AUDI
Audi(アウディ)のエンブレムは“フォーリングス”。その輪ひとつひとつが自動車メーカーのアウディ、DKW(デーカーヴェー)、ホルヒ、ヴァンダラーを表しているのはご存じだろう。いずれもザクセン州に本拠を置き、20世紀のはじめ、ドイツの自動車産業を牽引したブランドである。しかし、第一次世界大戦後に起きた世界恐慌の煽りをくらった4社は、生き残りをかけて、1932年にアウトウニオンを結成。DKWがモーターサイクルと小型車、ヴァンダラーが中型車、アウディが高級中型車、そして、ホルヒがラグジュアリーカーに特化する戦略をとることになった。 `しかし、第二次世界大戦の敗戦により旧東ドイツのザクセンはロシアの占領下となり、アウトウニオンは消滅。これを見越して、旧西ドイツのバイエルン州インゴルシュタットに新生アウトウニオンが設立される。BMWやメルセデス・ベンツとちがい、工場のない状況からの苦しいスタートをしいられたアウトウニオンであったが、DKWデリバリーバンなどの生産により徐々に体力をつけていった。 1964年末にフォルクスワーゲン傘下に収まったアウトウニオンは、程なくしてアウディの名を冠した新型車を世に送り出す。そして1969年には、ネッカースウルムに本拠を置くNSU(“ヴァンケルエンジン”の開発で知られる)を合併し、アウディNSUアウトウニオンとなり、1985年からはアウディとして現在にいたる。クワトロをはじめとするテクノロジーと、モータースポーツ活動に裏付けられたダイナミック性能、エレガントなデザイン、そして、質感の高い仕上がりが、アウディの人気を牽引している。
「AUDI」に関する記事
アウディ S8 × 東儀秀樹|ボーダーレスではなく、アウト・オブ・ボーダー
アウディ S8 × 東儀秀樹ボーダーレスではなく、アウト・オブ・ボーダー既成概念にとらわれることなく、つねに新しい時代を切りひらいてきたカーブランド「アウディ」。彼らの思想が結晶化したそれぞれのモデルは、それゆえ、ひとびとを魅了して止まない。それは、同様の価値観のもとに、時代を創造しているクリエイターの姿とシンクロする。そんな両者をフィーチャーする新連載。その第二回は、雅楽師として、伝統と革新を融合させた独創的な作品でひとびとを魅了する東儀秀樹さんが登場する。文=山崎哲士写真=吉澤健太挑戦をつづけるクリエイターと、フラッグシップ中のフラッグシップアウディのフラッグシップモデル「A8」。その最上級サルーンのハイパフォーマンスモデルが、この「S8」。つまりはフラッグシップ中のフラッグシップ。ちなみにアウディにおける「S」の称号は、レーシングテクノロジーを反映した高性能エンジンとフルタイム4WDのクワトロシステムを搭載するスペシャルなパーケージであることの証明。そう、アウディS8は、ラグ...
Audi A5 Cabriolet|エレガントなたたずまいのオープン4シーター
Audi A5 Cabriolet|アウディ A5 カブリオレエレガントなたたずまいのオープン4シーターアウディ ジャパンは、A4とA6のあいだをうめるクーペ、A5のラインナップにプレミアムオープン4シータ-「A5カブリオレ」を追加し、8月25日より発売する。写真=アウディ ジャパン3層の幌でクーペ並みの快適性を確保アウディA5カブリオレは、エレガントでエモーショナルなデザインや新世代シャシーによるスポーティな走りで人気のアウディA5クーペをベースに、オープンエアリングを気軽かつ快適に楽しめる、電動開閉式ソフトトップを組み合わせたフル4シータ-カブリオレ。さっこん、スチールやアルミパネルのバリアブルルーフを備えたオープンカーが主流のなか、あえてコンベンショナルな幌にこだわった同車は、それゆえ、クラシカルでエレガントなエクステリアデザインを実現している。ソフトトップは3層構造で、耐候性と断熱性に優れたキャンバス素材が、軽量で頑丈なフレームとともに高い機密性と遮音性を確保。クローズドの...
Audi A5 Sportsback|クーペの優雅さとセダンの快適性、そしてアバントの実用性
Audi A5 Sportsback|アウディ A5 スポーツバッククーペの優雅さとセダンの快適性、そしてアバントの実用性アウディは「A5スポーツバック」の販売を、9月よりヨーロッパで開始することを発表した。文=ジラフパワーユニットはガソリン2種、ディーゼル3種このモデルは、今年のデトロイトショーで発表され話題となった「スポーツバックコンセプト」を市販化したもの。クーペのように優雅であり、セダンの快適性とアバントの実用性を兼ね備えるというコンセプトは、そのまま受け継がれているようだ。採用されたパワーユニットは、2.0リッター直4の「TFSI」(211ps)、3.2リッターV6(265ps)の2タイプのガソリンエンジンと、2.0リッター直4ターボディーゼル「TDI」(170ps)、2.7リッターTDI(190ps)、3.0リッターV6TDI(240ps)3タイプのディーゼルエンジン。そのすべてが直噴となり、排出ガス性能でユーロ5に適合するという。また、ガソリンモデルにはアウディ伝統の...
