MAURICE LACROIX|マスターピース・ダブル|レトログラード
Watch & Jewelry
2015年3月31日

MAURICE LACROIX|マスターピース・ダブル|レトログラード

MAURICE LACROIX|モーリス・ラクロア

マスターピース・ダブル レトログラード

Text by OPENERS

1990年より始まった、モーリス・ラクロアを代表する機械式コレクション「マスターピース」。機械式時計の醍醐味が感じられる珠玉のコレクションだが、なかでもマスターピースコレクションといえば、針が往復運針して時を表示する“レトログラード機構”が有名。今回、紹介する「マスターピース・ダブル レトログラード」は、レトログラードを2つ搭載している点からも、同コレクションの定番として位置づけられる、最も人気の高いモデルの1つである。

ダイヤルの12時と6時位置には、扇形のサブダイヤルがあり、それぞれ第2時間帯表示(24時間表示)と、31日までのデイト表示になっている。12時位置では針が1時間ごとに、そして6時位置では1日ごとに移動して、それぞれ右端に到達したところでジャンプして左端に戻るのだ。この独創的なメカニズムの全てが、電気仕掛けを一切使用しない、100%力学構造で作動する点に途方もない魅力がある。12時位置のセカンドタイム針は、ユニークなサーペント(蛇)状になっており、これもまた同モデルのアイコンのひとつといえるだろう。メインダイヤルには伝統的なギョシェ彫り、時分針にはブルースチールのブレゲ針を採用。そして3つのサブダイヤルにはソレイユ・ギョシェが施されている。

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搭載されるムーブメントは、手巻きキャリバー「ML100」。かつて懐中時計にも使用されていた古典の名機「ユニタス6497-1」をベースにしており、それを一度すべてバラし、面取りや装飾、仕上げなどをきちんと行ってから、さらにオリジナルモジュールをマウントして組み上げている。3時位置にはパワーリザーブ、そして9時位置にはスモールセコンドが装備されており、下の写真のとおりムーブメントの文字盤側からは、非常に複雑な歯車構造が見て取れる。むろん文字盤側からのムーブメントの様子は、通常見ることはできない。しかし、裏蓋側のシースルーバックからであれば、伝統的なチラネジ付きのテンプが、毎時1万8000振動で雄大に時を刻む様子がかいまみられる。

ケースの仕様はステンレススチールをはじめ、合計3種類を用意する。高度に洗練された機械式時計が、アンダー80万のリアルな価格帯から購入できるのは、うれしい限りである。

手巻き。毎時1万8000振動。42時間パワーリザーブ。ケース径43.5mm。
SSケース。アリゲーターストラップ。30m防水。76万6500円。

SS×18KPGケース。80万8500円。
18KPGケース。142万8000円。

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