でも開催された「フェラーリ レーシング デイズ」など、年間を通し世界各国で個別におこなわれるレーシングイベントの集大成ともいうべきプログラムの名称だ。そのまま訳せば最終世界大会とでもいおうか、フェラーリの1年間を締め括る世界規模の...
Ferrari 458 Spider & FF|フェラーリ 458スパイダー & FFユナイテッドアローズ創設メンバーから見たフェラーリユナイテッドアローズ創設メンバーの一人であり、元社長でもある岩城 哲哉氏。彼もまた、クルマ好きである。OPENERSは今回、渡辺敏史氏とともに、その岩城哲哉氏に、それぞれ性格のことなる2つのフェラーリ、「458スパイダー」と「FF」を初体験してもらった。はたしてクルマの専門家ではない目から見た、現在のフェラーリとは、どんなクルマなののか? どんなつきあいかたが浮かんでくるのか?Talk IWAKI Tetsuya & WATANABE ToshifumiPhotographs by ABE Masaya岩城哲哉とは?渡辺敏史(以下 渡辺) 最初に自己紹介をお願いできますか?岩城哲哉(以下 岩城) 私は、重松さんの部下です(笑)。(“重松さん”とは、ユナイテッドアローズ取締役会長 重松 理氏。重松氏はビームスの立ち上げに参画、...
Ferrari 458 Spider & FF|フェラーリ 458 スパイダー & FFフェラーリのある生活最新フェラーリの大きな特徴は、世界の頂点たるスーパーカーである、という性格は維持したまま、日常にあっても優れたロードカーである、というところにも、見ることができるのではないだろうか? 今回、OPENERSでは、イタリアンラグジュアリーカーとしてのフェラーリに注目し、「458スパイダー」と「FF」をロードテスト。おなじみ渡辺敏史氏にくわえ、ユナイテッドアローズの創設メンバーである岩城哲哉氏にもフェラーリを初体験してもらった。フェラーリ 458スパイダー&FFをロードテストフェラーリを語るとき、その圧倒的な運動能力ばかりが注目されすぎてはいないだろうか――OPENERSは、渡辺敏史氏とともに、日常的な領域における、フェラーリの魅力とフェラーリがもたらす価値を問いなおす。ユナイテッドアローズ創設メンバーから見たフェラーリはたしてクルマの専門家ではない目から見た、現在...
2014 FIA Formula One World ChampionshipF1はつまらない、をピレリが変えるイタリアのタイヤメーカー「ピレリ」が、F1にタイヤ供給をはじめた2011年から今年で4年目を迎えた。今シーズンは大幅なレギュレーション改定がおこなわれ、パワーユニットはターボとERS(エネルギー回生システム)を組み合わせたものへと変更。各チームがクルマとタイヤのマッチングに例年以上に注視するなかで、ピレリとフェラーリは2014年をどう闘ったのか。その舞台裏に迫った。Text by YONEYA MineokiPhotographs by SAKURAI Atsuo“攻めた”タイヤをF1の世界に持ち込んだピレリF1の世界には、“クリフ”という言葉がある。直訳すれば崖。まさしく崖を下るようにある瞬間から急激にタイヤのグリップが落ちることを指して、F1界の人々はピレリタイヤのことをそう言うのだ。世界中の市場で高性能かつ安全なタイヤを売らねばならないタイヤメーカーにとってそれは、...
Ferrari|フェラーリSpecial Interview:フェラーリ ジャパン代表取締役社長 リノ・デパオリフェラーリに対するおもい、日本市場でのビジョン前年比20%超増、日本市場における販売台数380台を達成と、ふたたび盛り上がるこの極東マーケットに、今年5月、フェラーリ ジャパンのあらたな代表取締役社長としてリノ・デパオリ氏が着任した。30代前半で日本市場の指揮を執る若きトップリーダーに、フェラーリに対するおもい、日本市場でのビジョンについてうかがった。Text by SAKURAI kenichiPhotographs by ARAKAWA Masayuki大切なのは、フェラーリを体現する世界観今年5月、フェラーリ・ジャパン設立後、最年少代表取締役として抜擢されたリノ・デパオリ氏は、カナダの出身。ブリティッシュコロンビア大学商学部を卒業後、大手一般消費財企業数社で営業やマーケティング、組織管理などを経験後、マーケティング・プランニング・マネージャーとして英国フェラーリに在...
Ferrai FXX K|フェラーリ FXX Kサーキット専用モデルFXX Kを公開フェラーリは、限られた顧客のためのサーキット専用モデル「FXX K」を、12月5日にアラブ首長国連邦のアブダビにあるヤス・マリーナ・サーキットで全世界初公開する。FXX Kの基本ボディデザインやメカニズムなどはスペチアーレモデル「ラ フェラーリ」がベースであるものの、最高出力を772kW(1,050ps)、最大トルク900Nm(91.8kgm)に向上させた専用ドライブトレーンを採用。独自のR&Dプログラムをもちい、ユーザーはフェラーリ社のテストドライバーとしてこのマシンをドライブすることになる。 Text by SAKURAI Kenichiフェラーリの開発に携わる、FXXプログラム専用マシンフェラーリがサーキット専用モデル「FXX」を発表したのは2005年。アメリカ・カリフォルニア州のモントレーで開催された、ペブルビーチ・コンクールデレガンスの会場で限られた顧客にのみ公開された。ベー...