Audi Sportback Concept|アウディ版4ドアクーペ、スポーツバック コンセプト
Audi|アウディアウディ版4ドアクーペ、スポーツバック コンセプト2009年1月11日、アウディはアメリカ・デトロイトで開催されている北米国際自動車ショーでスポーツバックのコンセプトカーを公開した。文=ジラフハイパフォーマンスとウルトラクリーンを両立させたディーゼルユニットこのアウディ スポーツバック コンセプトは、昨年発売された2ドア フル4シータークーペである「アウディA5」の流れを汲むコンセプトモデルで、その特徴は、5ドアでありながらクーペのような流麗なシルエット、そして大きなリアハッチを持っていることだろう。ボディサイズは全長4950mm、全幅1930mm、全高1400mmとなっている。デザイン的には水平感を強調するショルダーラインや、フロントとリアに採用された幅広でフラットなLEDライトユニットが印象的。このコンセプトモデルに採用された技術のハイライトといえるのが、世界でもっともクリーンなディーゼルテクノロジー。搭載されるハイパフォーマンス・ウルトラ・クリーン・3.0リ...
アウディ A7/S7/RS 7 スポーツバックが待望の日本上陸|Audi
Audi A7 Sportback |アウディ A7 スポーツバックAudi S7 Sportback |アウディ S7 スポーツバックAudi RS 7 Sportback |アウディ RS 7 スポーツバックアウディ A7/S7/RS 7 スポーツバックが待望の日本上陸アウディ ジャパンは、4ドアクーペの新型モデル「A7/S7/RS 7 スポーツバック」を発表。4月7日より、全国の正規ディーラーで販売を開始する。Text by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)Photographs by TSUKAHARA Takaaki2リッター直4ターボをあらたに設定2011年にデビューし、2014年5月に初のマイナーチェンジを受けたアウディの4ドアクーペモデル「A7/S7/RS 7 スポーツバック」。本国ドイツではすでに昨年から販売が開始されていたが、このたび待望の日本初上陸を果たした。新型A7 スポーツバック シリーズの特徴は、デザインの刷新、最新パワートレーンの...
AUDI|アウディ|松井龍哉 vs アウディR8 (1) 「少年たちの足を止める引力」
Vol.1 松井龍哉 vs アウディR8Chapter1 少年たちの足を止める引力ロボットデザイナーという立場で松井氏が語る、スーパーカーの存在と未来。ローマで遭遇したある場面で、デザインの力について考えた。──アウディR8は、「日常で使えるスーパーカー」を謳っています。二律背反するようなアウディの提案をどのように感じますか?松井 スーパーカーと聞けば自然と胸が高鳴る世代ですからね。期待が膨らみます。では、どんな存在がスーパーカーかというと、それを考えさせられる場面に遭遇したことがあるんです。ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4 (Photo by Lamborghini)去年行ったローマの日本食レストランの駐車場に、「ランボルギーニ・ガヤルド」が駐車してあった。そこにサッカー少年の集団がやってきて、立ち止まってみんなで議論をはじめたんです。「まるで生き物みたいだ」「後ろから見たほうが迫力がある」「オレンジ色が似合うんじゃないか」。あの子供たちにサッカーを忘れさせるほどの引力がガ...
AUDI|アウディ|松井龍哉 vs アウディR8 (2) 「エンジンで問われるセンス」
Vol.1 松井龍哉 vs アウディR8Chapter2 エンジンで問われるデザイナーのセンススーパーカー最大の見せ場はエンジン──。細部に宿るデザインの引力を求め、「アウディR8」のディテールにフォーカスを。──視点を細部に移しましょう。気になるポイントはどこですか?松井 自動車メーカーがフラッグシップ・モデルに投影するのは、自社の未来へのアイデンティティですよね。それをもっとも表現できるのは、エンジニアリングの粋を集めたエンジンです。このR8も、ガラスのフード越しにエンジンがのぞける仕掛けになっている。スーパーカーとしての誇りを表現していると感じました。──職業的観点でエンジンを見るとき、どういう部分に関心をもちますか?松井 エンジニアの主張に対してデザイナーがどういう折り合いをつけたのか、ですね。とくにこうしてエンジンを見せる場合は、いかに洗練されたプロダクト化が達成できているか。そこはデザイナーの思考プロセスを読み解こうとする愉しみでもあります。──なかなかユニークな見方で...
