2008.07.07
たった1本の“LOVE”ブレスレットが、カンボジアの子供たちの5ヶ月分の食料へと生まれ変わる。2008年も行われたカルティエの“LOVE”チャリティ。日本からは上田桃子氏、後藤久美子氏、坂本龍一氏、中田英寿氏、NIGO®氏の5人がアンバサダーとして参加した。彼らの願いはみながまず「行動する」ということだ。
文と構成=野上亜紀
Noblesse Oblige
「ノブレス・オブリージュ」という言葉に見るように、チャリティは権威あるもの、見識者の義務として、欧米では昔から文化として定着してきた。ヨーロッパの王室の活動、国民の数だけ存在するアメリカの多種多様なNPOなど、チャリティは実に身近な存在として認識されている。チャリティ活動はときにセレブリティの社交術に置き換えられてもいるが、それだけ人道援助という概念が欧米に根付いている証でもあるのだろう。
日本でも昨今、チャリティ活動は頻繁にメディアに取り上げられるようになった。「ボランティア」との境界線も薄れてきて、ここ数年で大企業やラグジュアリーブランドを巻き込む大きな動きとなっている。ある世界的医療団体のNGOを訪れて感じたことだが、ここ10数年で日本と欧米の人道主義に対する認識レベルの差が縮まってきている。カルティエの5人のアンバサダーが示すように、日本人が自発的な「意志」を持ってチャリティに臨むことを躊躇しない土壌が少しずつ固められてきているのだ。
そこには、やはり企業の努力も介在しているだろう。実はチャリティほど結果が求められ、その過程において主催者たちのクリエイティビティの資質が問われる活動はないからだ。今回、世界各国で行われているカルティエのチャリティの中でも、日本における活動は、「ピープルズ・ホープ・ジャパン」との連動で行われるが、その結果を出すことはもちろん、人々の意志を促して具体化するノウハウこそがここで活かされている。
How far would you go for LOVE
“LOVE”チャリティが掲げている「あなたは愛のためにどこまで行けますか」というキーワード。この言葉はチャリティにおいてもっとも必要不可欠とされる、参加する者の「意志」を自然に促すパワーに満ちている。私たちが自発的に動くことができるように、前進するための「道」がカルティエによってもうすでに用意されているのだ。これを素直に受け止めてみることもまた、新たなる一歩の始まりではないだろうか。