Ferrari |フェラーリフェラーリが次期スペシャルモデルのシャシーを初公開フェラーリは現在開催中のパリモーターショーで、「288GTO」「F40」「F50」そして「エンツォ・フェラーリ」につづく、次期スペシャルモデルで採用する新開発のカーボン製シャシーをはじめて公開した。Text by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)開発指揮は“空力の魔術師”ロリー・バーンOPNERSでの既報の通り、次期スペチアーレとして開発が進められるニューモデルは、フェラーリ史上初となるハイブリッドシステムを採用する。パワーユニットとコンポーネントにかんしてはすでに「599GTB」をベースに開発が進められ、その概要も発表されていたが、今年のパリモーターショーではあらたに新開発のカーボンコンポジットシャシーが公開された。フェラーリは、この新型ハイブリッドモデルのシャシー製造にあたり、自動車産業で一般的に採用されるRTM(樹脂転送成形)と呼ばれる工業用カーボンファイバーの生産技術の採用を...
Ferrari |フェラーリ次期エンツォに採用する新型シャシーの動画を公開フェラーリは、今年のパリモーターショーで次期スペシャルモデルに採用するカーボン製シャシーを発表し、今回あらたにその詳細を収めた動画を公開した。Text by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)フェラーリのシャシーは、かくしてつくられる「エンツォ・フェラーリ」につづく、次期スペチアーレとして開発が進められるフェラーリのニューモデルは、新開発のカーボンコンポジットシャシーが採用されることが、今回のパリモーターショーではじめて発表された。そのニュースはOPENERSでも先日お伝えしたとおりだが、今回あらたに動画3本が公開された。4種類のことなるカーボンファイバーで構成される新開発のシャシー。本編では、その構造を3DCGを用いて分かりやすく解説。またラミネート加工が施されたシャシーに別のコンポーネントを組み込み、オートクレーブで焼き上がるまでの様子がダイジェストで視聴できるようになっているのもおも...
Ferrari|フェラーリセルジオ・ピニンファリーナの偉大なるフェラーリ・エキシビション開幕フェラーリはその本拠地、マラネッロのフェラーリミュージアムにて、『セルジオ・ピニンファリーナの偉大なるフェラーリ・エキシビション』を、開催している。今年7月2日にこの世を去った、セルジオ・ピニンファリーナに焦点をあて、1952年からはじまった、フェラーリとの仕事を紹介する。Text by SUZUKI Fumihiko(OPENERS)ピニンファリーナ家秘蔵のモデルをふくむ22台を展示「ピニンファリーナが情熱を傾けたワンオフモデルをはじめ、フェラーリでしか実現しえない革新的な4ドアモデル、そしてベルギー国王レオポルド三世の妻で、レティ侯爵夫人であるリリアン・バレル女史が所有していた「330 GTC Coupe Speciale」 などを含む、22台の車輌が展示されている」という、『セルジオ・ピニンファリーナの偉大なるフェラーリ・エキシビション』がイタリアは、フェラーリの本拠地、マラネッロのフ...
Ferrari Sweet GT days|フェラーリ スイート GT デイズ甘美なフェラーリの世界への扉コーンズフェラーリ東京ショールームを舞台に、週末の特別な試乗イベント「Ferrari Sweet GT days」が開催された。会場には日本のパティシエ界を代表する辻口博啓氏も登場。未発表の新作スイーツが振る舞われ、フェラーリとスイーツの甘美なトークが展開された。Text by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)パティシエの辻口氏による未発表新作スイーツも披露去る6月30日、コーンズフェラーリ東京ショールームを舞台に、週末の特別な試乗イベント「Ferrari Sweet GT days」が開催された。“フェラーリ。甘美な世界への扉”をテーマに開催された今回、会場には試乗車として用意された「FF(Ferrari Four)」と「カリフォルニア 30」の2台のフェラーリとともに、パティシエ界の第一人者、辻口博啓氏による「フェラーリ」と特別コラボレーションした未発...
Ferrari California T│フェラーリ カリフォルニア Tフェラーリ カリフォルニア Tをアジアで初披露3月に開かれたジュネーブ国際モーターショーでワールドプレミアされたフェラーリの「カリフォルニア T」。日本でもジャパンプレミアがおこなわれ、実車が日本ではじめて披露された。 Text by YANAKA Tomomiすでに1年待ちのバックオーダーを獲得2008年にデビューした「カリフォルニア」の後継モデルとして、今年3月のジュネーブモーターショーで発表された「カリフォルニア T」。その最大の特徴は「F40」以来のターボモデルとなる、新開発の3.8リッターV8ターボエンジンの搭載だ。最高出力412kW(560ps)/7,500rpmを発揮し、従来の「カリフォルニア」よりも70psものパワーアップが図られた。フロントのデザインは一新され、「F12」や「458イタリア」に似た顔付きとなった。ボディサイズに変更はなく、また14秒で開閉するメタルトップのオープンルーフももちろ...