デザインと建築の最新情報

藤村明光人形展/ 燕子花別館

藤村明光人形展/ 燕子花別館

トウキョウのインテリア&デザインの最新情報やイベントリポートなどを厳選して紹介する"INTERIOR&DESIGN NEWS"。今回は、中目黒の燕子花別館で開催中の藤村明光人形展をフィ-チャー。ほかの国では見られない独自の進化をとげた日本固有の人形づくりの伝統とは?文=加藤孝司市松人形という伝統市松人形は大和人形、泣き人形ともよばれる子供の姿をした抱き人形のことである。江戸時代の前半までは公家の子女にのみ与えられる高嶺の花であったが、江戸時代中期ころにはおが屑などの安価な材料を使うことによって量産が可能になり、次第に庶民のものとなった。市松人形は抱き人形という、子供の手遊びの道具であるとともに情操教育に用いられてきたという。一般的に裸のままで売れられた市松人形は、その衣装を使い手自身が手作りすることによって和裁(和服を制作すること)の教材にもなった。市松人形はおさなごの手遊びの対象でもあったが、それはまたわが子の無病息災、無事成長を願う親の優しい心のあらわれとして、子供の身代わりや...
北欧老舗家具メーカー日本上陸 フレデリシア・ファニチャーがオープン

北欧老舗家具メーカー日本上陸 フレデリシア・ファニチャーがオープン

北欧を代表する老舗家具メーカーが日本上陸──フレデリシア・ファニチャー社・ショールームがオープントウキョウのインテリア&デザインの最新情報やイベントリポートなどを厳選紹介──こんかいは北欧デザインを代表するフレデリシア・ファニチャー社、日本ショールームです。巨匠ボーエ・モーエンセンとのコラボレーションをはじめ、高品質の家具に定評があるデンマークを代表する家具メーカー、Fredericia Furniture(フレデリシア・ファニチャー)社。待望となる日本ショールームが東京デザインセンター(東京・品川区五反田)内にオープンした。これまでに日本国内で展開されてきた当社の家具は一部のみであった。今回のショールームオープンを機に、半世紀以上の歴史を誇るクラシックラインから、若手デザイナーが手がけるコレクションまでが一同に介することに。日本ではまだあまり知られていない人気の商品がとりそろえられることにより、より多くの人たちがその魅力に触れることが可能となったのだ。なお今後はショールームの空間...
オランダ、フードデザインの現場「Proef アムステルダム」

オランダ、フードデザインの現場「Proef アムステルダム」

オランダ、フードデザインの現場マライエ・フォーヘルサング|Marje Vogelzang写真と文=木戸昌史ここ数年、オランダのデザインが再び脚光を浴びている。その独特のコンセプチュアルなアプローチが、行き詰まり感を見せるインテリアやプロダクトの世界に、これまでにない新しい風を吹き込んでいるのが注目の理由だ。既存のジャンルに捕らわれないオランダのデザインは、その対象を「食」にまで広げつつある。さて、オランダを代表する食べ物といって、何が思いつくだろうか。意外と思いつかないかもしれない。じつは、オランダ人はもともと食に対しては、機能的に「お腹を満たす」という風にとらえていたため、それほど関心がはらわれる対象ではなかったのだという。しかし、最近になってオランダ国民の食文化への関心が高まるなか、食べ物をデザインとして捉えることで、現代的な食文化として発信するデザイナーがいる。そのひとりが、マライエ・フォーヘルサングだ。アムステルダムにある彼女のアトリエを訪れ、その創作の現場をのぞくことがで...
「青参道アートフェア」注目の「ANTE VOJNOVIC」展

「青参道アートフェア」注目の「ANTE VOJNOVIC」展

マテリアルの魔術師が奏でる華麗なステップ「青参道アートフェア」注目の「ANTE VOJNOVIC」展「青参道アートフェア」がいよいよ本日からはじまった。青山通りと表参道を結ぶ通り「青参道」が「アートのプレゼンテーションの場」に一変するこのイベントにおいて、オウプナーズが注目するエキシビジョンを紹介する。文=武井 正樹かろうじて自立し、座ることを許されない椅子光のインスタレーションや彫刻、スペースデザイン、ウインドーアートワークなど、さまざまなメディアで活躍するフランス人アーティストのアンテ・ヴォジュノビック(ANTE VOJNOVIC)。少年のような目をもつ紳士は、電球、竹、木といった素材を前にしたときに、それらを自在に操る魔術師となる。今回発表される椅子をモチーフにした作品は、木を積層することからはじまり、「不安定な椅子」をいくつも作り出した。足が湾曲し、傾いた座面。かろうじて自立し、座ることを許されないこれらの椅子は、まるで意志のある生き物のよう。これらの椅子が連なった様子は壮...
「アントニン&ノエミ・レーモンド展」建築と暮らしの手作りモダン

