ヘアサロン「ツイギー」主宰の松浦美穂さんと、コスメブランド「THREE」のメイクアップ クリエイティブ ディレクターを務めるRie OMOTOさん。今回、ふたりのスペシャル対談が実現した。
Text by OPENERS
Photo by JAMANDFIX (TALK) , SATO Koji (LONDON)
「ロンドン」という共通の場所
ヘアサロン「ツイギー」を主宰する松浦美穂さんは、さまざまな媒体においてモードの先端を発信しながらも、サロンの屋上で稲作をしたり、オーガニックに注目したオリジナルプロダクトを開発するなど、“モードとオーガニックの両立”を提案している。一方、ナチュラルな成分を使いながらもメイクアップ製品ならではのモード性を確立させて人気を博しているコスメティックブランド「THREE」のメイクアップ クリエイティブ ディレクターを務めるRie OMOTOさん。あたらしい感性で、注目を浴びるふたりがいま思うこととは?
──今日、おふたりはちゃんとお話するのははじめてだそうですね。じつはお互いに、ロンドンにいらっしゃった過去があるようです。
松浦 そうなんですか! ずっとニューヨークにいる方だと思っていた。いつごろロンドンに?
Rie 1990年ごろです。
松浦 じゃあもしかするとギリギリかぶっているかもしれない。私は1987年から89年だから。私はカムデンに住んでたけど、どこに住んでました?
Rie クイーンズパークです。カムデンには毎週行ってました。
松浦 え!? 14万円(笑)!?
Rie そうなんです(笑)。何百万も貯めて学校に行きながら、というより、とりあえず行ってみようっていう。でもすごく楽しかったし、刺激をたくさん受けました。
松浦 わかる。私もロンドンに行くのは直観で決めました。私たちが行った時期って、ロンドンがいちばんパワフルだったころからどーんと落ちて、もうロンドンコレクションにも日本人ジャーナリストは誰も来ない、なんていうとき。一方、日本はバブル絶頂期で。だから日本人から見ると、ロンドンで古着を着てたりなんかすると、「今更なに?」っていう目で見られる時期だった。「美穂ちゃん、服に穴が開いちゃってますけど」みたいな(笑)。
松浦 タイミングって大きいですよね。私はロンドン行く前に「六本木美容室」というサロンの店長をやっていたんだけど、だんだん東京が自分にとって居心地悪くなってきているのを感じていた。それで飛び出してみたんだけど、旅行で感じたほっこりしたロンドンと住みはじめたロンドンの暗い感じに大きなちがいがあったし、いつも自分がどうしたいのか見つめていないといけなかった。税金も高くて、そういう意味では外国人に冷たい街だったし。ストリートでヘアメイクやってると、警察に目をつけられたりもしましたね(笑)。馬でパコパコっと警官がやってきて「何やってるんだ」って言われても、「友だちにお化粧してあげてるの」なんて言い逃れてましたけど(笑)。
Rie ロンドンではお仕事をされてたんですか?
松浦 こっそりしてました。「Streeters」っていう事務所があって、そこに仮所属というかたちで……補欠的な感じで作品撮りに励んだり。あとは日本から撮影に来るミュージシャンたちのヘアメイクをやったりとかね。
Rie それはすごいですね。
松浦 そのときは自分の運命にありがとう、って言いたかったですね。貯金通帳を見たら残高980円しかなくて、家賃、無理!っていうときもあったくらい。そんなラッキーな仕事があったり、あとはストリートマーケットで髪を切ったりとかね。