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2009.09.24

vol.4 本能で感じる香り


“ひとを癒すのはひとである”という信念のもと、「アロマティーク」代表、アロマセラピストとして活躍される中村あづささん。この連載では、アロマセラピー、つまり「芳香療法」を通して、心身のバランスを整えるための香りについて、お話しいただきます。

文・写真=中村あづさ
編集=小林由佳


香りは慣れる? それとも慣れないもの?

ひとの香りや生活空間のなかでの香り。電車やタクシーなどの乗り物で感じる香り。ペットや動物から感じる香りもいろいろですよね。タオルや衣服、ぞうきんなどからも感じる、あの生乾きで鼻につく香り。それは皆さんの生活そのものですよね。あるひとの部屋や家に入った瞬間に感じる「あの匂い」。あの人からいつも感じる「あの匂い」。それはいつも皆さんを心地よくさせているとは限りません。しかし、それは「臭い」なのでしょうか?

ひとはいつしかその空間でその香りに順応してしまう能力があります。どうしてあのひとはこの匂いに気がつかないんだろう……と不思議に思うことがあるかもしれませんが、皆さん自身も皆さんが放つ香りや皆さんが作り上げている空間の香りに気づいていないかもしれません。

私たち人間の嗅覚は、まだまだ未開発で未知的な要素を多くもっているため、はっきりとした「答え」が見出せないことも多いのですが、私たちは、どんな香りに慣れた状況下でも新しい香りに反応し、処理できる能力も持ち合わせているのです。こういったことを考えると、いろいろな香りを嗅いで「鼻がバカになったので、ほかの香りはわからない」という発言は、そのひと自身が香り自体を受け入れようとしていない意思表示だと言えるでしょう。しかし、実際にはそのひとも香りを感じていることがわかります。

香りというのは、脳に条件づけされることが多く、昔の家の香り、おばあちゃんの香り、昔の彼や彼女の香りなど、その場面や理由が一緒に重なって思い起こされることも多々あります。みなさんが、現在「この香りは好き」「この香りは嫌い」と判断しているその理由も、これまで経験してきたなかで積み重ねられてきた結果のひとつであり、その部分で自分にとって良い香りを判断しているのかもしれません。そして目に見えないあやふやなものではありますが、自分にとって完璧な香りをつねに求めつづけて、いろいろな香りの商品を手にとっているのかもしれませんね。

このような観点で考えると、香りは本当に個人差があり、その香りの好き嫌いはそのひとがどう育ってきたかなど、環境も大きく影響していることがわかるでしょう。目に見えたらわかりやすいのに……そんな難しい挑戦はやめて、自分の本能で感じる香りを見つけるのが、自分がいちばん心地よくなる第一歩であり、それがアロマセラピーの本質として、自分を解放するはじめの方法としてお薦めです。


AROMATIQUE
http://www.aromatiqueltd.com

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