前回の連載で取りあげた、シンガポールの『PARCO Marina Bay』で、今年の3月から5月まで期間限定オープンした「TOKYO POP UP STORE - 33 days limited store by 33 creators from Japan - 」のオープン前後に、約1週間ほどシンガポールに滞在しました。昔、空港からトランジットのさいの待ち時間に、バス観光ツアーで大急ぎで街を回ったきりで、しっかりとこの国に腰をすえて滞在したのははじめての経験です。
文=ヤマダユウ
写真協力=加藤智啓(EDING:POST)、Theseus Chan(WORK)
夜は動物園のナイトサファリ
ショップのオープン準備にともない、東京でドタバタ仕事をかたづけ、比較的余裕をもった日程で現地に入ったものの、“シンガポールもやっぱりアジアだなぁ”と、まずは入国の翌日早々に思い知ったのですが、『PARCO Marina Bay』の建物全体の内装施工がギリギリまで終わらないなど、諸々の理由により、肝心の商品ディスプレイについては、結局オープン前日までおこなうことができず、内心は心配でドキドキしていたのにもかかわらず、とはいえどうすることもできず、時間だけはもてあましていたので、「せっかくの初シンガポールですから!」と気分を変えて、外へ繰り出してみました。
シンガポール観光の王道といえば、まず、マーライオンを見物して(一応、写真は撮って)、オーチャード・ロードあたりでショッピング(店とひとの多さに疲れ)、レストランでシーフード(カニのチリソースがおいしかった。でも大体は屋台でご飯)を食べて、夜は動物園のナイトサファリ(これは最高! シンガポールに行ったら絶対にオススメです)、さらに、懐に余裕があればラッフルズホテルに宿泊、といきたいところですが、さすがに長期間滞在はキツいので、これは断念。
ラッフルズホテルはさすが! の風格
ただ、ラッフルズホテルは、さすが! の風格でしたね。コロニアル様式の広大な建物内はいちいち品が良く、また、日本でもポピュラーなカクテル「シンガポールスリング」の発祥の地である、ホテル内の「Long Bar」も大層すてきな雰囲気で、個人的にはシンガポールでもっとも良かった場所のひとつです。また、ホテル内のショップで販売しているオリジナルグッズも、センスが非常に良いのでおみやげに最適です。次回訪れたさいはぜひ一泊だけといわず、最低2泊は泊まってみたいものです。 さてさて、前置きが長くなりましたが、僕らmethodが気になるのはどこの国でもやっぱりショップ! というわけで、今回の「method的シンガポール案内」はシンガポールのショップを中心にクリエイティブなスポットをいくつかご紹介します。 内装やCI、パッケージなど、デザイン的に優れているショップは多かったものの、CIやパッケージについてはともかく、あえて辛口に評価すると、とくに内装のアイディアについては、ヨーロッパや日本からオリジナルが透けて見えてしまうような場所が多いなぁ、という印象です。
ただ、それを言ってしまうと、日本にもそのようなお店がまったくないわけじゃないですから、あえて好意的に解釈するのであれば、オリジナルに影響を受けて、うまく自分たちの社会のなかに取り入れているともいえます。まぁ、そのあたりの議論はどうあれ、全体的には、デザインに対しての意識が高いことはポジティブに映りました。
日本にも学校跡地をリノベーションした施設がいくつもありますが、建物そのものがもつ雰囲気、周辺環境、さらにリノベーションのさいの手の入れようをみると、そのちがいは一目瞭然です。クリエイターのオフィスはもちろん、ギャラリーやシネマ、広い中庭、お洒落なレストランや、中庭にはオープンバー、さらにはテセウス自身が「コムデギャルソン」のゲリラショップをこの場所で仕かけるなど、コンテンツも非常に充実して、シンガポールのクリエイティブな人びとがここには昼も夜も集結している印象。
しかも、テセウスのオフィス「WORK」がまた格好良くて、もはや、ひとりのミーハーなファン状態でした。