今回の目玉は、世界時計で名品を生み出しつづけてきたヴァシュロン・コンスタンタンの歴史に、あらたな1ページをくわえるワールドタイムモデル。そのほか完璧なカレンダー機能を搭載したモデル、アーカイブからインスパイアされて企画される「ヒストリーク」コレクションと、250年以上の歴史をもつブランドの重みを感じさせる逸品が目白押しだ。
文=渋谷康人
1755年、近代人権思想の祖と言われる哲学者ジャン・ジャック・ルソーが名著『人間不平等起源論』を著したまさにその年、24歳の若き時計師ジャン・マルク・バセロンがジュネーブ市内に開設した時計工房がヴァシュロン・コンスタンタンの起源。以来現在まで250年以上ものあいだ、一度も時計づくりを休むことなく、国際都市ジュネーブに集う王侯貴族などヨーロッパのセレブリティたちを主な顧客に、優雅さでもメカニズムでも最高峰の機械式時計を作りつづけてきた。昨年は、ケース厚わずか4.1mmという世界最薄の手巻きドレスウォッチ「ヒストリーク・エクストラフラット 1955」を発表し、時計関係者、なかでも目の肥えた時計愛好家から圧倒的な支持を集めた。
そして今年、スイス時計界でももっとも長い歴史を誇るこの老舗メゾンは、画期的で実用的な新機能を備えたワールドタイマー(世界時計)機能をもつ新作「パトリモニー・トラディショナル・ワールドタイム」で、ふたたび世界中から集まった時計関係者の絶賛を浴びた。
そのほかの新作も目の肥えた時計愛好家、本当のモノの価値を知る大人の男性にとって、食指を動かさずにはいられない魅力的なものばかりだ。
現在製造されている永久カレンダーモデルで“これ以上に完璧な文字盤デザインはない”といえる究極のハンサムフェイスを実現した「パトリモニー・コンテンポラリー・パーペチュアルカレンダー」、スイス機械式時計の黄金期である1954年に製造されたエレガントな角型モデルをデザインモチーフにした「ヒストリーク・アロンデ 1954」の2モデルは必見である。