「アントニン&ノエミ・レーモンド展」建築と暮らしの手作りモダン

「アントニン&ノエミ・レーモンド展」建築と暮らしの手作りモダントウキョウのインテリア&デザインの最新情報やイベントリポートなどを厳選して紹介する"INTERIOR&DESIGN NEWS"。第6回目は、モダニズム建築の先駆者、また日本と世界の文化の架け橋となった、アントニン&ノエミ・レーモンドの回顧展を紹介します。文=Baumas Finkelstein日本とアメリカにおいて合計500以上の建築物を設計し、モダニズム建築の先駆者として知られるアントニン・レーモンドとその妻でデザイナーのノエミ・レーモンド。60年以上にわたったパートナーシップの集大成ともいえる回顧展が、アメリカ・ペンシルバニア、カルフォルニアと巡回し、現在日本で開催されている。レーモンド夫妻の大規模な展覧会は今回がはじめてだ。その活動の中で40年もの間、日本で過ごしたレーモンド夫妻は、モダニズムの先駆者としての顔だけでなく、当時の芸術家、思想家との親交を通じて、日本文化の良き理解者でもあった。素朴な素材や手仕事を重ん...
[ブルーノ・ムナーリ展 しごとに関係ある人出入りおことわり]

[ブルーノ・ムナーリ展 しごとに関係ある人出入りおことわり]

[ブルーノ・ムナーリ展 しごとに関係ある人出入りおことわり]トウキョウのインテリア&デザインの最新情報やイベントリポートなどを厳選して紹介する"INTERIOR&DESIGN NEWS"。第7回目は、生誕100年を迎えたブルーノ・ムナーリの展覧会、「しごとに関係ある人出入りおことわり」を紹介します。Text by Baumas FinkelsteinAbitacoloZizi, produzione Pigomma 1952イタリアが誇る偉大なアーティストでありデザイナーでもあったブルーノ・ムナーリ。彼の生誕100年を記念して、ブルーノ・ムナーリ展「しごとに関係ある人出入りおことわり」が開催される。意味深な展示タイトルはブルーノ・ムナーリの有名な言葉遊びから選ばれたもの。「しごとに関係ある人」とは純粋な感覚を忘れてしまった大人社会を意味し、「出入りが許されるの」は、純粋な感覚に満ちた子どもたちのように、おどろくことに対する欲望をもつべき人間だという。"Scatola di arch...
深澤直人による”日常に潜むデザイン”

深澤直人による”日常に潜むデザイン”

日本を代表するプロダクトデザイナーである深澤直人がデザイン・ディレクターを務める「WITHOUT THOUGHT」のエキシヴィションが南麻布のギャラリー・ルベインで開催中。世界に驚きを与える新しい日本のデザインはここから生まれます。文=加藤孝司写真=Jamandfix深澤直人による"日常に潜むデザイン"「WITHOUT THOUGHT」とは、DMN(ダイヤモンド・デザイン・マネジメント・ネットワーク機構)がプロダクトデザイナー深澤直人をデザイン・ディレクターに迎え、1999年から開催しているワークショップ。日頃企業に属しデザイン活動をしているインハウス・デザイナーたちとともに、自由な発想のもとに物の本質に根ざした創造活動をする。毎回その成果をエキシヴィション形式でお披露目し、そこで発表されるプロダクトは今の時代に少なからず衝撃を与えてきた。そのワークショップの中からグッドデザインアワードに選定される作品や、深澤直人とタカラ社そしてダイヤモンド社との共同プロジェクトである「±0」や、...
スペイン、ヴァレンシアの名陶「リヤドロ」の革新

スペイン、ヴァレンシアの名陶「リヤドロ」の革新

スペイン・ヴァレンシアの名陶「リヤドロ」の革新オウプナーズではクリエイティブ・ディレクター、ハイメ・アジョンによるコンテンポラリーな作品群「Re-Deco」についてはすでに触れた。そして今回はクリエイションの側からでなく、ブランドを動かす立場の若き後継者に、ここのところ相次いでいる革新的な試みについて話を聞いてみた。Text by OPENERSPhoto by JamandfixブランドのDNAに基づきながら、いかに「再生」するかRe-Cyclosのシャンデリア「ナイアガラ」「Re-DecoもRe-Cyclosも、リヤドロの歴史にエボリューションを起こす――ブランドを革新する取り組みでした。著名なアーティストとコラボレーションした結果として、リヤドロのDNA、エッセンスを振り返ることになったのですが、彼ら外部のクリエイターはそのDNAをきっちり理解してくれたうえで、新しいクリエイションを生み出してくれました」リヤドロ創業ファミリーの第二世代で、マネージメント担当のエグゼクティブ、...
深澤直人デザインの世田谷区「犬の鑑札」

