ドゥラクールCEOが語る新作「リフレクト・トゥールビヨン」|DELACOUR
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2015年12月17日

ドゥラクールCEOが語る新作「リフレクト・トゥールビヨン」|DELACOUR

deLaCour|ドゥラクール

まったく新しいケースシェイプの自信作

2003年、独創的なデザインと複雑機構を組み合わせた「ビクロノ」で、鮮やかにバーゼルワールドデビューを果たしたドゥラクール。以来、各国王室やセレブリティ、有名スポーツ選手などへと一気にユーザーが広がり、特別なオーダーによる別注モデルの開発にも力を注いできた。今回、わずか十数年で世界的なブランドへと躍進させた同社の敏腕社長が2016年発表予定のニューモデルを携えて来日したという情報をキャッチ。ドゥラクールコレクションの取り扱いで国内随一を誇るノーブル スタイリング ギャラリーにて、インタビューが実現した。

Text by YAMAGUCHI Yuya

「リフレクト」からドゥラクールの新たな伝説が始まる

ふたつのクロノグラフを搭載する「ビクロノ」や、ふたつのフライング・トゥールビヨンを備えた「ビトゥールビヨン」で世界を席巻。日本では「サクラ」がヒットを続けるドゥラクールだが、これらとは異なる新フォルムの新作を開発したという。社長自らがデザインや設計に関わったというこだわりの逸品について、アルフレッド・タージバチアン氏に詳しく解説いただいた。

deLaCour|ドゥラクール02

――新しいケース形状と赤いパーツに目を奪われる新作「リフレクト・トゥールビヨン」ですが、その開発経緯は?

社内に組織した新たなデザイナーチームによって生み出された第1号モデルです。ドゥラクールのアイデンティティといえる個性的なラグとベゼル上のドットは継承しつつ、よりスポーティなスタイルにまとめました。ドレスアップするシーンからカジュアルまで幅広くカバーし、快適な着け心地も実現しています。トゥールビヨンを備えるムーブメントも新開発したもの。縦長の赤いパーツは、通常は受石などに使われる人工ルビーを円柱状のまま用いています。

――人工ルビーを使った斬新なアイデアはどこからでしょうか? また、その意図とは?

モデルコンセプトは、ビルなどの建造物です。空へと伸びているビルの中には柱があり、フォルムと強度を保っています。その柱を人工ルビーで表現し、さらに水平にブリッジを組むことで固定される堅牢な仕様になりました。結果、衝撃を受けてもムーブメントに負荷がかかりにくい構造が実現したのです。今までにないオリジナリティの追求ため、あえて人工ルビーをそのまま採用したのも正解でした。斬新なシリンダー型のデザインがアクセントになりましたね。

――フェイス、バック、そしてサイドに至るまで、シースルー化しているディテールに驚きました。このデザインの狙いは?

deLaCour|ドゥラクール02

9時方向側面もシースルー化し、ケース内に光を取り入れる独創的なアイデアを採用。内部の複雑なムーブメント構造を視覚的に楽しめる。

deLaCour|ドゥラクール02

トゥールビヨンと主要歯車がセットされている位置をスケルトンにしたケースバック。地板のマットブラックは最高級のエナメル仕上げ。

deLaCour|ドゥラクール02

スケルトンダイアルは、光の反射が美しいブラックシャイニー仕上げの地板と、人工ルビー製チューブを固定したブリッジから構成される。

レッドルビーを使った美しいムーブメントですから、魅せることにこだわりました。躍動的で、まるで生きているかのように見えるでしょう。どの角度からでも鑑賞できるように、表と裏だけでなく、左側もサファイアクリスタルでスケルトンにしています。これらによって取り込まれる光により、シリンダー型ムーブはいっそうの輝きを放つのです。さらにムーブの裏側は、ブラックエナメルの装飾を施しました。表は光沢のあるラッカー仕上げ、裏はマットな仕上げ。光の一方には影がある、まさにモデル名通りの「リフレクト」を表現しているのです。

――美麗かつテクニカルなムーブを活かすためのケースであることがよくわかります。今後、このスタイルを活かしたバリエーション展開などは?