AUDI|アウディ|松井龍哉 vs アウディR8 (3) 「スーパーカーの定義は変わる」
Vol.1 松井龍哉 vs アウディR8Chapter3 スーパーカーの定義は変わる「アウディが標榜する“日常性”は、我々に向けた挑戦」。デザイナーの視点から語る今日的スポーツカーの在り方、いよいよ総論。──短い時間でしたが、実際に運転してもらいました松井 企業としても心から尊敬するアウディが、技術の粋を集めたR8です。神聖な気持ちで乗らせていただきました。そして技術力がなすサブライム(崇高さ)を感じることができました。振動や音が腹に響き、一気に非日常的空間へと導いてくれます。でも混雑した東京では崇高なエンジニアリングのほんの一部しか味わえない。それはまったくもったいないですね。──すると、都会的な印象のあるR8でも、実は都会にはふさわしくない?松井 日本の現代生活を冷静に捉えてみれば、動物園の馬、みたいな感じじゃないですか? 飼い殺しと言ったら大げさだけど、生来の野生を発揮できる場所で走らせたい欲求は抑えきれないだろうと思います。でなければエンジニアに失礼ですよね。ただ、全体のサ...
Audi |アウディ R8|第11回 (前編)|「疑念を一蹴するほどのカッコよさ」
第11回 アウディR8(前編)「疑念を一蹴するほどのカッコよさ」一時期、ほぼ息絶えたスポーツカーが、ここにきて相次いで復活を遂げている。ドイツのプレミアムブランド、アウディは、かつてルマン24時間耐久レースで連勝を飾ったマシンの名を与えた、同社初の本格ミドシップ・スポーツカー「R8」を誕生させた。文=下野康史Photo by Audiアウディとランボの「幸せな結婚」アウディがスーパーカー級のミドシップ・スポーツカーをつくっているというウワサをはじめて耳にしたとき、ぼくは耳を疑った。「耳にしたとき、耳を疑った」って表現は、耳がダブってしつこいゾ、と思われるかもしれないが、アウディのスーパーカー話にも、そういうしつこさを感じたのだ。だって、ランボがあるじゃないか、と。アウディ初の本格ミドシップ・スポーツ「R8」。1998年の電撃的な吸収劇以来、アウディはランボルギーニの親会社である。フォー・シルバー・リングスとファイティング・ブルとの合体には度肝を抜かれたが、しかし、よく考えてみれば、...
Audi|アウディR8|第12回 (後編)|「スーパーカーはまだまだイケる!」
第12回 アウディR8(後編)「スーパーカーはまだまだイケる!」スポーツカーとしてのカッコよさは抜群。走り出せば期待を裏切らない「アウディR8」。いままでにない、スポーツカーの未来を予感させるモデルだ。文=下野康史Photo by Audi男っぽさや汗臭さがないスポーツカー「アウディR8」は、走り出しても、外観の印象を裏切らない。真骨頂は、ミドシップの超高性能スポーツカーでありながら、男っぽさや汗臭さを見事に排除したことにある。300km/hを超す最高速をはじめとして、動力性能はスーパーカーそのものだが、「爆走」的な凶暴さはどこにも見られない。既存のアウディ・ユニットにドライサンプ化などの改良を加えた4.2リッターV型8気筒は、乗っていると、キャビンのすぐ後方にあるとは思えないほど静かである。操縦性に長けるミドシップ(エンジンを車両中央に搭載)レイアウト。ハッチゲートのグラス越しにエンジンを見ることができる。4.2リッターV8ユニットは、420psのパワーと43.8kgmのトルクを...
New Audi A8|よりシャープでアグレッシブに
New Audi A8|新型アウディ A8よりシャープでアグレッシブにアウディは、同社のフラッグシップモデルたる「A8」の新型のティーザーキャンペーンをこのたび開始した。文=ジラフ発売は2010年後半今回公開されたティーザー写真は、アウディの技術開発担当役員、ミハエル・ディック氏とともに写る黒いベールに包まれた新型「A8」の1枚。その姿こそ確認はできないが、黒いベールの向こうから、特徴的なLEDデイタイムライトの形が見えるという心憎い演出がなされている。昨年の10月には、現行のA8よりも、さらにシャープでアグレッシブな印象の次期A8のイメージスケッチが公表されているが、このイメージから推測するに、走りの面でも格段の進化が図られているはず。フラッグシップモデルであることからも、アウディの革新的な新技術も惜しみなく盛り込まれることはまちがいない。この新型A8は、早ければ9月のフランクフルトモーターショーで発表予定。なんらかの理由で発表が遅れたとしても、11月にはデビューし2010年後半...