深澤直人デザインの世田谷区「犬の鑑札」

問題を解決するデザイン──世田谷区の「犬の鑑札」が変わりますトウキョウのインテリア&デザインの最新情報やイベントリポートなどを厳選──今回は深澤直人氏がデザインした、世田谷区の犬の鑑札を紹介します。文=武井正樹致死されていく犬たちの問題に直視し、デザインやアートの力でその現実を明確に伝えていくことを目的に結成された「ただのいぬ。プロジェクト」。これまでの活動は、書籍の刊行、各地イベントなど多岐に渡り、そのなかで「犬の鑑札」の重要性が訴えられてきた。「犬の鑑札」とは、生涯一度の犬の登録をした際に交付されるもの。鑑札をつけていない迷子犬や徘徊犬は、「狂犬病予防法」により保護拘留となり、約一週間以内に飼い主が引き取りにこないと致死処分されてしまう。たとえ迷子になっても、鑑札がついてさえいれば守られる命。しかし「気に入らない」「うるさい」「似合わない」など人間(飼い主)の一方的な理由と認識の浅さから、犬たちは命を断たれてしまう現実……平成18年度、全国で処分された12万頭のうち、大...
Committeeが紡ぎだすリヤドロの新しい物語

Committeeが紡ぎだすリヤドロの新しい物語

リヤドロには「新しい形」に挑戦する、クリエイティブな精神と力がある──Committeeインタビュー星の数ほどいる若手デザイナーのなかからCommittee(コミッティー)をパートナーに選んだリヤドロ。その“マリアージュ”が正しかったことは、工房の職人たちのほうが彼らの作品に惚れこんでいるということからもうかがい知れる。まとめ=武井正樹Photo by Jamandfix撮影協力=CIBONE AOYAMAフィギュリンという“新しい言語”で紡ぎだす物語──自分たちの作品と、リヤドロ社とのコラボレーションの根本的な違いはなんでしょうか?Committeeとしては「自分たちが見たい世界」、「夢にみている世界」を描き、それを見てくださる方が共有できる作品を制作しています。リヤドロ社とのコラボレーションでは、私たち、リヤドロ、お客さまとの三角形の関係を構築する作業が優先されます。──おふたりにはお客さまは見えていますか? 具体的にこういう人たちに届けたいというのはありますか?自分たちの作品...
深澤直人デザインの犬鑑札ついに展示発表

深澤直人デザインの犬鑑札ついに展示発表

「ただしいいぬ。展」深澤直人デザインの犬鑑札ついに展示発表トウキョウのインテリア&デザインの最新情報やイベントリポートなどを厳選紹介―生活工房ギャラリーにて開催する「ただしいいぬ。展」を紹介します。文=富塚亜希子「ただしいいぬ。」って何でしょうか?犬を愛する人たちに聞いてみます。「あなたの犬に鑑札はついていますか?」装着が義務づけられているはずの犬鑑札。様々な飼い主の都合から鑑札が着けられていないのが現状ですが、あなたの愛犬がもし迷子になってしまった場合、この犬鑑札が着けられていないことで致死処分されてしまうのです。その数は、日本全体で年間数万頭。そういった不幸な犬を今後増やさないために、世田谷区では2009年度より新しい犬鑑札の導入を決定。犬にも人にもやさしい鑑札作りを目指すため、世界的な工業デザイナー深澤直人氏の協力を得て、かたちは「小さくてころっとした固まりに」。素材は「傷や劣化が味になっていくアルミ」に変更。「金属の固まりが渋くなっていくことは、愛犬との付き合いが深まってい...
“トウキョウ”的エディトリアルショップ、「Tokyo's Tokyo」がオープン

“トウキョウ”的エディトリアルショップ、「Tokyo's Tokyo」がオープン

羽田空港第2旅客ターミナルに登場!“トウキョウ”的エディトリアルショップ、「Tokyo's Tokyo」がオープン羽田空港の第2旅客ターミナルビル、マーケットプレイス3階。ここに、旅人の好奇心をかきたてるエディトリアルショップが誕生した。その名も「Tokyo's Tokyo(トーキョーズ トーキョー)」。店内には実用性の高い「旅グッズ」から、デザインプロダクト、ファッションアイテムなどがそろう。これらは「東京を編集する」、「お土産」をキーワードに集められ、各地域やテーマごとにセグメントされている。オウプナーズでは「Tokyo's Tokyo」のグッズセレクションを担当した山田遊氏(method)にお話を伺った。そうそうたるクリエイターが集結したエディトリアルショップ。“トウキョウ”的編集に込められた、その背景とは?文=武井正樹写真=今井真知子──「Tokyo's Tokyo」が誕生するまでの経緯をお話いただけますか?山田 “空港のスーベニアショップにはもっと可能性があるのではないか...
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