複雑なムーブメントを搭載するモデルを開発したいと構想を練っています。ポピュラーなところではクロノグラフでしょうか。スケルトンダイアルはトレンドのひとつですが、ドゥラクールは他社と異なるアプローチで、独自の“魅せるムーブ”を開発していきます。また、ルビーのカラーをテーマ合わせて変えるシリーズ展開も面白いですね。

複雑なチタンケース(25のパーツから構成)からもお分かりいただくように、「リフレクト・トゥールビヨン」はプロトタイプを作り上げるのに1年半の歳月がかかりました。もちろん工房で耐久性や精度面など、様々な環境下での検査を実施しています。そして何より、私自身が着用テストを行っています。ですから自信を持って、品質を保証します(笑)

deLaCour|ドゥラクール02

リフレクト・トゥールビヨン

ドゥラクールのアイコンフォルムを、よりスポーティにシェイプさせた新設計のレクタンギュラーケースに、トゥールビヨンを備える手巻きの自社製ムーブメント、キャリバーDC261を搭載する。ブラックシャイニー仕上げの地板とルビーを“支柱”として用いた一体型スケルトンダイアルに、時分針とブラックエナメル仕上げのゲージを配したパワーリザーブ表示をセット。

ケース|チタン
サイズ|縦48×横52×厚さ12.5㎜
ムーブメント|自社製手巻き(Cal.DC261)
振動数|2万1600/時
石数|27石
パワーリザーブ|約95時間
ストラップ|クロコダイル
防水|5気圧
限定数|9本
価格|3024万円(予価)

小サイズのレディスウォッチでマーケットを開拓

――そのほかにも、2012年発表のレディスモデル「リープ」に新サイズが追加されました。小型モデルを市場に投入した理由は?

「リープ」はブランドのDNAである楕円形を受け継いだ、美とエレガンスを融合させたシリーズとして大変好評を得ています。中央にダイヤモンド・サークルをセットした、優雅さと女性らしさが特徴です。もともとはSとMのサイズのみでしたが、要望が多かったスモールサイズ「XS」を追加したのです。しかしただ小さくしたのではなく、秒針を廃するなどすっきりしたデザインにまとめています。きっと日本の女性にも受け入れていただけることでしょう。

deLaCour|ドゥラクール02

deLaCour|ドゥラクール02

Leap XS|リープXS
既存のリープ同様の滑らかで柔らかいフォルムをサイズダウン。ケースバックから細長いラグまでの設計が絶妙で、腕の細い女性にもマッチしやすい。文字盤中央に約0.12カラットのダイヤモンド。エンボス加工のローマンインデックスをそれぞれセットした、2層のマザーオブパールダイアル(左)とブラックシャイニー仕上げのメタルダイアル(右)がラインナップ。

ケース|ステンレススチール
サイズ|縦32.5×横36×厚さ7.5㎜
ムーブメント|クォーツ(Cal.DC221)
ストラップ|クロコダイル
防水|5気圧
価格|81万円
限定数|マザーオブパールダイアルとブラックダイアル合計222本

才能溢れる“クリエイティブさ”が輝かしい未来を暗示

「リフレクト・トゥールビヨン」は、光を巧みに操ったドゥラクールらしい豊かなデザイン。加えてトゥールビヨンが持つ高精度を備えた自社製ムーブメント。そして世界にたった9本という希少価値。まさしく唯一無二のハイエンドピースといえる。一方の「リープXS」は、女性視点から生まれた小振りな実用派。当然ながらドゥラクールのデザインコードを継ぐモデルでもある。どちらも同社スローガン“SINCE TOMORROW”を具現化した新たなタイムピースである。

今後はよりラインナップを厳選していく方針です。しかしリープのように、ニーズに合わせた小型化などはしっかり取り入れていきます。また、個々に合わせたカスタマイズも柱としていきたいですね。これからもドゥラクールは、既成概念に囚われない革新的な時計作りを邁進していきます。ぜひ、ご期待ください。

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ALFRED TERZIBACHIAN|アルフレッド・タージバチアン
ドゥラクール CEO
レバノン生まれ。幼少期をベイルート過ごした後、オーストリアのビジネススクールやドイツで宝石学を修める。1989年友人のルアイ・クズベリーとピエール・クックジャンと共同で前身会社を興し、一流ブランドへ先進的なデザインとマーケティングを提供。2003年に「ドゥラクール」設立。世界屈指の創造性、革新性、そして独創性を誇るスイスメイドの超高級コレクションを数々プロデュース。

問い合わせ先

ノーブル スタイリング ギャラリー

Tel.03-6277-1600

http://noblestyling.com

           
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