Audi R8 5.2 FSI quattro(後編)|クルマ好きに対する挑戦状
Audi R8 5.2 FSI quattro|アウディR8 5.2 FSI クワトロ(後編)クルマ好きに対する挑戦状アウディが手がけたミドシップスーパースポーツ、R8。ル・マン24時間耐久レース優勝マシンの名をいただく同車に、5.2リッターV10を搭載したハイパフォーマンスなモデルが追加された。自動車ライター、渡辺敏史が、富士スピードウェイでその真価を確かめた。文=渡辺敏史写真=高橋信宏最終コーナーからのフル加速で260km/h超をマークV8モデルとは明らかにちがう始動音は、エンジン特性の差というよりも意図的なサウンドチューニングによるものだろう。そのエキゾーストの、俄然獰猛な印象に気を引き締めて走りはじめると、V10モデルは2000rpmを超えたあたりから、V8モデルとは一回りはちがうその強靱なトルク感で軽い車体をグイグイと推し進めるのがわかる。そして前方がクリアな状況で一気にアクセルを踏み込むと、V10ユニットはちょっと低くくぐもった独特のサウンドを一気に高め、文字通り脱兎の...
Audi R8 5.2 FSI quattro(前編)|知性を漂わせる生粋のアスリート
Audi R8 5.2 FSI quattro|アウディ R8 5.2 FSI クワトロ (前編)知性を漂わせる生粋のアスリートアウディが手がけたミドシップスーパースポーツ、R8。ル・マン24時間耐久レース優勝マシンの名をいただく同車に、5.2リッターV10をいただくよりハイパフォーマンスなモデルが追加された。イタリアのライバルに真っ向から勝負を挑むジャーマンスーパーカーの真価は?文=渡辺敏史写真=高橋信宏R8とGT-R「これは事件かもしんないですね」2007年、はじめてアウディR8に触れたラスベガスの山中で、そのステアリングを握りながらアウディのスタッフにこう漏らしたのを思い出す。転がりはじめからわかるムービングパーツの精度の高さ、走れば走るほど五感に伝わる強烈な剛性感、意外やルーミーなキャビンにアウディらしい品質の内装、そして常識を覆す乗り心地の良さ……。スポーツカーにとってもっとも大切な運動性能や動力性能をさしおいても、R8にはセグメント的なライバルとなるだろう、イタリアのス...
Audi R8 SPYDER|ジャーマンスーパーカーにスパイダー追加
Audi R8 SPYDER|アウディR8 スパイダージャーマンスーパーカーにスパイダーが追加アウディはフランクフルトモーターショーにおいて、同社が誇るスーパースポーツ「R8」のオープンバージョンたる「R8スパイダー」の詳細を発表した。文=ジラフ19秒で開閉可能なソフトトップこのニューモデルは、クーペボディの「R8」のオープンバージョンで、トップにはメタルルーフ化による重量増を避けるために、ソフトトップを採用。このソフトトップは、スイッチを押すとわずか19秒でトランクルーム内に収納され、走行中でも時速50km/h以下であれば、開閉可能だという。またこのソフトトップは3層構造となっているので、高い耐候性と遮音性を確保。走行時においてもクローズ時なら、クーペと同等の静粛性を実現しているという。またリアウインドウにはガラスを採用することで、経年変化などによる後方視界の劣化を防いでいる。カラーバリエーションも3色用意されているので、11色あるボディカラーとの組み合わせによって、自分好みのス...
Audi A5 Cabriolet(前編)|もうひとつの魅力を備えたライフタイルビークル
Audi A5 Cabriolet|アウディ A5 カブリオレ(前篇)もうひとつの魅力を備えたライフタイルビークルスタイリッシュなスタイリングが目を惹くプレミアムクーペ、アウディA5。同車にフルオープン仕様の「アウディA5カブリオレ」が追加発売された。価格は784万円。文=小川フミオ写真=河野敦樹あえてソフトトップを採用アウディA5は、エレガントさにくわえ、エッジの効いた男性的な雰囲気が、他車にない魅力となっているモデルだ。2009年8月25日よりアウディジャパンが追加発売したA5カブリオレは、クーペのもっている個性に、電動ソフトトップというもうひとつの魅力を備えたライフタイルビークルだ。日本へ導入されるのは、2010年度燃費規制をクリアする3.2リッターV6エンジンにクワトロシステムを組み合わせたモノグレードとなる。アウディA5カブリオレの特長は、フル4シーター、つまりおとな4人で乗れるオープンモデルであること。欧州では好まれる形式だが、A5カブリオレはあえてソフトトップを採用し...