2007.12.14
HAKUSAN SHOP|ハクサンショップ
磁器特有の白く透明で清潔な素材感
青山というトレンドに敏感でハイセンスな街のなかで、ひときわ目をひくランドマークのひとつが、建築家・山下和正氏が設計を手がけたフロム・ファーストビル。今回紹介する器の店「HAKUSAN SHOP(ハクサンショップ)」は、落ち着いた佇まいの残るそのレンガ色の建物のなかにある。
文=加藤孝司
Photo by Jamandfix
ふだん使いの正しい器たち
HAKUSAN SHOP(ハクサンショップ)は、日本生まれの焼き物のよさを、上質な空間のなかで吟味することのできる、ふだん使いの器を扱うショップ。一部の富裕層にではなく、一般の人びとに向けた、よりよい豊かな生活のために生み出された器たちには、機能だけではくくれない焼き物本来のよさが備わっている。
モダンデザインの焼き物を手がけながらも、いまでは失われつつある伝統工芸の技術を生かしながらの白山陶器のものづくりは、ほかのメーカーの焼き物にはない新しさと味わい深さをあわせもつ、普遍的な美しさを備えた製品を生んだ。
江戸時代から庶民の器を生産している産地として知られる長崎県波佐見。高級な食器の産地として知られる近隣の有田とともに、400年以上の歴史をもつ波佐見焼の、磁器特有の白く透明で清潔な素材感に、あたたかみが表現された器が白山陶器の魅力である。
量産を目的としたプロダクトデザインの考え方でつくっていても、焼き物の特質上、むかしながらの手作業の工程が多く残る。波佐見という地場の特質を生かした磁器による製品をつくりながらも、あたたかみのこもった作風はそんな手作業の賜物だろう。
それは型でつくりながらも手作業で最終的な仕上げを施す、といった職人の熟練した手業(てわざ)によるところが大きい。多彩な絵柄が用意された人気の平飯茶碗にしても、ほかに例を見ない下絵に鮮やかな色や模様を施すことによって、ふだん使いの食器としての耐久性とともに、見た目にも楽しいあざやかな色彩を獲得している。
それは従来のひとそろいの食器セットという古い考え方ではなく、個性あるバラエティ豊かな彩りのある食卓、という時代に対応するための柔軟で自由な発想から生まれたものだ。
1956年から器のデザインを手がけてきた森正洋の名作「G型しょうゆ差し」を筆頭に、磁器メーカーとして後世に残るマスターピースを数多くつくりつづけながらも、いまという時代の消費者のニーズに見合った製品のアップデートを忘れないものづくりの姿勢こそが、いまも世代を問わず愛され使いつづけられている理由だろう。
なにげない日常に使われてこそ意味をもつ、ふだん使いの器たち。上質な日常とは、こんな器たちとの上手な付き合いのなかから生まれてくるものなのかもしれない。
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HAKUSAN SHOP(ハクサンショップ)
白山陶器東京ショールーム
東京都港区南青山5-3-10 フロムファーストGフロア
営業時間|11:00〜20:00
定休日|年末年始
Tel. 03-5774-8850
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