参加者として体験したい、スペインのアーティスト、ハビア・カレヤの日本初個展|ART
LOUNGE / ART
2019年3月19日

参加者として体験したい、スペインのアーティスト、ハビア・カレヤの日本初個展|ART

ART|ペインティング、インスタレーションに彫刻作品も

驚きとユーモアを与えるトリックに満ち溢れた世界
ハビア・カレヤの日本初個展「Do Not Touch」開催

渋谷のギャラリーNANZUKAにて、2018年11月24日(土)~12月22日(土)の期間、スペインのアーティスト、ハビア・カレヤの日本初個展「Do Not Touch」が開催される。

Text by OZAKI Sayaka

象徴的な“BIG EYE”とテキストで生み出されるウィットに富んだ世界観

1971年、ピカソの生誕地として有名なマラガに生まれ、現在もマラガにて活動を続けるアーティスト、ハビア・カレヤ。その作品は、日常生活のさまざまな出来事にちょっとした仕掛けを加えることによって、驚きとユーモアを与えるトリックに満ち溢れている。

ルネ・マグリッドが好きだというカレヤは、その技法を参考にしながら現代的な肖像画において再解釈を試みている。また鑑賞者が自ずと見出すようなストーリー性の設定は、カレヤが作品に仕掛けた罠のひとつだ。カレヤの作品を前にした時、鑑賞者はそこに自身の精神性と主観性が表されていることに、やがて気づかされるだろう。

また、幼少期より日本の漫画やアニメーションなどに親しんで育ったカレヤにとって、自身が描く人物をキャラクター的に強調して見せるスタイルは、自然と身に付いたものだ。2007年にマラガ現代美術館における奈良美智の個展のサポートした経験も、カレヤのアーティストとしての成長に大きな影響を与えた。テキストを画面に引用する手法で、人物をよりウィットに富んだキャラクターに仕立てる手法などは、カレヤが奈良美智から学んだスタイルとも言えるだろう。

現在、日本の漫画やアニメを語る際に最大の特徴とされている“BIG EYE”は、江戸時代後期以降にポルトガルなどの西欧諸国からもたらされた表現にその一因があるとされる。より西洋的な表現を追い求める過程で、漫画などの発展とともに日本文化における美意識が「大きな目」によって表現された歴史的なプロセスは、非常に興味深い事例である。

そして、スペインに住むカレヤの作品に、日本が育んだ表現の影響が逆輸入される図式は、まさに現在のグローバル社会のアートシーンを象徴するものだ。本展では、10数点のキャンバスペインティングの他に、ドローイングと壁画を組み合わせたインスタレーション、等身大の彫刻作品が発表され、鑑賞者ではなく参加者として体験できる展示構成となる予定だ。

ハビア・カレヤ

ハビア・カレヤ

ハビア・カレヤ

ハビア・カレヤ

ハビア・カレヤ Do Not Touch

会期|2018年11月24日(土)~12月22日(土)
会場|NANZUKA
住所|東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB2F
時間|11:00~19:00(月曜日、日曜日、祝祭日は定休)

※11月23日(祝)18:00〜20:00には、一般参加可能のオープニングパーティが行なわれます。

問い合わせ先

NANZUKA

Tel.03-3400-0075

http://www.nug.jp/

           
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